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此処から一番遠い場所

Voyager_1
km

Voyager_2
km



遠いところの話をしよう。

人間の作ったもので、いま一番遠いところにいるのはボイジャー1号。太陽から約170億Km離れたところを、毎秒17kmのスピードで太陽系から遠ざかっている。それに続くボイジャー2号は太陽から約140億Km離れたところを、毎秒15kmで遠ざかっている。冥王星よりもさらに遠く、太陽系の最外縁部。恒星間物質と太陽からの希薄なガスがぶつかりあっているあたり。惑星の姿はもう捉えることはできず、太陽は最も明るい恒星として認識されるだけだ。

実は、ボイジャーと地球との連絡はまだ絶たれておらず、星間物質などの観測を今も継続している。現在、地球との交信は160bpsのリアルタイムデータと、6ヶ月に1回の120kbps程度の記録データの送信との2種類の通信が行われている。この微弱な電波が地球に届くのに11時間かかる。

ただ、搭載した電池の電力消費を押さえるために、今後徐々に各装置のスイッチが切られることになっている。すでに、2001年に紫外線や赤外線を含む光学系の観測装置のスイッチが切られた。

今後の予定は以下のとおり。
2010年にはジャイロのスイッチが切られ、地球の方向をチェックするための姿勢制御が不可能になる。また、デジタルテープレコーダーのスイッチも切られ、リアルタイムデータのみでの通信になる。2016年ごろには同時に複数の機器を動かすことができなくなり、各機器をONOFFしながらの観測になる。そして、2020年ごろに搭載している電池が切れる。その前に地球との最後の交信が交わされるはずだ。

今地球から見ると、ボイジャー1号はへび使い座の右肩あたり、ボイジャー2号はいて座の足元、望遠鏡座のあたりにいる。 夏になれば、ボイジャー1号のいる方向を見つけるのは難しくない。夕方頃、天頂あたりに明るく光ること座のベガと、真南の空低く横たわるさそり座のアンタレスのちょうど中間辺りにいる。ボイジャー2号を日本から見るのは少し難しいかもしれない。真夏、夕方から真夜中にかけて、南の水平線すれすれのところに昇ってくる。

2機のボイジャーが他の星に出会うのはまだずっと先、ボイジャー1は40,000年後に麒麟座のAC+79-3888という星から1.6光年のところを、ボイジャー2は296,000年後に大犬座のシリウスから4.3光年のところを通り過ぎる。


さあ、外へ出て、夜空を見上げ、星空へそっと手を振ろう。あのあたりに僕らが最初に送った恒星船がいる。




Sep. 30 2002
last update Nov. 07. 2009
※ボイジャーに関する最新の情報は、下記URLを参照してください。

http://voyager.jpl.nasa.gov/
http://heavens-above.com/SolarEscape.aspx

by isana kashiwai
isana.k [at] gmail.com