2008-12-01
§ *オバマ政権移行チーム、「アレスI」ロケットの開発中止を検討(Technobahn)
オバマ政権の移行チームがシャトルの次世代機として開発が進んでいるAres 1をキャンセルする方向で検討中、というお話。ええー!と思ったので、元記事を探してみました。おそらく、Space.com記事というのはこれ*1。~
ref.OBAMA TEAM SEEKS DATA ON POSSIBLE CHANGES TO ARES, ORION(Space.com/SPACE NEWS)
U.S. President-elect Barack Obama's NASA transition team is asking U.S. space agency officials to quantify how much money could be saved by canceling the Ares 1 rocket and scaling back the Orion Crew Exploration Vehicle next year.
えーと、ここに書かれているのは「オバマ政権の移行チームは、もしAres1をキャンセルし、オリオン有人カプセルの規模を縮小した場合、どれくらいのコストが節約できるのかを見積もるようにNASAに要請した」というもの。これが当該記事なら「キャンセルする方針で進んでいる」というのはちょっと飛ばしすぎじゃないかな*2?
もともとの記事は、オバマ政権の意向チームが方針決定のためにNASAに提出した質問状の中に「もしAres1をキャンセルしたら...」という内容が含まれていたことを報じるもの。移行チームが何らかの政策を発表したとか、リークがあったというものではありません(さすがにまだ早すぎるでしょう)。
Space.comの記事から分かる、オバマ政権がAres 1に関してNASAに要請した質問事項は、~
・Ares1をキャンセルしたらどれくらいコストが削減でき、どれくらいの影響が出るか?~
・Ares1の完成を2015年から2013年に前倒ししたらどれくらいコストがかかるか?~
・Ares1をキャンセルして貨物用のAres5の開発を継続した場合はどうか?~
・アトラス5やデルタ4などの既存のロケットで打ち上げられる小型の有人カプセルを作るのにどれくらいコストと時間がかかるか?~
・あるいは、小型版の有人カプセルを海外の打上げ機(アリアンVやH-II)で打ち上げられるようにできるか?~
・平行して進められている民間の打上げ機の開発状況はどうか?~
というもの。
おそらく、移行チームの中で最大の問題になっているのはシャトルの退役、ISSの退役、Ares1の就航のタイミングが合っていないことです。このままだとシャトルの退役からISSの退役までアメリカが乗組員をISSに送り込むための手段がありません。シャトルはいつまでも使い続けるわけにはいかない、ロシアのソユーズの使用は政治的な問題から議会や国民の風当たりが強い、ほっとくとAres1の完成はどんどん先に延びそうだ、さあ困った、という状態。~
ref. オバマ新大統領とアメリカの宇宙戦略(Junkyard Review)
この空白期間を極力短くして、さらにその先のプログラムをどうするか?その答えを出すためには、あらゆる可能性を検討する必要があります(あるいは、検討した事にしなければなりません)。この記事が意味するところは、そのための材料を提供するように要請した、という所じゃないでしょうか?
§ **オバマ政権の宇宙政策を勝手に予想
現状分析だけじゃつまらないので、上の検討事項を踏まえたうえで、次政権の有人宇宙開発戦略を予想してみましょうか。
アメリカ国内の情勢を考えても、いま宇宙開発関連であまり野心的なプランを打ち出せるとは思えません(月なんかすっ飛ばして火星に行くぜ!とか)。だからといって、宇宙開発に対する国民的なプライドはかなり大きいですから、大幅な縮小というのも難しいでしょう(有人宇宙開発なんかやめ!とか)。だとすれば、取りうるオプションはさほど多くはありません。
1.Ares1の開発は基本的に続行、ただしスケジュール、コストなどについては大幅な見直し~
2.民間企業、ESAやJAXAと協力しながら既存ロケットを使った小型の有人機の開発を検討・推進~
3.シャトルの退役をAres1ないし、代替打上げ機の完成まで延期する
1.は、現状維持。ISS退役までの空白期間を埋めるという観点で見ればAres1のキャンセルにはあまり意味がないし、09年(来年ですね)に最初のテストフライトを行えるところまで進んだプロジェクトをばっさりカットするのは、よほど野心的なプロジェクトを代わりに持ってこない限り難しいでしょう。
2.は、新しいプロジェクトですが、すでに民間企業の有人打上げ機を支援する方向で進んでいること、(どこまで本気かはともかく)ESAやJAXAがISS補給機の有人化を検討していること、等を考えればこれも規定路線の拡張といえる内容です。ただし、あからさまなソユーズ脱却宣言なので政治的には微妙なところ。また「海外打上げ機によるNASAのカプセル打ち上げ」というプランは魅力的ですが、実際のところはESAもJAXAも有人打ち上げ施設を持っていませんし、アリアンもH-IIも有人用に設計されたものではありませんから、かなり困難を(つまりコストと時間を)伴うでしょうね。
3.もこの間さんざん検討されているので、予想の範囲内。問題は、既に閉じてしまった外部燃料タンクなどの製造ラインを復活させるのにどれくらいコストがかかるかですが、もしかしたらここに追加予算が組まれることになるかもしれません。
まあ、無難なところでこんな感じじゃないでしょうか?あんまり面白くないですが...
2008-12-12
§ *最近作ったものたち
§ **[prog] Starlit Night Project : Technical Demonstration 02 -2008.12.12
『JavaScript+Canvas Elementを使ったオンラインプラネタリウム』が再びマイルストーンにたどり着いたのでご報告。かなりプラネタリウムとしての体裁が整ってきました。今のところ、以下のような機能が実装済みです*1。
・透視投影による3D天球表示~
・マウスによるスクロール/ズーム~
・恒星・月・太陽・惑星の表示~
・6段階で恒星の等級を表現~
・7色で星のスペクトルを表現~
・月の満ち欠けを再現~
・惑星名・恒星名の表示~
・高度・方位グリッド表示~
・GoogleMapによる観測地の指定~
・観測地の住所から経緯度を検索~
・時間の指定~
・各種表示のON/OFF~
・永続リンク(Permalink)の生成~
・TinyURLによるPermalink文字列の圧縮~
・赤経・赤緯の指定によるマーカー表示~
・クッキーによる観測地の保存
大きな機能としては、次は星座周りと各種情報の表示でしょうか。また、いずれ切りのいいところでご報告します。
*1 上記のURLはあくまで開発中のプログラムのスナップショットです。最新版のURLは頻繁に変わりますので、ご注意ください。テスト版へのリンクはプロジェクトのトップページに置いてあります。ref.Starlit Night Project
§ **[prog] Hello world! - greetings to the planet
これは、ふと思いついてさくっと作った小ネタ。例のごとく「場所と時間」についてのプログラムです。
Twitter Search APIを使ってTwitterのパブリックタイムラインから各国語の「おはよう」と「おやすみ」を抽出、昼夜境界線付きのGoogleMapの上にマッピングします。英語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ドイツ語に対応。ちなみに、これも JavaScriptだけで動いています*1。
まだあちこち不具合がありますが、プレビュー版ということでご容赦ください。特に、他のTwitterクライアントと併用していると、TwitterのIPアドレス毎のリクエスト数制限(100 req/hour)に引っかかって結果が受け取れなくなることがありますのでご注意ください。
*1 技術的には、JSONPで6分毎にTwitterSearchから検索結果を受け取り、さらに、それぞれのユーザーについて45秒毎にTwitterからユーザー情報をJSONPで取得、Location情報をGoogleMapのサーバに投げて経緯度に変換、地図の上にマッピングしています。
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