Garbage Collection 2008-05-23 『嘘のような、本当の話』 http://www.lizard-tail.com/isana/diary/?date=20080523 --- そろそろ、ご報告。実は、ひょんなことからSTS-124の打ち上げを見に行くことになりました。 ■ 嘘のような、本当の話 それは、一通のメールから始まった。GoogleSatTrackをとても気に入ってくれたという、ごく普通の感想メール。でもそこには、こんな言葉が... "I cover space flight for CBS News, and this is a great help." え、CBS News? CBSって、あのアメリカで一番大きなニュースネットワークの?後で調べてみたら、実はこの方、アポロ7号の頃からCBSで宇宙関連ニュースのプロデューサーをやっているというこの業界の重鎮中の重鎮。というか、何でそんな人が僕のページなんか見てるんですか? で、恐る恐る「その道のベテランの方に気に入ってもらえるなんて、すごく光栄です!」と返事をしたら「やー、友達と一緒に見てたんだけどさ...」といって、山ほどリクエストが来た。曰く、精度を上げてほしい、グラウンドトラックを表示して欲しい、経度緯度の線もあるといいな、表示のあるなしを切り替えられるともっといいね、そうそうクッキーで設定を覚えてくれると便利かも...おいおい、容赦ないな。 で、この「友達」というのが、実はCBS NewsでSpace Placeを担当しているBill Harwoodさん。友達って、えええええ!この方、NASA関連のニュースを追いかけている人なら、たぶん知らない人はいないくらいの有名人。アメリカの宇宙開発、とくに国際宇宙ステーションとスペースシャトルのミッションに関してはこの人の右に出る人はいない。っていうか、僕あなたのサイトいつも見てますよ!メルマガとってますよ!NASA-TVの記者会見でしょっちゅうお見かけしてますよ!著書も持ってますよ!な、何でそんな人が僕のサイトにダメだししてるんですか? したさ、コーディング。死ぬ気でしましたよ。軌道計算の方法を勉強しなおすところから始めて2週間。ほとんど睡眠をとらずに、仕事と食事以外の時間をほぼ全てコーディングに当てて、どうにか新しいバージョンをリリース。結局ほとんど一から全部書き直すことになったけれど、リクエストにあった機能は全て実現できた。プログラムも前よりずっとよくなった。「できたよー」とメールを出したら、「早っ!」「リクエストしたのが全部できてる!」「すげー!」と二人とも大喜びしてくれた。よかった、寝不足の甲斐があった。 そして数日後、ふと気付くとページのアクセス数が爆発的に増えていた。どうやらHarwoodさんのCBS News Space Placeからリンクされたらしい。ページヘッダの右端に、まるで公式サイトであるかのようにGoogleSatTrackの文字が...なんですか、そのすごい位置は。メルマガでも紹介、参考URLとして毎号必ずアドレスが載っている。そしてどんどん増えていくリンク先。宇宙関連のニュースサイトやフォーラム、ブログは言うに及ばず、ヨーロッパ宇宙機関、フランス宇宙局、ドイツ宇宙局...なんだ?何が起きているんだ? そしてある日、その連絡が来た。もしかしたら、次のシャトルの打上げを招待席からみられるかもしれないという。どうやら、GoogleSatTrackを気に入ってくれた人がNASAに掛け合ってくれたらしい。 そして今、僕の手元にNASAからの手紙がある。 封筒を開くとき手が震えた。書かれていた"National Aeronautics and Space Administration cordially invited you..." の文字を見て泣いた。なぜだかよくわからない。しばらく涙が止まらなかった。 僕が何をした?何も特別なことなんかしてない。大好きなものを、大好きだといっていただけだ。自分が見てみたいと思ったものを作っただけだよ。なのに世界中にそれを気に入ってくれる人がいて、沢山の人がCoolとかGreatとか言っていて... 挙句の果てに子供の頃から夢にまで見たかの地から招待状が届いた。こんなことがあっていいんだろうか? 出発まであと数日。飛行機も取ったし、ホテルも押さえた、レンタカーの予約もした。でも、僕はまだ自分に起きたことが信じられない。ほんとに夢でも見ているんじゃないだろうか? --- 柏井勇魚 KASHIWAI, Isana isana.k [at] gmail.com