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2001.07.24
Daily Clipping 2001.07.24

『「宇宙帆かけ舟」実験に失敗 米民間団体 』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/07/23/space.sail/index.html
先日紹介したソーラーセイルの実験だが、ロケットとの切り離しに失敗したらしい(泣)。
それにしても「宇宙帆掛け舟」ってなんだ、CNN。宇宙ヨットとか帆船とかほかにもあるだろうに・・・。

『世界水泳会場の高速ネット実験 TVへの影響理由に縮小』(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news001.htm
お、とうとうネットストリーミングがTVの視聴率に影響を?と思ったが、無線LANの周波数帯域がTVの帯域とバッティングしただけみたい。カッコ悪いなあ。

でも、これはちょっと示唆的な事件かもしれない。有線に比べて無線は混線がおきやすい。もちろん無線LANやBlueToothの帯域内では混線が起きないように設計されているはずだが、既存の帯域と当たったときの影響が本当に考慮されているかどうかは疑問が残る。おそらく、理屈から考えるとデジタルの方にはほとんど影響が出ないはず(多少エラーが増えて遅延するかもしれないが)、影響が出るとすればアナログの方だろう。けっこうノイズが乗ったりするんじゃないかな(ま、帯域が当たればの話だけど)。

ロケットの話題をもう一つ
『NASA、エアロスパイクエンジンの2度目のテストに成功』(SpaceFlightNow)
http://spaceflightnow.com/news/n0107/25aerospike/
これは、予算が打ち切りになった次世代スペースシャトルの実験機X-33に搭載予定だったもの。
エンジンは生き残っているんだねえ。よいよい。

さて、このエンジンは何がすごいかというと、噴射するガスのパワーをちゃんと調節できるというところがすごい。逆にいえば、これまでのロケットは調整していない。常にフルパワー。

ちょっと詳しく説明すると。ロケットエンジンはノズルの出口の噴射ガスの圧力が大気と同じ圧力のときが一番効率がいい。これまでのエンジンは、ある一定の高度でしか最高効率が出せなかった(具体的にいえば高度10km前後で最大になるように調整していた)。このエアロスパイクエンジンはガスの膨張のプロセスの大部分を大気中で行うことで噴射ガスの圧力を大気圧と同じにする。だから、つねにその高度での最大の噴射効率を保ったまま飛べる。

これがエアロスパイクエンジン。いわゆるコーン型(本当はベル型っていうんだけどね)のノズルは全くない。根元の部分にずらっと並んだ小さなノズルからガスが噴射されて真ん中の黒い三角に沿って流れているのが分かるだろうか。(真ん中の黒い三角は噴射ガスのガイドであってノズルではない)。


平たく言ってしまえば、今までのロケットはいきなりトップギアでスタートしていたようなもの。エアロスパイクエンジンはちゃんとギアチェンジしながら飛ぶ(何かを切りかえるわけじゃないからちょっと違うんだけどね)。だから効率がとてもいい。実際、このエンジンが搭載されるはずだったX-33は外部燃料タンク(スペースシャトルが背負っているあのでっかい奴)なしで衛星軌道まで到達することを目標に開発されていた。ま、予算とスケジュール超過で切られちゃったけど。

このエンジンが本当に実用化すれば、飛行-整備-飛行というプロセスがものすごく簡略化されるし、1回の飛行でだめになる部分がとても少ないから(スペースシャトルの外部タンクは全部使い捨て)コストも安くなる。安くなれば、まあ、いろいろ可能性も出てくるやね。NASA以外でのシャトルの運用とか、民間利用とか、商業利用とか、とか、とか。

なんにしても、この画期的なエンジンの開発が止まっていないのは、とてもいい知らせ。



by isana kashiwai