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2001.08.07
Daily Clipping 2001.08.07

『「キスしよう」人型ロボットが患者いやす 神奈川の病院』
http://www.asahi.com/science/news/K2001080602659.html
神奈川県大和市の大和市立病院で6日、人間型ロボット「ロボビー」を患者のセラピーに採り入れる試みがあった。入院患者ら20人ほどがロボットと対面。患者が声をかけたり手を触れたりすると、ロボットは「こんにちは」「キスしよう」と返事をした。医師らは「子どもや痴ほう症の患者に刺激を与えることで、病気に立ち向かう気力を奮い起こす手助けになれば」と期待する。(ASAHI.COM)

「自分の顔を見て出なおして来い」と言いたい。こいつにキスされて癒される患者はいないぞたぶん。

さて、これは冗談じゃなくまじめに考えてみる必要がある。開発者がこのロボットに「キスをしよう」と言わせているということはなかなかに深い意味があるような気がする。要するに、ロボットの開発者は無意識にこのロボットに「人間のふり」をさせようとしているんじゃないだろうか?

当たり前だろうって?いや、そうじゃない。このロボットの動作は明らかにインターフェイスの原則に反している。口の無いロボットから「キスをしよう」といわれるとユーザーは戸惑うはずだ。あるいは、このロボットはキスをされた事を感知してそれなりの反応をするのだろうか?

例えば、ペットロボットに必要なのは「犬」になることではなく「ロボット」としてユーザーを癒すことじゃないだろうか?AIBOの開発者が「あまりにもリアルすぎたのでプログラムを書きなおした」といっていたのを思い出す。「ロボット」に対して人が持っているイメージを最大限利用しながら、ロボットとして人を癒す。少なくとも、AIBOはこれに成功している。

このロボットに「人間のふりをすれば愛らしい」という思想が見え隠れするのがなんとなく腑に落ちない。「物珍しさ」と「愛着」が混同されていないだろうか?このロボットに嫌悪を感じる人はいないだろうか?もしかしたら、反応として重要なのはその「嫌悪」の方かもしれない。

ペットロボットならばそれでもいい、嫌ならば買わなければいいんだから。病院というメンタルな部分が極めて重要な位置を占める場所に導入するものとして、このロボットが本当にふさわしいかどうかちょっと疑問だ。

少なくとも、真夜中にこのロボットが病院の廊下を歩いていたら、かなりいやだなあ。

開発元ニュースリリース
http://www.atr.co.jp/news/001215/robovie.html

by isana kashiwai