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Jan. 28 2002
そういえば、ほうれん草の缶詰ってどこに売ってるんですか、Mr.ポパイ?

『遺伝子組み換え:豚にホウレンソウ ヘルシー肉質 近畿大など』(毎日新聞)
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20020124k0000e040075000c.html
えーと、これは、豚にほうれん草の遺伝子を組みこむことで、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に変える酵素を組み込むことに成功したというニュース。葉緑素が組みこまれるわけじゃないから緑色にもならないし、たぶん味も全く変らないはず。組換えの副作用がなければね。

でも、やっぱりホウレンソウ味の豚を想像しちゃうなあ。緑色の『ポパイとんかつ』。おお、完全栄養食。いやぁぁぁぁ。

記事でも説明されているように、農薬や害虫への耐性を高める遺伝子組替え作物はすでに実用化の域に入っている。もちろん、あちこちで報道されているようにこれらの食物への批判は多く、研究者の思惑をよそに食卓にはあまり上ってこない(「○ゃがりこ」が回収されたりしたしねえ)。そして、今や研究の主題はこのポパイ豚(勝手に命名)みたいに、食物の質を変化させる「高性能食物」の開発に移行しつつある。でも、みんな食うのか?という疑問は拭えない。

でも、遺伝子組換え食品を食べるかどうかっていう問題は、よく研究者が口に出す「倫理問題」とはちょっと違うんじゃないかと思うんだよね。「人間が生命を操作する事は倫理に反する」って言う問題と「ポパイ豚はちょっとねえ」という感情は関係ないんじゃないのかな。

「牛海綿状脳症(○牛病)」だってそうなんだけど、ぼくらが不安なのは、「なんだかえたいの知れないものを食っている」というそこはかとない不安の方だ。「安全です」というプロパガンダはもうあんまり意味がない。たとえポパイ豚の100世代目が安全でも101世代目が安全だとはいえない。まあ、そんな事を言っていたらなんにも食べられなくなってしまうんだけど。でも、そういう問題じゃなく、さしたる理由もなく、ただ僕らは不安なんだ。だから食べずに済ませられるなら、なるべく食べたくないと思っちゃうんだよね。

理念や信念の問題でも、倫理観の問題でもなく、ただ不安だから食べたくない。これは、理性じゃなくて感情の問題だ。だからどうにも難しい。でも、結局食卓に出てくれば僕らはきっと食べるだろう、ちょっと嫌だなあ、でも結構おいしいなあなんて言いながら。牛の時だってそうだったでしょ。

それにしても、なんだこのヘッドラインは、「豚にホウレンソウ」ってなんの事だかわからんぞ。ブタに真珠?
(Jan. 28 2002 updated)

by isana kashiwai