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Feb. 04 2002
H-IIAロケット2号機打ち上げ成功

http://h2a.nasda.go.jp/liftoff/(NASDA)
たった今、第2段、2回目の燃焼が終了し静止トランスファー軌道に乗った(12:14)。
ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい。感涙。

12:40 ありゃ、トラブルかな。搭載していたDASHの切り離し信号が受信されていないらしい。

16:30 公式記者会見。DASHの切り離しは今だ未確認。
ロケットの打ち上げはほぼ成功。DASHの件は積荷のトラブルだから、ロケットとはほとんど関係ない(はず)。

DASHの切り離しの後に切り離されるはずの、MDS-1の切り離しは確認されている。へんだねえ。切り離されていないとしたらどういう状態で飛んでるんだろう???。と、プレスリリースを読んだら分かった。MDS-1を格納していた部分のカバーをくっつけたまま飛んでるかも知れないんですね。もしそうだとすると再突入試験はできないなあ。

DASHというのは、今回搭載されていた2機の試験衛星のうちの一機。Demonstrator of Atmospheric Reentry System with Hypersonic Velocityの略。超音速再突入飛行実験機。打ち上げから85時間後に、衛星より子機を分離、軌道上から大気圏内に宇宙機を再突入させる実験を行う予定になっている。ご承知のとおり、宇宙機が大気圏に再突入する時には、大気との摩擦で非常に高温になる。この実験機はこの時の空力特性や熱などの影響を測定する。

今のところ日本は宇宙にモノを持っていくための技術はあるが、持って帰るための技術はない。これはその技術を研究するためのもの。

もう一つのペイロード(搭載物)のMDS-1は、衛星にわざとバンアレン帯(地球の磁場の影響で形成されている放射線帯)を通過させ部品のテストをするためのもの。本来静止軌道で受ける放射線量の約10倍の放射線を受ける。1年で10年分のテストができるというわけですな。この衛星でチェックされているのは、ほとんどが民生部品、つまり独自開発ではなくそこらで買えるパーツを使った機器。熱や放射線にそれらのパーツがどれくらい耐えられるのかをテストする。衛星の低価格化には必要不可欠なテスト。

どっちのテストも宇宙開発の未来を担うとても大事な衛星。成功するといいなあ、どきどきどきどき。

22:00 あー、やっぱりDASHはダメだったみたいだねえ。ありゃま、残念。


ところで、記者会見で「リレーってなんですか?」って聞いた奴。帰れ!国会中継で「多数決ってなんですか?」って聞くようなもんだぞ。いいから、さっさと家に帰れ。


でも、ほったらかしにするのもなんなので・・・リレーの図を書いてみた。

スイッチを入れると、左側の回路に電気が流れて電磁石が働いて、右側の回路のスイッチを入れる。そーすると右側の回路に電気が流れて電球がつく。これがリレースイッチの一番基本的なやつ。スイッチの動作が電磁石を通じて「リレー」されているのが分かるだろうか。

メリットはスイッチ用の回路と、動作用の回路を別にできること。右側の回路が強電圧でも左側は電磁石が動かせるくらいの小さな電圧で済む。左側なら精密な電子回路なんかをつないでも大丈夫。たとえば、コンピューターで電気回路を制御するためには、こうやってスイッチを「リレー」してやる必要があるわけですな。っていうか、実はコンピューターもこの原理で動いているんだけどね。

これは、電子回路の基本中の基本。ロケットの取材に来る人間なら知っていてしかるべきだと思うけどなあ。
(Feb. 05 2002 updated)

by isana kashiwai