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Feb. 13 2002
人工衛星を引きずり降ろす方法

『NASAがテザー衛星の実験を計画中』(SPACEFLIGHT NOW)
http://spaceflightnow.com/news/n0202/05proseds/
これは、ずいぶん昔に紹介したやつですね(過去ログ2000.04.11)。
名前もついて、どうやら実験のめどがついたらしい。

昔の説明を採録しようか。
『フレミング左手の法則』
「磁界中で電流をながすと電線はある一定方向に力を受ける」
テスト中に指がつりそうになった想い出だけがうすらぼんやりと残ってますねえ。「電・磁・力」だったっけ、どの指がどれだったか忘れちゃったなあ。

これは、この"力"を宇宙船の軌道変更に利用しよう、というアイディア。地球は地磁気を持っているから、その磁界中で電流を流してやれば、ケーブルに力がかかるはず。単純に考えれば、赤道と平行にケーブルを伸ばすとすると、西から東に電流を流すと高度が上がる。逆に流せば高度が下がる。


さて、おんなじ話をしてもしょうがないので、ちょっと別な話。実は、ProSEDS(The Propulsive Small Expendable Deployer system)と名づけられたこのシステムは、宇宙開発で極めて重要な位置を占める可能性がある。

いくら電気で高度の変更ができるといっても、そのパワーは知れている。せいぜい1時間に数十メートルというところだろう。機敏な動きは望むべくもないから、宇宙ステーションとのドッキングなんて用途には使えないはずだ(ランデブーぐらいなら出来るかな)。じゃあ、何に使うのか?

このシステムが一番有効なのは「人工衛星を落とすこと」じゃないだろうか?

現在、軌道上の人工衛星の95%以上はすでに役目を終えたゴミだったりする。スペースデブリと呼ばれるこの宇宙のゴミは、秒速7キロというとんでもない速度で飛んでいるため衝突事故を起こすととんでもないことになる。回収することも検討されているがそのめどは立っていない。じゃあ、せめて新しいゴミを出さないようにしよう、という動きも進んでいて国際協定を作ろうという話もある。

ProSEDSはこの古くなってしまった人工衛星の回収にはうってつけじゃないだろうか、燃料がいらず、メンテナンスもほとんど必要ない。衛星の機能維持に使っていた太陽電池を軌道変更に使えば、ゆっくりとだが衛星を地球に落とすことができるんじゃないかな。

by isana kashiwai