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Apr. 02 2002
石に刻まれた、最も古い日蝕の記録

http://www.astronomy.com/Content/Dynamic/Articles/000/000/000/806newea.asp
遺跡に残された紀元前3440年11月30日の日蝕の記録。日蝕を示す壁画が残された部屋には48人分の焼け焦げた人骨が残されていた。

昼間だというのに、徐々に欠けていく太陽を見ながら彼らは何を思っただろう。強烈な不安と恐怖。神様という概念も世界の終わりという概念も生まれるずっと前の事だ。ついさっきまで何事もなく地表を照らしていた太陽が見る見るうちに欠けていく。その恐怖たるや・・・。

いつもならば、太陽は沈みまた登ってくるだろう。だが、欠けてしまった太陽はふたたび昇ることはない。そうなれば、彼らは永遠の夜を過ごすことになる。5000年前、すでに農耕が定着し火も日常的に使用されていたはずだ。それでも夜は今だ獣達の支配する世界だった。永遠の夜の世界では人間は生きていく事ができない。

「世界が滅びてしまうのは自分たちのせいなのかもしれない」

祈りには犠牲が必要だ。おそらく、彼らは最も大切なものを祈りと共にささげたはずだ。
その決断がいかにしてなされ、48人がどうやって選ばれたのか知る由もない。彼らが人命を軽視していたというのは大きな間違いだろう。軽視していなかったからこそ、彼らは命を落す事になったのだから。

そして、狂乱の一夜が明け、太陽がふたたび昇ったとき。彼らはそこに昨日と同じ太陽を見ただろうか?

by isana kashiwai