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May. 24 2002
Good News‚ Bad News.

では、いいニュースの方から。
Scientists say Europa has right stuff for life (spaceflightnow)
http://spaceflightnow.com/news/n0205/23europa/
木星の衛星エウロパには氷の大地の下にかなり大きな液体の水からなる海がある。この海は有機物や炭素、窒素、硫黄、リンなどが含まれており、生命が誕生しているかもしれないという記事。

ここで、ちょっと太陽系の生成と有機物の保存についておさらいをしてみよう。なぜ地球には有機物が豊富にあって、月にはないのか?現在有力な説の一つ、有機物の彗星起源説はこんな感じ。

太陽系が形成されるとき、チリが集まって小天体になり、小天体が衝突を繰り返しながら大きな惑星を作っていくというプロセスをたどったと考えられている。激しく衝突を繰り返しながら大きくなっていく惑星は、その衝撃で高温になり、元々小天体やチリに含まれていた有機物が熱で分解されてしまう。やがてそれらの惑星が冷え、有機物を含まない惑星となった。だから月には有機物がない。その後、地球には海が形成され、小天体(彗星)の落下時にそこに含まれる有機物が保存される可能性が極めて高くなった。つまり、地球は1度失った有機物を、海が形成された事でふたたび彗星から取り戻したというわけ。

要するに、上の記事はエウロパにも同じ事が起こったかもしれないということですね。

エウロパの氷の地表の下に海があるのはほぼ間違いないと考えられていて、NASAが調査をするために、2008年に探査機を打ち上げる計画を立てていたりする(2011年エウロパ到着)。


Voyager1 が撮影した木星 真ん中に写っているのがエウロパ、左側がイオ
JPL/Caltech


さて、悪いニュース。
No access to water world? (nature)
http://www.nature.com/nsu/020520/020520-6.html
これまで、せいぜい1km程度と考えられていたエウロパの氷の厚みが20km近くあるかもしれないという記事。うえーん...(ToT)。

ボイジャーとガリレオ探査機が撮影した木星のほかの惑星のクレーターの写真を、エウロパのものと比較検討した結果、ある一定サイズ以上のクレーターに地下の海の影響と思われるパターンが現れていた。そのパターンから割り出したところ、エウロパの氷の厚みは19kmから25kmぐらいある、という結果が出たらしい。

この厚みだと、ほいほい探査機を送って調査するというわけにはいかなくなってしまう。エウロパは地球外生命の存在の可能性が一番高いといわれていただけに、研究者たちの落胆は想像するに堅くない。ええ、私もがっくりですとも。ああああ。

まあ、生命の存在が否定されたわけじゃないけど、こんなに深いと生きているうちに生命の存在が確認されるどうか・・・。本当なら、残念だなあ。

(May. 24 2002 updated)

by isana kashiwai