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Jul. 03 2002
lizard-tailの季節

さて、今日はちょっと趣向を変えて民俗学風に。

ちょうど今ごろの時期、夏至(6/21)から10日すぎた日より5日間を『半夏生』といい、特に7月2日、3日を特別な日とする地方が多い。ちなみに現在ではこの日は「天球上の黄経100度の点を太陽が通過するとき」ということになっている。

地方によっては、この時期の天候によってその年の稲の収穫を占ったり、豆や雑穀の煎り物を禁じていたりする。関西ではタコを食べる風習がある(ちなみに、タコは夏の季語)。また、京都では「ハゲダンゴ」といって団子を食べるらしい。福井では焼き鯖(40cmぐらいの奴)を一人一匹丸焼きにして食べる。

この時期に降る雨は必ず大雨になるといわれ、この季節に降る豪雨のことを半夏雨(半夏水)と言う。また、「天から毒気が降る」という言い伝えもあり、井戸に蓋をしたり、この日に取った野菜を食べないとする風習もある。逆に地中に陰毒が含まれるので「この時期は毒草が生える」という理由で種蒔きを禁じ、ワラビやタケノコなどの野草を食べないという地方もある。

ちなみにこの『半夏生』の名前の由来となった同名の植物は毒を持っており、ここでいう毒草はおそらくこの草の事だろう。

ハンゲという妖怪はこの時期(特に7/2)に田畑を徘徊するため、農作業を休んだりするそうな。奈良の十津川の方では「半夏生に竹薮に入るとゴウラ(河童)がいる」等ともいわれ、なかなか禍禍しい季節みたい。

また、関東の多摩川上流の地方では「ハンゲジイサンの日」と呼ばれ、この日には畑や竹薮に入ってはいけないという事になっている。ただ、これはこの日に働き者の爺さんが死んでしまったから、ということらしい。

この時期が特別な意味を持った理由には諸説あるが、梅雨が終わり農作業がひと段落する時期に重なっていることが大きいようだ。たとえば、「半夏半作」という言葉があるように、この時期を過ぎても田植えをしているようでは対した収穫にならないという区切りの時期とされている。

田植えが終わった時期の祭りを「半夏まつり」と呼ぶ地方も非常に多く、作物に虫がつくのを避ける「虫送り」や雨乞いなどを行う。

なんにしても、夏の前の短い農閑期、田植えの終わりの安堵と収穫に向けての不安がこれらの微妙な風習を生んでいる事は想像に難くない。


なぜこんなにくどくどと半夏生のエピソードを集めているかというと・・・。実は上で触れたハンゲショウと言う毒草、実はこの植物の英名(俗称)が"lizard's tail"だったりするのです。ちなみに、このサイト(lizard-tail studio)の名前の由来はハンゲショウではない。

(Jul. 03 2002 updated)

by isana kashiwai