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Aug. 02 2002
夏の風物詩

さて、関東地方はさっきまで、激しくゴロゴロいってましたねえ。ちょっと気になったので調べてみました。はい、雷の話です。たまにはちょっと役に立つお話も(役に立つのか?)

入道雲のような上に向かって大きくなる雲の中では、強烈な上昇気流と下降気流が発生します。雷というのはその気流によって雲の中の氷の粒が激しくぶつかり合って生まれた摩擦電気が地表との間で放電する現象です。要するに、静電気のぱちぱちの親玉ですな。だいたい1000から20万アンペア、200万〜2億ボルトぐらいの電流が一瞬で流れるそうな。ひゃー。

雷が落ちるときのプロセスはこんな感じ。まずマイナスに帯電した雲から地表に向かって、先駆放電と呼ばれる小規模な放電が起きます。これによって大気がイオン化し「電気の通る道」が出来て、こんどは地表から雲に向かって戻る非常に強い「帰還放電」が起きます。じつは、雷のエネルギーは地表から空に向かって流れる時の方が大きいわけですね。まあどっちにしても一瞬の出来事。この時、放電路の温度が瞬間的に数万度まで上昇し、その際近傍の空気を急激に膨張させるために起きるのが「雷鳴」です。



人間が雷の直撃を受けると80%の確率で心臓が止まって死にいたるといいます。逆に死を免れれば、鼓膜が破れるとか火傷ぐらいですむとのこと。日本全国で毎年平均20人前後の方が雷で亡くなっています。

金属を身につけていると危険だとか、逆に安全だとか言われますが、実際は落雷の危険性そのものはほとんど変わらないようです。どちらかというとたとえ絶縁体であっても、高いものの方に落ちることが多いそうな。傘やバットは大変危険です。長靴だの雨合羽などの絶縁体を身につけていても全く効果はありません。ただ、落雷を受けてしまった場合に、金属が触れていた部分がひどいやけどを負うことがあるようです。

高いものの近くが安全というのも鵜呑みにすると危険。確かに、雷は高いものの方に落ちるので直撃は免れますが、あまり近づきすぎると、その物体自身が放電するため(側撃雷)、やっぱり感電してしまいます。とりあえず、高いものから2mぐらい離れたところで低い姿勢を取るのが一番安全とのこと。また、高いものがあろうがなかろうが、その地域の電位差には差がありませんから、落ちるものは落ちます。あくまで「高いものの方に落ちやすい」というだけです。ですから、高いものがあるからといって雷が増えるわけではありません。逆に、何もない野原なら間違いなくあなたに落ちます。

また、一度落ちたところには2度と落ちないといわれていますが、これも実証されたわけではなさそうです。理屈から言えば、電位差がなくなっているので落ちなくなるはずですが、その効果がどれくらい持続するのかは分かっていないようです。

家の中や車の中は基本的に安全です。ただ、避雷針のない建物が直撃を受けた場合、多くの場合テレビアンテナに落ちます。これによって、電源がショートしてテレビが爆発したり、火災が起きたりすることがあるらしいです。

目安として稲光から雷鳴までの時間が10秒を切ったら要注意です(音速が秒速330mですから、だいたい約3.3kmですね)。万全を期するなら、電化製品の使用をやめ、ブレーカーを落とし、精密機器の電源を抜き、電気回路から1mぐらい距離をとるほうが良いとのこと。



さて、おそらくここを読んでいる皆さんが一番気になる雷と精密電子機器ですが。雷によって電子機器が壊れる現象を雷サージといいます。電源・電話線・アンテナ・地面などの経路を伝って、雷による電圧の急激な変化が電子機器に伝わり回路を破壊する現象です。

気をつけなければいけないのは、直接の落雷がなくても「誘導雷」によって雷サージが起きることがあるということです。雷が起きるとたとえ地表に落ちなくても強力な電磁場が発生します。この電磁場による電磁誘導で電線や電話回線に強力な電流が発生します。まあ、言ってみれば電線の中で雷が発生するわけですね。実は直接の落雷より、こっちの方が被害が大きいようです。雷が近い場合、家庭内の引込み線でも発生するため、屋外設置の保安器でも防げないことがあるようです。もちろん、避雷針がついていても誘導雷は防げません。

ちなみに、最近のFAXや電話機はかなり雷対策がなされているので壊れることが少なくなりましたが、逆にサージ電流を通過させてしまうため、TAやルーターからPCに電流が流れることがあるそうです。ケーブルテレビは保安器の設置が義務付けられているのでケーブル側は大丈夫ですが、電源側からやられることがあります。

どうすりゃいいんじゃい、という声が聞こえてきそうですが。一番手っ取り早いのは電源と通信回線を物理的に抜いてしまうことです(モデムやTAからも外すのを忘れないように)。PCにかかる電位差の問題だからどっちかかたっぽ抜いておけばOKという話も聞きますが、真偽は分かりません。両方抜いといた方が身のためです。ちなみに、電源が切ってあっても壊れるときは壊れます。ちゃんと、物理的にコンセントを抜いたほうがいいです。

市販の電源タップに噛ませる雷サージ対策機器(数千円)もありますが、100%安心ということではないようです。でも、やらないよりはずっといいはず。詳しくは各メーカーの情報を読んでください。「雷サージ対策」で検索かければ大から小まで死ぬほど出てきます。

言わずもがなですが、電源周りと通信回線周りの両方の対策をとること、アースをしっかりすること。あ、アースをとる場所は気をつけてください。金属だからといってアースをガス管に取ってガス爆発が起きた事例があるそうな。



え、私?私はさぼってますねえ。全くといっていいほど何もやってません^^;もちろん、自宅にいるときなら、電源抜くぐらいはしてますが・・・。これを書くために調べていたら、怖くなったので、とりあえず雷サージ電源ぐらいは買ってこようかと思ってるところです。まあ、100%とは言えないにしても保険みたいなものですね。しておけば防げる、かもしれない。リスクとコストを天秤にかけたときに見合うと思えば投資をすればいいんじゃないでしょうか。大丈夫、雷サージで死ぬことはそうそうありません。データが飛べば場合によっては職ぐらいは失うことがあるかもしれませんが・・・。


付録:各地のリアルタイム雷情報

東京電話&東京電力
http://www0.thunder.ttcn.ne.jp/index.html
こちらは雨量情報もあります。

落雷情報(中部電力)
http://www.chuden.co.jp/kisyo/

北陸電力ara
http://www.rikuden.co.jp/hopes/thnd.htm
をを、こちらは予報もある。

東北電力
http://www.tohoku-epco.co.jp/weather/

北海道電力
http://www.north-jwa.gr.jp/kaminariinf/
こちらは会員制

他にもありそうですが、とりあえず見つけたのはこれくらいです。

(Aug. 02 2002 updated)

お、そうか。今、気付いたけれど、水滴があって放電が起きてるんだから、「理屈では」雷がゴロゴロいっているときは流行のマイナスイオンがバンバン出てることになりますねえ。癒されてますか?基本的にオゾンなのでどちらかというと人体に有害ですけど・・・。

実は、雷関連技術(雷を避けたり、逆に誘導したり)もかなり面白いんですが、これはまた後日ということで。

(Aug. 03 2002 updated)

by isana kashiwai