Junkyard Review     index     top


Aug. 27 2002
守宮、と書いてヤモリ

お久しぶりです。いろいろネタもたまってるんですけど・・・とりあえず

How Geckos Get a Grip
http://www.sciam.com/article.cfm?articleID=000D06A2-96C9-1D69-90FB809EC5880000

ヤモリが垂直な壁面に張り付くことができるのは、単純に彼らの足にある体毛が壁の凹凸に引っかかるからではなく、実は、ヤモリの足の体毛と壁面の間で分子間力が働くからだという研究結果が発表された。

実は、前からこの研究結果は発表されていたけれど、別なグループが発表していた「体毛が保持している水分によって張り付いている」という説と対立していた。これに対して、ヤモリが疎水性(水をはじく性質)のある物質の上でも、全く同じように張り付くことができることを証明した、ということらしい。


をー、つまり接着剤とおんなじ原理でくっついているわけですね、ヤモリくん。すげーな、おい。どーいう脚してるんだ?お前。


分子間力(ファンデルワールス力)っていうのは、文字通り分子と分子の間に働いているごく弱い力のこと。理想的には、分子は電気的に中性で極性はないけれど、実際は分子を構成する原子の周りを電子がまわっているために電子の位置に偏りがあって、ごく僅かながら極性が生まれる。この極性によって分子同士がくっつこうとする力をファンデルワールス力と呼ぶ。ちなみに、水を冷やすと水分子同士がくっついて固体になるのもこの力によるもの(冷やすと分子の運動が小さくなって接近しやすくなるから)。

当然ながら、この力は非常に弱い上に分子同士がものすごく接近しないと働かない。逆にいえば、充分に分子同士が接近すればたとえ異なる物質であっても両者の間には分子間力が働くということ。接着剤の原理はこれを利用している。つまり、物と物との間にある分子レベルの凸凹に入り込んで固まり、対象の分子と接着剤の分子の間に隙間がなくなるため、両者の間に分子間力が働いてくっついてしまうわけです。

接着の原理には、他にも、ざらざらした物同士を引っ掛けて釘止めする「アンカー効果」(糊・木工用接着剤)とか、溶かしてくっつける「溶剤型」(プラスチック等)なんてのもあるけれど、今回の件とはあんまり関係ないのでパス。


で、どうやらヤモリくんは、足の裏の毛の先がさらに細かく分かれていて、それが壁面の分子レベルの隙間に入り込むことで、脚を「接着」しているらしい。うーん、ナノテク先取りっすね。


守宮って書くんですねえ。家守だと思ってたよ、なんとなく。

(Aug. 27 2002 updated)

と、調べたらすごい語源が・・・

昔、中国では、朱砂(水銀)を食べさせて赤くなったヤモリの粉を女性の体に塗ると、一生その色が取れなくなるが、男性と交わるとこの色が消えてしまうと信じられていた。漢の武帝が官女たちに貞操を守らせるために、このヤモリの粉を使ったといわれており、これが『守宮』の語源になったらしい。

うーむ、ヤモリに水銀喰わせて育てるっていうところから無理があるけど・・・。

(Aug. 27 2002 updated)

を、CNNの記事には体毛の顕微鏡写真が載ってますね
http://www.cnn.com/2002/TECH/science/08/26/science.geckos.reut/index.html

(Aug. 28 2002 updated)

by isana kashiwai