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Dec. 18 2002
捨てるための権利

http://www.creativecommons.org/press-releases/entry/3476
日本語記事(Internet Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1217/ccommons.htm
『Code』『コモンズ』で有名なローレンス・レッシグ教授が会長を務める非営利団体クリエイティブコモンズが新しい形態の著作権ライセンスを発表したというニュース。


すばらしい、これが著作権を明示的に放棄するための法律の確立につながってくれることを切に望みます。

ご存知の通り、著作権というのは制作された瞬間に自動的に発生してしまう。でも、これを明示的に放棄する方法が法律では規定されていない。まあ、行使しないんだったら良いじゃないか、ということかもしれないけれど、著作物を利用する側にとってはかなり問題がある。たとえ、著者が使っていいよといっても、どこまでいっても約束以上のものにならない。これはずいぶん気持ちが悪い。著作者側からいえば、気兼ねなく使ってもらうために法的根拠が無いわけだ。これは、作った側にとっても由々しき問題じゃないだろうか。

著作権は著作者を守るためのものであって、利用させて頂いている利用者の権利は一切守られない。Copyrightの標記がついていなくても、勝手に利用すれば著作権違反になる。オープンソースライセンスとして有名になったGPLも当然ながら「ライセンス」であって著作権は放棄されない。っていうか、あれも逆の意味でずいぶんきついライセンスだと思う。

すくなくとも、僕は何度か著作権を捨てたいと望んだことが何度かあった。苦し紛れに自作のBBSにはおかしな「お願い」がつけてある(参考)。僕は権利を主張するほどの創作物を持ってはいないけれど、利用する人には極力気持ちよく使って欲しいと思う。これは著作者の権利じゃないだろうか?


さて、さっそく試してみよう。
今回は、なんとなくあちこちで利用されているらしい『落書き宣言』を登録してみた(ま、登録するほどのものじゃないけど、お試しってことでご勘弁を)。自作のBBSはとりあえず「お願い」が載せてあるので今回はパス。サイト全体に適用したいところだけれど、もう少しこなれるのを待とう。

Creative CommonsのWebサイトで、自分が望むタイプのライセンス形態を選択して、「権利の明示的な放棄」を確実にするために、ほんとに放棄するんですね、という確認の文章に5回答えると、本文がメールで送られてくる。と同時に、Webページに埋め込むためのHTMLフォーマットとコンピューターが権利放棄されていることを認識するためのRDFを入手できる。

ちょっと長くなるけれど、メールで送られてくる本文を引用しよう。


This is a record of a Public Domain Dedication.

On December 17‚ 2002‚ KASHIWAI‚ Isana dedicated to the public domain the
work "便所の落書き宣言." Before making the dedication‚ KASHIWAI‚ Isana
represented that KASHIWAI‚ Isana owned all copyrights in the
work. By making the dedication‚ KASHIWAI‚ Isana made an overt act
of relinquishment in perpetuity of all present and future rigths under
copyright law‚ whether vested or contingent‚ in "便所の落書き宣言."

KASHIWAI‚ Isana understands that such relinquishment of all rights
includes the relinquishment of all rights to enforce (by lawsuit or
otherwise) those copyrights in the Work.

KASHIWAI‚ Isana recognizes that‚ once placed in the public domain‚
"便所の落書き宣言" may be freely reproduced‚ distributed‚ transmitted‚ used‚
modified‚ built upon‚ or otherwise exploited by anyone for any
purpose‚ commercial or non-commercial‚ and in any way‚ including by
methods that have not yet been invented or conceived.

For more information‚ please see http://creativecommons.org/licenses/publicdomain

(てきとう日本語訳)
これは、パブリックドメインへの提供の記録です。

2002年12月17日、柏井勇魚は『便所の落書き宣言』をパブリックドメイン(共有財)として提供しました。この提供が行われるまでは、著作権は柏井勇魚が保有していましたが、これにより、柏井勇魚は明白な行為として、『便所の落書き宣言』に対して、現在もしくは将来発生する著作権法が規定するあらゆる権利を、既得、偶発の別なく永久に放棄します。

柏井勇魚は、このような権利の放棄が、(訴訟その他の方法によって)行使されたこの著作物に含まれる著作権の放棄を含むことを理解しています。

柏井勇魚は、いったんパブリックドメインとして登録された以上、『便所の落書き宣言』が自由に複製、配布、送信、利用、変更、追加されるであろうこと、もしくは、誰もが、商用、非商用、あるいはそれ以外の方法(これにはまだ発明や計画されていないものも含まれます)で利用するであろうことを認識しています。

さらに情報が必要な方は http://creativecommons.org/licenses/publicdomainを参照してください。


さて、これで晴れて『便所の落書き宣言』の権利が放棄された。めでたい。
どうぞご自由にご利用ください。

いやー、これは、なかなか気持ちが良いです。

(Dec. 18 2002 updated)

by isana kashiwai