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Dec. 19 2002
夜空のむこう

土星がここ30年で地球に最も近い位置に、観望に最適
http://www.cnn.co.jp/science/K2002121800132.html
今、土星が太陽と真反対の方向に来ている上に、輪が地球に対して直角に立っているため、ここ最近で一番明るい状態だそうです。あー、ずいぶん明るいと思ったら、そういうことなんですね。

えーと、久しぶりに夜空を眺めて見ましょうか。今、土星を見つけるのは簡単です。オリオンのちょうど上あたりに、とても明るく光っている星がそうです。どうやらシリウスより明るいらしいので、すぐに見つかるでしょう。今はちょうど月がそばにいますが、何の問題も無く見えると思います。ちなみにシリウスは、オリオンのベルトをまっすぐ伸ばした先にある明るい星。今の季節がちょうど見ごろですね。

まあ、ただボーっと眺めるのもなかなか良いものですが、ちょっと違う見方をして見ましょうか。ええ、そうです、もう分かった人もいるでしょう。はい、探査機のお話です。


土星にはいま、探査機カッシーニが接近中です。この間、初めてカッシーニのカメラが土星を捕らえてとても綺麗な映像を送ってきました。
http://www.planetary.or.jp/HotTopics/topics021106_2.htm


NASA/JPL/Southwest Research Institute


カッシーニが土星に到着するのは2004年の7月1日の予定です。注目はカッシーニが搭載しているホイヘンスプローブ(小型の探査機)でしょうか。2005年の1月に本体から切り離されて、土星の衛星タイタンに降下します。タイタンは、現在知られている太陽系の衛星の中で唯一大気を持つ衛星ですね。濃密な大気の下には液体メタンの海があるといわれてます。実は上の写真にも左上に小さく写っています。

いい機会なので、一枚絵を紹介しましょう。チェズレイ・ボーンスティルが描いた『タイタンから見た土星』です。




ボーンスティルは初期のSF雑誌の挿絵画家として有名な人です。驚くべきことにこの絵が書かれたのは1948年。初めて土星に惑星探査機が送られたのは1978年、パイオニア11号の時ですから、それまでは当然望遠鏡観測による情報しかなかったはずです。タイタンの海と、大気越しにうっすらとかすんで見える土星の姿。科学的想像力とアーティストの感性が結びついたとても美しい絵だと思います。実は個人的に大好きな絵なんですけど・・・欲しいなあ。



シリウスは、言うまでもないかもしれません。太陽を除いて全天で最も明るく見える恒星で、地球から8.7光年の距離にあります。実は連星ですが、片一方(シリウスB)は暗くて見えません。オリオンが連れた猟犬(大犬座)の頭のところに光っている星です。

ちょうどシリウスの方向には、いま太陽系を脱出しつつあるボイジャー2号がいます。麒麟座の方角にいるボイジャー1号、雄牛座の方にいるパイオニア10号についで、3番目に地球から遠いところにいる人工天体です。詳しくはこちらを。



さて、ついでに木星もいい感じで上ってますので、こちらも見つけかたを書いておきましょう。木星はいま、獅子座の近くです。獅子座流星群の時にも書きましたが、獅子座の見つけ方は、北斗七星のひしゃくの先を、北極星と反対方向に伸ばした先です。木星もかなり明るいのですぐに見つかるでしょう。

っていうか、0時ごろ東の空を見上げて一番明るいのが木星です。次が天頂近くの土星。次が南の空のシリウスです。

さて、今、木星で一番の話題は、この間も紹介したガリレオ探査機の最後のミッションでしょうか、やはりずいぶん無茶をしたようで、探査機そのものの機能は大幅に低下してしまったようですが、木星の衛星アマルテアに関する興味深いデータが色々得られました。どうやら、予測に反してずいぶん軽い衛星のようです。普通、木星の衛星は内側に行くにしたがって密度が上がっていく傾向にあるんですが、アマルテアはその法則に当てはまらないとのこと。謎の多い木星ですが、また一つ増えました。やめられませんねえ。
http://www.astroarts.co.jp/news/2002/12/10amalthea/index-j.shtml

今は、コントロールも無事戻り、当初の予定通りちゃんと木星の衝突コースに乗っているようです。いや、お疲れ様。


紹介した3つの星は、都会でも十分に見えます。夜、うちに帰るときにでも見上げてみてください。望遠鏡なんか無くても、夜空を楽しむのは難しくありません。いま、ちょうどそれぞれの方向に探査機がいます。彼らの旅に思いを馳せるのもまた一興かと。


(Dec. 19 2002 updated)

by isana kashiwai