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Feb. 04 2003
Columbia Lost 2003.02.04

情報のアップデートです。さほど新しい情報はありません。
昨日発表されたタイムラインが若干修正・更新されています。

昨日に引き続き、ニュースリリースなどに掲載された
シャトルプログラムマネージャーのディトモアのコメントの抄訳です。
http://spaceflightnow.com/shuttle/sts107/030203link/
http://www.nasa.gov/HP_news_mcc0203_bb_030203.html

8:52(EST)
左着陸脚のブレーキラインに取り付けられた3つのセンサーが、着陸脚収納部の異常な温度上昇を捕らえる。

8:53(EST)
4番目の左着陸脚ブレーキラインのセンサー、ストラット・アクチュエイターとアップロック・アクチュエイターのセンサーが、これに先立つ5分間で30度から40度への上昇を示す。

8:55(EST)
5番目の左着陸脚ブレーキラインのセンサーが異常な温度上昇を示す。

8:57(EST)
翼の上面と下面の温度センサーが計測不能に。

8:59(EST)
機体の左側の空気抵抗が増加し、機首が左へ向こうとするのを打ち消すために、シャトルのフライトコントロールが翼のエレボンに命令を送る。また、これを補助するために右側の4つのスラスターのうち2つが(姿勢制御に使われる小型の噴射装置)が噴射される。直後に、シャトルとのコンタクトが失われる。


昨日の情報と微妙に違っています(両者とも、NASAの公式発表です)。スラスターの噴射があった事実と、温度の上昇値の修正、各部センサーからの温度上昇のデータが新しい条項でしょうか。昨日言及されていた8:53(EST)のエレボンのセンサーの機能喪失については、今回触れられていません。誤報なのか、省略しただけなのかは不明です。

現在、エンジニアチームが、これに続く32秒間のデータを、データ転送システムの各ハブから直接読み出そうとしているとのことです。これが分かれば、さらに進展があるでしょう。

注意すべきなのは、温度上昇が必ずしも構造的な破壊を意味しないかもしれないということです。着陸脚のセンサーが30度から40度の温度上昇を示していた時、機外の温度は2000度を超えていました。また、5つのセンサーが同時に温度上昇を記録しています。着陸脚の収納部に熱的な破壊が起きていたとすれば、このようなデータにはならないはずです。これはその段階で起きていた「何か別のこと」を示しているのです。

同じように、主翼上面での温度上昇も、構造的な破壊によって「熱が突き抜けた」ことを示すものではありません。

さて、もう一つの焦点である、打上げ時の剥落についてですが。件の物体は、20X16X6インチのサイズで重さが2.67ポンドぐらいだとのこと。昨日も述べられていましたが、この剥落物の衝突だけでは、今回のような事故が起きるとは考えにくいとのこと。

(Feb. 04 2003 updated)

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さて、ここまでがNASAの公式発表のまとめです。

世間では、ずいぶんNASAの安全管理不足を批判する声が高まってきました。当然でしょう。よくあることとはいえ、打上げ時のシャトルからぱらぱらパーツが落ちるのは問題です。元NASAの職員が安全管理のずさんさを大統領に直訴する手紙を送っていた、なんていうニュースも流れているようです。まあ、この手の話はそれこそアポロの頃からずーっと言われていたことですね。そういう面から見れば、NASAが昨日今日と剥落物の衝突だけが原因ではないことを強調してるのは、これらの批判を和らげる意味がないとはいえないでしょう。ま、嘘を言ってるとは思いませんが。

無批判に全てを信じるのもどうかとは思いますが、個人的には得体の知れないリークや憶測をちまちま分析するよりは、公式発表を追うほうがずいぶんましだと思います。中には全く逆の考え方をする方もいらっしゃるようですが・・・。

なんにしても、調査は始まったばかりです、「真実」が明らかになるにはまだずいぶんかかるでしょう。
チャレンジャーでさえ、全ての記録が公開されるまでに10年近くかかったんですから。

(Feb. 05 2003 updated)

by isana kashiwai