Junkyard Review     index     top


Mar. 03 2003
Happy Birthday & Bye-bye Pionner

久しぶりに探査機の話をしましょう。そう、パイオニア10号のお話です。
先日、パイオニア10号との通信がついに途絶えました。2月7日に通信が試みられましたが、信号が受信できず、2003年1月22日の信号が最後ということになりました。おそらく、電池が寿命を迎え、通信を行えるだけの電力を発生できなくなったんでしょう。今後通信を試みる予定はありません。これが、最後です。

実は、パイオニア10号は31年前の今日、1972年3月3日に打ち上げられました。初めて火星より外まで出て行った探査船です。同年7月に小惑星帯を通過、翌年の12月3日には木星に再接近を行いました。ミッションそのものは、本来木星探査を目的としており、21ヶ月程度で終了する予定でしたが、結局、予算不足を理由に1997年に終了されるまで25年間にわたって科学調査を行いました。それ以後は1998年に打ち上げられた月探査機ルナ・プロスペクター・プロジェクトに組み込まれ、将来の深宇宙探査に必要なデータ通信の実験のために散発的にコンタクトが取られていました。

パイオニア10号はボイジャーや同形機のパイオニア11号とは逆の方向に向かって飛んでいます。つまり、太陽系の進行方向とは逆の方向ですね。2003年3月現在、約120億Kmの距離にあり、ボイジャー1号についで最も遠い人工物体です(そのうちボイジャー2号が追い越すはずです)。おうし座、アルデバランの方向へ秒速約12.24kmの速度で遠ざかっています。アルデバラン近傍を通過するのは200万年後ですね。

考えてみれば、なかなか凄いことです。彼は(船だから彼女かな)この先何万年も何億年も飛行を続けるでしょう。パイオニア10号は知的生命体に遭遇したときのためにメッセージプレートを積んでいますが、そんなものよりも、明らかに他の星間物質とは異なるこの物体の存在そのものが、人類という種の存在を雄弁に語るはずです。そう、人類が滅びたその後もずっと。


さて、いつものようにアルデバランの見つけかたを書いておきましょう。
今の季節なら、夕方から夜にかけての西の空です。オリオンのベルトをシリウスとは反対方向に延ばした先にある1等星がそうです(距離もシリウスのちょうど反対ぐらいです)。明るい星ですから、晴れていれば都会でも見えるはずです。地球から65光年の距離にあります。

せっかくですから、もうちょっと紹介しましょうか、アルデバランを中心として、V字型に星が集まっていますが、これはヒヤデス星団です(距離的にはアルデバランは星団よりもずっと手前にあるんですけどね、星団は200光年先です)。肉眼でも条件がよければかなりの星が見えますが、双眼鏡で眺めるとさらにいい感じです。ちなみに、アルデバランのさらにその先にはプレアデス星団(すばる)がありますね。そうそう、アルデバランというのはアラビア語で「後に続くもの」という意味です。プレアデスの後を追って東の空に昇ってくることからこの名前がついているんです。

せっかく誕生日をお祝いしようと思っていたのに、今日(2003.3.3)は日本は全国的に雨ですね。残念。まあ、またの機会にしましょう。彼はずーっとあそこにいます。挨拶ならいつでもできるでしょう。

(Mar. 03 2003 updated)

by isana kashiwai