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Jun. 25 2003
Columbia Lost 2003.06.25

ちょっと間があいたので、この間の動きをまとめておきます。
原因調査については、さほど新しい進展はありません。

■事故原因調査
ほぼ、打上げ時に剥落した断熱材の破片の衝突が原因という方向で報告書がかかれることになりそうです。前回も書いたように、この破片は外部燃料タンクとオービターの接合部から脱落したものとみられ、左翼前縁の機首寄りの場所に衝突、何らかの損傷を与え、大気圏突入時の高温のガスがこの損傷部から流入したと考えられます。
→参考)JunkyardReview『Columbia Lost 2003.05.12』

この間、断熱材が衝突したとみられる主翼前縁のRCCパネルに、実際に断熱材の破片を衝突させる実験が行われ、数箇所に亀裂が発生することが確認されました。



断熱材の衝突により発生したRCCパネルの亀裂
わずかな亀裂ですが、パネルの裏側まで抜けていますし、大気圏突入時の熱と振動がこの亀裂に大きく作用した可能性は高いと思われます。もしかしたら、コロンビアにはもっと大きな亀裂が発生したのかもしれません。



断熱材衝突時の連続写真
亀裂がだんだん大きくなり、衝突の振動で大きく開く様子がよく分かります。また、パーツの合わせ目などにもわずかなズレや、段差が出来たようです。



■新たな危険性の指摘
今回の調査で、打上げ後、126秒後の固体燃料ロケットブースター(外部燃料タンクの脇にくっついている鉛筆みたいな細くて白いやつ)の分離の際に、外部燃料タンクとの接合ボルトが脱落していることがレーダーの分析によって判明しました。今回は機体への衝突は無く事故の原因とは無関係ですが、このパーツは非常に重量があり、機体に衝突すると深刻な被害を及ぼす可能性があるとのこと。この点については、今後、事故調査委員会から対策を取るようNASAに対して勧告が出されます。


■シャトルの運用再開について
事故調査委員会は以下の点を4点を、運用再開への勧告としてNASAへ提出する予定。
・外部燃料タンクの断熱材の脱落防止
・断熱材の衝突に備えた機体強度の向上
・機体の損傷を飛行中に修理するシステムづくり
・飛行士の救助体制の整備
これらの改修・体制の整備はさほど時間がかからず、6〜9ヶ月で再開できるとのことです。

また、カメラによる安全確認を徹底するため、シャトルの打上げを昼間に限るとの勧告がだされ、スケジュールが確認された結果、年内に打上げ可能な日が限られており、年内の打上げは難しいかもしれないとのこと。ただ、NASAでは12月の再開を目指して暫定的な計画が作られており、遅くとも来年3月には再開する予定。

また、今回の事故の遠因が、NASAの財政情況の切迫によってシャトル予算が圧縮され充分なあんぜんたいさくが取れなかったことにあるのではないかという点についても検討が進められており、将来計画の見直し、組織体制の変更を含めた改革案が提示される予定だとのことです。

(Jun. 25 2003 updated)

NASAは現地時間の6/24、回収されたシャトルの残骸の中から発見された写真とビデオテープを公開しました。
NewsRelease
STS-107 Shuttle Mission Imagery Recovered

(Jun. 25 2003 updated)

by isana kashiwai