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Nov. 19 2003
電波が来る

ふと思い立って、スカイパーフェクTVに加入した。アンテナを取り付けてつないだテレビの画面上の数値を見ながら最適な角度を探していく・・・。おお、受信している。これで『ディスカバリーチャンネル』が『BBC World』がというよりも、むしろこのちっちゃなパラボラが静止軌道から電波を受け取っているんだ、ということに感動する。すげー。

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いやいや、バカにしちゃいけません。実は静止軌道というのはものすごく遠いんです。もしかしたらあなたが思っているよりずっと遠いかもしれません。よくテレビなんかで、「スペースシャトルや国際宇宙ステーションから見た地球」なんていうのが出てくるけれど、あれは高度200km〜300kmぐらい。静止軌道は赤道上空3万5799kmの彼方です。

えーと、大雑把にいきましょう。あなたの頭が地球だとしましょうか。腕を水平に横に上げてください。成人男性なら静止衛星軌道は大体手首にちょっと届かないぐらい、腕時計をはめるあたりです。このスケールだと、実はスペースシャトルの軌道はたった4.7mmにしかなりません。鼻に刺さりますね。(地球を直径20cmの球だとすると、静止軌道は表面から56cm、高度300kmなら0.47cm)

逆の見方をしてみましょうか。先ほどと同じように手を伸ばし、腕を軽く曲げて手のひらを一杯に開いてみてください。静止衛星から肉眼で見る地球は大体それぐらいのサイズです。普段見慣れた衛星写真から比べるとずいぶん遠いのがわかるんじゃないでしょうか。

静止軌道というのは、衛星が地球を一周するのにかかる時間がちょうど24時間になる軌道。地球の自転と同期しているために、あたかも衛星が夜空の一点に止まっているかのようにみえる軌道のことです。当然ながら、軌道と地球の回転方向が一致している赤道の真上にしかありません。

そういえば、静止衛星の高度と速度に関する話は、ずいぶん昔にやったことがありますね。
計算機と理科年表で遊ぶ

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あのパラボラの先、36000kmの彼方に、一機の衛星が浮かんでいる。あそこから、遥々0.1秒かけて電波が届き、それをあのパラボラが受け止め、電気信号に変えられて、ケーブルを駆け抜け、チューナーに流れ込み、増幅されて、復号されて、電子の奔流となってブラウン管のスクリーンを打ち抜き、光に変わって画面に像を結ぶ。いや、やっぱりこれはなかなか凄いことじゃないだろうか。

(Nov. 19 2003 updated)

by isana kashiwai