あすの夕方、アメリカフロリダ州のケネディ宇宙センターよりSTS-130 Endeavour の打ち上げが行われます。予定時間はアメリカ東部標準時2月7日4時39分、日本時間同日18時39分です。シャトルの打上げも残す所これを入れて5回、今回が最後の夜間打ち上げになる予定です。
ref. STS-129 Endeavour 打ち上げ関連URL
ref. STS-130 Endeavour Mission Timeline : Launch
今回のミッションは、トランキュリティ・モジュールの設置。このモジュールにはキューポラと呼ばれる、全方向がガラスの窓で作られた観測用のユニットが設置されます。たぶん、これまで見たことのない光景が見られるでしょう。楽しみ!
そうそう、トランキュリティには件の運動器具『COLBERT』も設置されますね。トランキュリティ命名の時のドタバタとCOLBERTの由来は以下のページをどうぞ。
ref.Garbage Collection(2009-04-16)
今回もリアルタイムアップデートをTwitterでやっています。
ref. KASHIWAI, Isana (geckoseyes) on Twitter
(追記)
本日予定されていたSTS-130 Endeavour 打ち上げは悪天候のため24時間延期されました。明日の打ち上げは現地時間午前4時14分、日本時間午後6時14分の予定です。
7年前の今日。アメリカ東部標準時午前9時、スペースシャトル・コロンビアが大気圏突入時に空中分解を起こし、7人の宇宙飛行士が命を落としました。
ref. Columbia, Houston, comm check... - Columbia Lost - Feb 1, 2003
日本時間2009年12月21日 日本時間午前6時21分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地より日本の野口聡一宇宙飛行士乗せたソユーズTMA17の打ち上げが行われます。日本人の国際宇宙ステーション長期滞在は今年3月から7月にかけて滞在した若田さんに続き2人目。野口宇宙飛行士は約5ヶ月間国際宇宙ステーションに滞在し、様々な科学実験などを行う予定です。
ref. 野口聡一宇宙飛行士:JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA
ref. Soyuz TMA-17 : Launch ※打ち上げの主要イベントをカウントダウン
ちなみに、ソユーズに日本人が搭乗するのは、日本人で初めて宇宙飛行を行った秋山豊寛氏に続き二人目です。
本日、12日間のミッションを終え、STS-129アトランティスが帰還します。今回はミッションが比較的短く、着陸までに若干猶予があるため、本日と明日はケネディ宇宙センターへの着陸のみが試みられます*1。日曜日以降はエドワーズ空軍基地も着陸候補に入る予定です。
ref.Shuttle heat shield cleared for Friday landing(Spaceflight Now)
ref.STS-129 Atlantis Mission Timeline : Landing
現在、アトランティスの排水システムに不具合が出ており、「尿が完全に排出できない」というちょっと嫌なトラブルを抱えていますが、今日着陸できれば問題なさそうです。エンジニアは不具合個所をバイパスすることを検討しているとのこと。
予報ではフロリダの天候は良好、今日中に降りてこられるかも知れませんね。
本日の着陸予定は以下の通りです(日本時間)。
【1st attempt to KSC on rev171】
22:17 GO/NO GO 判断
22:37 軌道離脱噴射開始
23:44 ケネディ宇宙センター着陸
【2nd attempt to KSC on rev172】
23:53 GO/NO GO 判断
00:13 軌道離脱噴射開始
01:19 ケネディ宇宙センター着陸
(追記)
リアルタイム更新は例のごとくTwitterでやっています。
ref.KASHIWAI, Isana (geckoseyes) on Twitter
*1 シャトルを輸送するためによけいな時間とコストがかかるため、ケネディ宇宙センター以外への着陸は極力避けるのが通例です。
STS-129アトランティスは当初の予定通り、日本時間23時44分にケネディ宇宙センターに着陸しました。おめでとうございます!
2010年の地球帰還を目指して飛行を続けている小惑星「はやぶさ」ですが、11月4日以来、稼働中のエンジン2台のうちの1台の電圧が上昇し停止するというトラブルに見舞われていました。
ref.JAXA|小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジン異常について
これで4台あるうち3台が不具合を起こしていることになり、稼働できるエンジンは残り1台。このままでは地球に帰るために必要な加速が得られません。不死鳥「はやぶさ」もこれまでか、と思われましたが、どうやら運用チームはトラブルシュートに成功した模様。「はやぶさ」再び復活です。もう何度目でしょうか?すごい探査機/運用チームです。
現状、「はやぶさ」は機体の姿勢を変えるためのスラスターが全滅、同様の機能を持つリアクションホイールも3台のうち2台が故障しているという状態。太陽電池が受ける太陽の光のごくわずかな圧力とエンジンの燃料を生のまま噴き出すことで姿勢制御をするというとても変則的な運用を行いながら飛行しています。今回これに加えて、メインエンジンそのものも通常とは違う方法で運用をすることになりました。
さて、今回起きたトラブルとその解決方法を理解するためには、イオンエンジンがどういうものなのかを知っている必要があります。ちょっと長くなりますが、せっかくなので少し詳しく書いておきましょう。
イオンエンジンというのは、文字通りイオン、つまり「電荷をもった原子」を電気的に加速して推進力を得るエンジンです。プラスの電荷をもったイオンの前にマイナスの電極を置いてあげると、イオンが電極に向かって加速を始めます。イオンエンジンはこれを利用してイオンを噴射して推進力に変える、という仕組みのエンジンです。
ただしこのイオンエンジン、あまり力はありません。「はやぶさ」のイオンエンジンの推進力は通常時で8.5mN(ミリニュートン)、おおざっぱに言うと、手のひらに1円玉を乗せたぐらいの力です。そんなもので探査機が動かせるのかって?大丈夫、動かせます。力が弱い代わりに長ぁ〜く動かしてあげればいいんです。空気や重力が飛行を妨げない宇宙空間なら、長い時間加えてあげれば、弱い力でも十分に加速を得ることができます(逆にいえば、重力や空気抵抗にあらがうだけの力が出せないのでイオンエンジンでロケットを地上から飛び立たせることはできません)。
実はイオンエンジンは力が出せない代わりに燃料の効率がとてもいいんです。力がなくて加速に時間がかかる代わりに、ほんのちょっぴりの燃料で済む、これがイオンエンジンの大きな特徴。燃料をたくさん積めないかわりに、加速に多少時間がかかってもいい惑星探査機にぴったりのエンジンです。
はやぶさのエンジンの話に戻しましょう。はやぶさのイオンエンジンの燃料はキセノンです。このキセノンのガスをマイクロ波を使ってイオン化、つまりプラスの電荷を与えて電気的に加速してあげるわけです、がここに落とし穴が…。プラスの電気をもったものをどんどん噴き出していると、機体はどんどんマイナスに帯電していきます。これが電気機器に悪影響を与えるのはご存じのとおり。また、噴き出した原子が磁石の同じ極同士が反発するみたいにお互いに反発しあって広がってしまい効率が落ちてしまいます。さらに、一番問題なのは、せっかく加速させたイオンをマイナスに帯電した機体が引き付けてしまうこと。これだとちっとも推力が出ません。
そこで登場するのが「中和器」という機械。これはプラスの電荷をもったキセノン原子に今度はマイナスの電荷を与えて電気的に中性にしてあげる機械です。これで、冬場のセーターみたいにパチパチいったり、噴き出したガスがもわーんと広がったり、せっかく噴き出したガスを引き寄せちゃったりせずに済みます。これで万事解決。つまり、イオンエンジンというのはイオンを噴き出す「イオン源」と「中和器」のセットでできているということです。どちらが欠けてもダメ、2つでワンセットです。
さて、やっと今回のトラブルとその解決方法を説明できるところまで来ました、あともう少し。
「はやぶさ」はA/B/C/Dの4台のイオンエンジンを持っています。もちろんそれぞれに「イオン源」と「中和器」がついています。この4台うちAエンジンは打ち上げ直後にいまいち調子が悪いので止められていました。はやぶさは残りの3台で小惑星イトカワの探査を行いました。さて帰り道、2007年4月の段階でBエンジンが止まってしまいます。残りはCとD。現時点では2台使わないと地球へ戻ってくるだけの加速が得られません。しかも、CとDのエンジンも長く使っていたせいでだんだん性能が落ちていました。みんなが壊れるなよ〜と思っていた矢先、11月4日に今度はDエンジンが止まってしまいました。残りはCエンジン一つ。これでは地球に帰ってこられません。
そこで、はやぶさチームが考え出したのは、Bエンジンの「イオン源」とAエンジンの「中和器」を使って1台分にするという方法。と書くと簡単そうに聞こえますが、普通ならできません。さっきも書いたとおりイオンエンジンはイオン源と中和器がワンセットですから、どちらか片方だけ動かすという状況はほとんど考えられないからです。これ実は、設計段階でもしかしたら何らかのトラブルでこういう変則的な使い方をすることがあるかもしれないと、あらかじめそういう回路を作っておいたのだそうです(追記:元の回路にダイオードを1つだけ追加することで実現されているようです。コメント欄参照)。すげー!
ただし、AとBの2台を同時に動かすと、必要な電力もその分2倍になります。また、使われないBエンジンの「中和器」とAエンジンの「イオン源」にも電気が流れるため生のキセノンガスが漏れることになります。でも、現在はやぶさは太陽電池から十分なエネルギーを得られる位置にあり、またキセノン燃料もまだ十分に残っています。運がいいなあ。
このままA+Bエンジンがこのまま3月まで動作すれば*1、来年2010年の6月頃、はやぶさは地球に帰ってきます。がんばれー!
*1 もし、これらのエンジンがとまった場合には、そのタイミングによっては2013年に帰還を延ばすことになるかもしれないとのこと、
あす未明、アメリカフロリダ州のケネディ宇宙センターよりSTS-129 Atlantis の打ち上げが行われます。予定時間はアメリカ東部標準時11月16日14時28分、日本時間翌17日4時28分です。11月1日より時計が夏時間から標準時に切り替わっていますのでご注意ください。
ref. STS-129 Atlantis 打ち上げ関連URL
ref. STS-129 Atlantis Mission Timeline : Launch
今回の主なミッションは、国際宇宙ステーションに予備の機器などを載せた船外保管用のパレットを運ぶこと。このパレットは来年度に予定されているシャトルの退役に備えて大型の予備部品を運んでおくためのもの。シャトルが退役すると船外に設置されるような大型の機器を運べるのは日本のHTVだけになってしまいます。HTVのフライトは基本的に年に1回しかありません。その間に故障などが起きた時のために重要な機器はあらかじめスペアパーツを運びあげておくというわけです。
今回もリアルタイムアップデートをTwitterでやるかも(起きられたらね)。
ref. KASHIWAI, Isana (geckoseyes) on Twitter
アトランティスは予定通りアメリカ東部標準時11月16日14時28分、日本時間翌17日4時28分に打ち上げられ、無事所定の軌道に乗りました。おめでとうございます!
ref. Starlit Night - yet another online planetarium
オンラインプラネタリウム Starlit Nightの新バージョンを公開しました。今回のバージョンでは国際宇宙ステーションの可視予測の機能を追加。左上の「Satellite」のリンクからどうぞ。

チェックボックスをONにすると直近10日間の可視パスが表示されるので、そのうちの一つを選んで「show」をクリックすると...

... 星空の上にパスがマッピングされます。
もちろん、衛星のパスもPermalink(永続リンク)でURLの形で共有できます。たとえば、上に表示した画面ならこんな感じ。
ref. 2009年11月7日、東京から見たISSの可視パス
この日は、17時10分頃に北西から昇ってきて、17時13分頃に天頂近くで地球の影に入って見えなくなります。
Have fun !
昨日悪天候のために延期になったNASAが開発中の次世代有人打ち上げ機AlesIのテストフライト(AlesI-X)が、再度行われます。今日の打ち上げ予定時間は昨日と同じく、アメリカ東部夏時間28日午前8時、日本時間午後21時です。天候は60%の確率でGoとなっています。
ref. NASA - NASA's Ares I-X Rocket
ref. Spaceflight Now | Ares 1-X | Ares 1-X test flight an engineer's delight
ref. AresI-X Mission Timeline : Launch
ref. Garbage Collection(2009-10-27):AresI-X 打ち上げ
昨日の打ち上げでは、天候の急変などで再三にわたり打ち上げ時間が変更になりました。今日は昨日より天候は好転していますが、打ち上げ時間はずれ込む可能性があります。ご注意ください。
リアルタイムアップデートはTwitterでやっています。
ref. KASHIWAI, Isana (geckoseyes) on Twitter
天候不順により、打ち上げ時間が約3時間半延期されましたが、アメリカ東部夏時間28日午前11時30分、日本時間29日0時30分に無事打ち上げが行われ、第1段の切り離し、パラシュートの開傘ともに無事行われました。おめでとうございます!
アメリカ東部標準時27日午前8時ちょうど(日本時間同日午後9時)、NASAが次世代有人ロケットとして開発を進めているAresIのテスト機の打ち上げが行われます。
ref. NASA - NASA's Ares I-X Rocket
ref. Spaceflight Now | Ares 1-X | Ares 1-X test flight an engineer's delight
ref. AresI-X Mission Timeline : Launch

AlesIはスペースシャトルの後継機としてNASAで開発が進められている次世代ロケット。サイズだけでいえば、全長327フィート(99.7m)は現行ロケットの中では最大、これまで打ち上げられたものとくらべてもサターンVに匹敵する最大級のロケットです。第1段にはスペースシャトルの固体燃料ロケットブースターを増強したものを使用。第1段に固体燃料ロケットを使う有人機はおそらくAresIが初めてです*1。ちなみに、AresIに搭載される宇宙船Orionはシャトルとは異なりカプセル型になります。
本来は2012年に最初の有人フライトが行われる予定でしたが、開発が遅れており現在のところ完成は2015年になりそうです*2。
今回は第1段のテスト。第2段目以降はテスト用の機材が積まれています。フライト時間は約6分間、到達高度は46.6km。つまり、今回は宇宙にはいきません。第1段はスペースシャトルの固体燃料ロケットブースターと同じくパラシュートで回収され再利用されます。ダミーの第2段は大西洋に投棄されます。
本日予定されていたAresI-Xの打ち上げは、悪天候のため明日の同じ時間に延期されました。予定時間はアメリカ東部標準時午前8時、日本時間午後21時。天候は今日よりも好転し60%の確率でGoとのこと。
日本時間、2009年10月09日、NASAが打ち上げた探査機LCROSS(Lunar Crater Observation and Sensing Satellite)が月面に衝突します。一瞬どきっとしますが、LCROSSはもともと月面に衝突させることを目的とした衛星。衝突時の光や、飛び散ったダストなどを観測することで月内部の組成を調べるのが目的です。
ref. LCROSS (NASA)
衝突は2回。まずLCROSS本体を月まで運んできたセントールロケットがアメリカ東部夏時間7時30分(日本時間20時30分)、続いてその4分後LCROSS本体が月面に衝突します。
衝突の模様はNASA-TVにて中継される予定。中継の開始は衝突の約1時間前、日本時間19時30分ごろの予定です。
ref.NASA TV
予定通りセントールロケットおよびLCROSSは月面に衝突したとのこと。わーい!搭載機器も正常に動作、また地上/軌道上の複数の天文台によって衝突の瞬間の観測が行われたようです。
これは衝突の約6分前からのNASA-TVの録画映像。LCROSSの搭載カメラからの映像がすごい迫力。
プレスカンファレンスでの報告によると、LCROSSの搭載カメラからは先行したセントールロケットが衝突した際に閃光が捉えられたとのこと。ただ、衝突時のダストは当初予想されていたよりも少なくセンサーで捉えられなかったとのこと。ただ、衝突時にナトリウムの閃光が捉えられるなど当初予測されていなかった観測結果も出ていて、なかなか興味深いデータが取れているようです。
地上からの観測でも、衝突の前後で分光データに変化が見られる(つまり何らかの物質が生じている)ものの、衝突時のダストを視覚的に捉えることはできなかったようです。ハッブルをはじめとする宇宙望遠鏡や月を周回している探査機LROからのデータが出てくるのは、もう少し後になりそう。
(追記)
月を周回している探査機Lunar Reconnaissance Orbiter(LRO)の初期観測によると、ダストの発生とクレーターの生成を確認したとのこと。
Lunar Reconnaissance Orbiter Update: LRO Observes LCROSS Impact!
> SaYo [打上げ延期に伴うMission Timelineの変更、おつかれさまです。 そのMission Timelineで..]
> isana [ご指摘ありがとうございます!修正しました。]