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Daily Clipping 2001.12.21   (URL)
ふう、やっと落ちついた、かな?

久しぶりに画像系、今回はなまもの。
『太平洋・大西洋・インド洋で新種の深海巨大イカを発見』(海洋科学技術センター)
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0112/1220b/index.html

しんかい6500の1998年にインド洋で行われた潜航で、ビデオに巨大なイカが写っていて、それについて学会で公演したらあっちこっちで話題になって、いやこりゃ新種だよってことになったらしい。水深2000〜5000mぐらいで見つかっていて、体長7メートルにもなる。

で、こんなの。



うわぉ、イカにゃ見えない。っていうか、地球の生き物にゃ見えね―。どきどきどきどき。
こんなのが、深海の闇の中からぬーっと出てきたら・・・。うおー、凄く見たいぞ。

上記画像は、Monterey Bay Aquarium Research Instituteのページから
http://www.mbari.org/news/news_releases/2001/dec21_clague/dec21_clague.html
同ページで動画も見られる(要QuickTime)。これは必見。いやほんとに、凄いわ。



Daily Clipping 2001.12.17   (URL)
立ちあがって踊り出したくなるぐらい、眠い

『リナックス型の社民党を目指す』(辻元清美Webサイト)
http://www.kiyomi.gr.jp/kokaiki/special/n-43.html
前から気になっていたんですが・・・。えーと、Linuxコミュニティは『心優しき独裁者』が必要なんですよ。リーヌス役は辻本さん、やっぱりあなたがやるんですか?

なんにしても、あのスタイルは政治には適用しない方がいいと思うけどなあ。ほら、専制政治を否定しつつ、大統領の独裁の有用性を解いて有名になった人が居ましたよねえ。そのまま政治に当てはめると、あれにそっくりなんですけど。いいんですか?


「ウィンドウズ型のようにピラミッド型・中央集権システムではなく、ネットワーク型・分散システムで広く意見を集めてものごとを決める。リナックス型で政策づくりをまずやってみたい。」

ウインドウズ型=ピラミッド型・中央集権システムっていう定義もどうかと思うけれど。前半では意志決定のモデルを提示し、後半では意見徴収のためのモデルを提示してるじゃないか。対立構造がそろってないがな。なんで気付かんかな。

そもそも、オープンソースはコードがコピーでき、かつ実行可能であることが前提になっている。でも、政治はコピーできない上に、個人レベルで実行する手段がない。いや、冗談じゃなく、これは個人の利益の共有という問題だ。

要するにオープンソースは「プログラムは使う人の利益が使う人の中だけでほぼ完結している」ことが前提になっている。だからこそ、個人の成果を全体に還元するシステムが作れるわけだ。政治(権力と言い換えたって同じ)は、使う人(行使する人)と享受する人が別だから成立している概念だからちょっと事情が違う。だって、あなたがいくら憲法の改正案を作っても、それだけじゃあなたの利益にはならない。全体の承認を受けて、憲法が改正されて始めてあなたはその利益を受けることができる。共有されるまで利益が得られない政治と、とりあえず、個人の中で利益が完結しているソフトウエアを比べるのは、やっぱりちょっと難しい。

確かに(うまくいっている)オープンソースコミュニティは個人の利益とコミュニティの権力のバランスが取れていて、意志決定のシステムとして上手く機能しているように見える。だから、政治や経営なんかに適用できるかもしれない、なんていう淡い期待を抱いてしまうんだよね。でも、実はオープンソースは個人の意志を全体に伝えるためのシステムじゃなくて、個人の利益を集団に再分配するためのシステムだ。とても似ているけれど、この二つはぜんぜん違う。

政治のコードをオープンにすることで、政治腐敗のリスクを回避するとか、トラブルがあったときの対処を正確かつ適切な物にするとか、政治のサイクルを短くするとか、コミュニティの維持が難しくなったときにノウハウやリソースの移転をし易くするとか、Linuxの例を引っ張ってくるにしても、もうちょっとどうにかならんかなあ。

「みんなから広く意見を集めます」ってオープンソースとこれっぽっちも関係無いっすよ。問題はその意見がどうやってコード(法)になっていくかっていうプロセスの方でしょうに。



Daily Clipping 2001.12.16   (URL)
石川さん、ご紹介ありがとうございます。あ、ほんとだ切れてますね。もったいないなあ。

ごひいき返し:友人の自称Converter、石川さんの『日々是、加工業。』はMacOSX、セキュリティ関連ページとして(そっち方面では)とても有名です。私んとこなんかと違って、使える知識が山のように詰まっております。これで、ネットワーク管理が本職じゃないあたりがどーかしてます。Mac使いの方はぶくまく必須です。でも、わたしは行の端々に見える、石川さんの日々の視点が大好きです。かたつむりとか。

さらに、ごひいき返し:友人の3DCGデザイナー、太洋さんの『UnderConstruction』。「理論の分かるCG屋」として仲間内で「教授」と呼ばれる彼のWebサイトは、CG界の(ごく一部の)つわものたちが集う濃いぃBBSがメインコンテンツ、じゃなくて、作品ごとに謎のTipsを繰り出してくるGallaryが必見。「あんた何する人何や?」と突っ込みたくなるようなDiaryもお勧めです。Mac、3D、Shade方面の方は日参すべし。でも、私はDiaryで飛び出す、太洋さんの「やわらかい毒舌」が大好きです。M$とか。



Daily Clipping 2001.12.13   (URL)
しばらく、サイトにアクセスできない状態が続いていたようです。ご迷惑おかけしました

『日本独自の有人宇宙船構想』(NASDA先端ミッション研究所)
http://giken.tksc.nasda.go.jp/Group/sentan/mission/2/index.html
涙で目がかすんで前が見えない。すばらしい、我々が待ち焦がれていたのはこれだ。まさか、まさか日本からこのプロジェクトが出るとは思わなかった。ほんとうに、すばらしい。ああ、生きててよかった。

シャトルとソユーズをばっさり切り捨てて見せ、「有人宇宙船開発の空白期の今こそ、全く新しいコンセプトの宇宙船を日本が作るべきだ」と述べるこの提案書そのものが、日本の宇宙開発史に残る代物だと思う。

さて、気を落ちつけてちゃんと背景を書いておこう。あくまでこの構想はNASDAの一部所である先端ミッション研究所が提案として発表したものであって、文部科学省から正式に予算が下りたわけではない。これで2008年に国産有人宇宙船が・・・というのはちと気が早い。経済効果みたいな観点から見ると、ちょっと難があるしね。

重要なのは、この提案が議論のテーブルに乗り、それなりに妥当性のあるものとして評価の対象になったということだ。これまで絵空事としか語られなかった国産宇宙船開発が、現実性のあるプロジェクトとしてちゃんとプランが引かれ、まじめに議論の対象として検討され、日本の宇宙開発の将来計画の中に位置付けられたということそのものが大きな前進だと思う。

「今後10年のフラッグシップミッション案」という題目のもとに、今回の有人宇宙船プロジェクトが提案されたことはとても意義深いと思う。そう、30年ではなく10年。この10年で有人宇宙船を開発するかどうかが、今後の日本の宇宙開発の方向性を決める。それはまず間違いないだろう。NASAにおんぶにだっこの宇宙開発から脱却できるかどうかは、もしかしたらここにかかっているのかもしれない。

そして、もしかしたら、「安価で安全なロケット」と「柔軟な有人宇宙飛行システム」は、本当に世界の宇宙開発を変えてしまうかもしれない。

だって、なにより、こんなにわくわくするじゃないか。


ちょっといい話。
じつは、このプロジェクト、SF大会の一室で宇宙作家クラブのメンバーに秘密裏に発表され、会場の拍手が鳴り止まなかったらしい。実際今回の資料の執筆協力者にずらっとSF作家が並んでいる。

そういえば、提案者の野田篤司氏は、あさりよしとおの『なつのロケット』(bk1)の設定作った人ですね。


スティーブン・ホーキング『ホーキング未来を語る』アーティストハウス(bk1)
えーっ、どこが「前著より分かりやすい」のよ。次から次へと繰り出される最新理論ははっきり言って説明不足で何の事だかよくわからない。むむむ。面白そうな匂いがするんだけどなあ。M理論?ブレーン?うーむ。

しかし、この3DCGを駆使したチャートっつーのは、余分な情報が増えてるだけで、チャートとしてのクオリティは下がってるんじゃないか?分かりにくさが倍増している気がするんだが・・・。

さて、前著を読んだときからずーっと疑問だったことがある。ちょっとメモ代わりに書いておこう。

恒星が崩壊してブラックホールが形成されるとき、そのプロセスにいったいどれくらいの時間がかかるように「見えるのか」

「ホーキング〜」を読んだ人なら分かるかもしれないが、ブラックホールに落ちこむ物質は外部から見ると、事象の地平面に近づくにつれて徐々にその速度を落とし、赤方偏移で赤く暗くなっていくように見える。で、事象の地平面では速度が無限小になって完全に見えなくなるはずだ。

これって、「外から見ている限りブラックホールが形成されるためには無限の時間が必要」ってことになりませんか?こういう状態のときに、本当に特異点が形成されるのかな?

あー、もうちっと勉強しますです。



Daily Clipping 2001.12.10   (URL)
久しくあってない友人からメールがきた。どうやらぐぐるで引っ掛けたらしい。
私信:いやいや『おかあさん』お久しゅうございます。ご無沙汰しております。
もうあれから10年もたったんですねえ。(このコメント、あらぬ誤解を呼びそうだな…)


『天文学者がダークマターを「観測」した』(spaceflightnow)
http://www.spaceflightnow.com/news/n0112/06darkmatter/
え、ホントに?ダークマターってのは見えないからダークマターなんじゃないの?


NASA/ESA


恒例の、ちょっと解説。
ダークマターというのは、光を発しない理論上の星間物質。なぜ仮想かというと、銀河の質量を計算する際に、観測と理論上の数値が合わない為に「無いと理屈に合わない」という理由で導入されたものだから。

えー、遠くの銀河の質量を測る方法は二つ。その銀河の明るさから銀河を構成している星の数を推定する方法と、銀河の回転速度や銀河同士の相互作用から推定する方法の2種類。でも、実際やってみると、一致しなきゃいけないこの二つの数字が、なぜか後者のほうが10倍近くも重くなってしまう。その数字のズレはどこから来るのか?「きっと見えない(光を出さない)モノが沢山あるんだよ」という短絡的かつ分かりやすい理由で導入されたのが「ダークマター(暗黒物質)」というわけ。

ダークマターがなんなのかは天文学者や理論物理学者の間で諸説紛紛。素粒子だとか、冷えてしまった星だとか、ブラックホールだとか、いろんな説がある。その存在が提唱されてから30年以上、まだよく分かっていない。何しろ見えないからねえ。

そういうわけだから、今回のニュースは「透明人間が見えた」って書いてあるようなもの。ガセじゃなければ天文学/理論物理学の世界ではものすごい大ニュース。まあ、直接見えたというよりは、重力で光が曲がって見える「重力レンズ効果」で間接的に観測したということみたい。

で、上の写真がその「ダークマター」の画像。矢印の先の赤くなっている所、これは本来ならば観測できない赤色矮星(平たく言うともう冷えてしまった星のこと)が背景の青い星の光を重力で歪めて赤く見せている様子(あくまで赤いのは後ろの星の光、赤色矮星そのものは写っていない)。



Daily Clipping 2001.12.03   (URL)
最近ぐぐるからしかアクセスがございません。ええ、自業自得ですね。はい。

『火星語テスト』(IBM)
http://www-6.ibm.com/jp/developerworks/unicode/001208/j_ibm-martian.html
IBM謹製。とてもまじめなJava国際化プログラミングのページ。
言語が変わると、文字の長さが変わってしまうためGUIに影響がでる。それをチェックするために「火星語」によるテストが推奨されている。世界中捜しても、単語一つ一つがここまで長い言語はほとんどないそうな。

では、火星人に世界共通のプログラマー式の挨拶をしてみよう。

Ohelloay dworlday!?


たまには、こういうネタも・・・これでうちも不謹慎サイトの仲間入り(^^;
『MITメディアラボ「Elotic Computation Group」』
http://ecg.media.mit.edu/
うわははは、メディアラボ謹製「大人」のサイト(笑
設置される研究室は以下の通り。
Sex Toys of the Future(大人のおもちゃの未来)
Erotic Speech Processing(大人の会話認識技術)
Sexual Imaging(大人の画像技術)
Sex in the Global Community(グローバルコミュニティからみたセックス)
Interactive Adult Cinema(インタラクティブ成人映画)
Tangible Sexual Interfaces(触れることの出来る大人のインターフェイス)
Implantable Sexual Technology(埋め込み型性技術)
Sexual Robotics(大人のロボット)

説明もなかなかいい感じ。
本当はメディアラボが自ら作ったパロディサイトらしい。
いやー、成果物を見てみたい気もするなあ。

冗談じゃなく、ブロードバンドで成功が約束されているのはこの分野だけだし、
本気でやったら、結構儲かるんじゃない、ネグポン?


では、ブロードバンドがらみで一つ
Kodak e-Magazine "Sleeping Giants"
http://www.kodak.com/US/en/corp/features/sleepingGiants/
Kodak謹製のFlashMovieによるドキュメンタリー。アメリカの軍用機の廃棄場のお話。

これは、ネットコンテンツひとつのあり方を示している思う。ブロードバンド、ブロードバンドとうわごとのように言っている人はこれを見て反省すべし。ちゃんと作れば静止画と音声だけでもこれだけの物が作れる。帯域幅なんて実は関係ない。金だけ積んで作った、こけおどしのムービーだのインタラクティブがいつまでも通用すると思ったら大間違いっす。

個人的には「ブロードバンド」という言葉は「マルチメディア」と同じ道をたどると思う。つまり、「当たり前になった頃には、恥かしくて口に出せなくなっている」でも、もうすでに恥かしくなりつつあるよねえ。すくなくとも「ブロードバンドコンテンツが…」という奴のセリフは基本的に信用できない。だって蓋空けてみれば、みんな巨大ムービーだったり、ストリーミングだもの。そんなの大金かけてコンテンツつくってちゃんとペイするのか?誰も金を払ったりしないし、誰も見ないよそんなもの(上に書いた「例外」を除けばの話)。

このままいくと、ムービー1本当たりの単価が制作費の限界値を超えるのは時間の問題。そうなれば、結局ハイクオリティなものはテレビか映画館で、WEB上にはその再利用ものだけって状態になるだろね。Webストリーミングのクオリティがテレビやビデオのクオリティを凌駕するまでは、そういう状態が続くんじゃないかな。


でも一方で、ブロードバンドはテレビではない。これは諦めであり、逆に希望でもある。

このテーゼには二つの意味がある。テレビというものがもはや能動的に視聴するものでは無くなっていること(もちろん例外はある)。テレビはどちらかというとラジオに近づいているような気がする。もっといえば「照明器具」かもしれない。あなたのうちのテレビも、スイッチは入っていても、誰も見ていない時間の方が長いでしょ。で、もう一つは、ここまでくればいわずもがなだけど、ブロードバンドは「照明器具としてのテレビ」にはならないということ。

加速されるのはやっぱりコミュニケーションなんじゃないかな。月並みだけど。でも僕がいいたいのは、メールやチャットとはちょっと違う。あえていえば、コンテンツコミュニケーションってとこだろうか。そんなに難しいことじゃない。要するにWebサイトのことだ。

Webサイトの目的(モチベーション)は実は受信することにある。受信するために発信する、実はこれがインターネットのコミュニケーションの基本じゃないだろうか。個人でWebサイトを持っている人はみんな知っているはずだ。こんなコミュニケーションはこれまでなかった(あ、うそだ。ありとあらゆる情報発信に当てはまるな、これ)。

で、ブロードバンドは受信すること以上に、発信することに対する障壁を下げるような気がするんだよね。あるいは、受信することへの障壁が下がることで、発信することの障壁が下がる、といったっていい。

それで何が変わるかって?ほとんど何も変わらないんじゃないかな、結局。ただ、屑情報の山のサイズが変わるだけかもしれない。ただ、可能性があるとすれば、コミュニケーションに対するメンタルモデルが変わることだけど・・・どうなんだろ。



BookReview2001.11.30   (URL)
なんだか、頭の回りをちょうちょが飛びまわるぐらいに忙しい。

でも、それとこれとは話が別。最近読んだ本からちょっと紹介

サミュエル・ハンチントン『文明の衝突と21世紀の日本』集英社新書0015(bk1)
イスラム本から始まって、ギデンス、ウォーラースタインと読み進み、とりあえず、ここに行きついた。普段はこういう「はやりの平積み本」をつい敬遠してしまったりするんだけど、これはなかなかの良書。「冷戦以降の争いは国家間ではなく、文明間で起きる」という当たり前のことをちゃんと書いた本。この文章を読んでそんなの当たり前じゃないか、と思った人は一読をお進めします。この本には当たり前の事をちゃんと当たり前だというための根拠がかいてある。実はこれは凄いこと。彼は決して予言者ではない。でも、耳を傾けるべき預言者ではある。

それがどんな狭い世界であっても、物事を見るためには軸が必要だ。たとえその軸がぶれていてもかまわないし、どんなに貧弱なものでもかまわない。あるいは、話の糸口と言い換えてもいいかもしれない。スクラッチ&ビルドするためにはまず壊すための「何か」が必要になる。少なくともこの本は、今の世界を見るための軸を与えてくれることは間違いない。正しいかどうかは分からないけどね。

上の新書は前著『文明の衝突』(bk1)のダイジェスト+αという感じ。エッセンスだけならこっちで十分。ちゃんと読みたければハードカバーもどうぞ。おすすめです。

それにしても「これを文明の衝突にしてはならない」という週刊誌の見出しには笑ってしまった。ちゃんと読みましたか?


神林長平『永久帰還装置』朝日ソノラマ(bk1)
おお、この人が人間と人間の恋愛小説を書くのは本当に久しぶり(ま、設定上は人間じゃないけど)。もともと、恋愛小説の構造で本書くことが多い人だけど、人間と戦闘機とか、人間と宇宙船とか、人間と戦車とか、人間と車とか、人間と世界とかそんなのばっかりだからねえ。

でも、誰に聞いても最高傑作は『あなたの魂に安らぎあれ』(bk1)だっていうんだよね。僕もそう思うけど。でも、個人的に好きなのは『完璧な涙』(bk1)そういえばこれも恋愛小説だったっけ。人+人+戦車の時空を超えた三角関係の話、美しいっす。


ハーマン・メルヴィル『白鯨』講談社文芸文庫(/)
新訳が出ていたので久しぶりに読み直してみる。いやーやっぱり面白いわ。でも、まだ訳が硬い気がするなあ、他と比べるとずいぶん読みやすいけどね。せっかくでたらめで破天荒なお話なんだから、もっと軽く訳せばいいのに。たしかに哲学的なところもないわけじゃないけど、その前にかなり楽しい(?)話なんだしねえ。
ちょっとやってみようか。

とりあえず、俺のことはイシュメールと呼んでくれ。あれは何年か前、…実際何年前だったかなんてどうでもいいだろ?そう何年か前だ。懐に金がほとんど無くて、かといって波打ち際でやりたいことがあるわけじゃなかったから、ちょっと海に出て「水浸しの世界のもう半分」ってやつを見に行こうかって気になった。まあ、これはイライラを追っ払って血のめぐりを元に戻すのに、俺がよくやる手だったりする。たとえば、口のあたりがもそもそして、気分が11月のジメジメした小雨日和みたいになっているときとか、つい棺桶置場の前で足を止めたり、出会う葬式の列に片っ端からついていきそうになるときとか、あるいは鬱のあまり、道行く人の帽子を順番に叩き落としたい衝動を抑えられなくなりそうなときとか。いますぐにでも海に出たいなんて思うのは、そういうときだ。ま、要するにピストルと弾丸の代わりだな。カトーは哲学的な言葉を朗々と唸りながら剣の上に身を投げたけれど、俺は黙って船に乗る。別に驚くほどのことじゃない。たいがいの奴は遠からず海に対して俺と同じような感情を抱いてるはずだ。ま、海を知ってればの話だけどね

こんな感じでどう?第1章の冒頭部分。けっこー楽しい 。
てきとー訳なので細かいところに目くじら立てないでね。ちなみに英文はGutenbergProjectから。


吉田武『オイラーの贈物 人類の至宝eiπ=−1を学ぶ』(bk1)ちくま文芸文庫
数学の教科書、名著。すばらしい、この本を文庫化した筑摩書房を尊敬。そう、こういう本を文庫化しなくちゃだめよ。いや、冗談じゃなく、難しくて気軽に読むわけにいかない本だからこそ、文庫になる意味がある。さあ、負けるな岩波、岩波現代文庫で『ファインマン物理学』(bk1)を出そうよ(ダメだろうなあ)。



Daily Clipping 2001.11.15   (URL)
静けさもないまま、嵐の真ん中・・・

ご期待にお答えして
『獅子座流星群』(Astroarts)
http://www.astroarts.co.jp/special/leo2001/index-j.html
ま、お祭りですから、参加しない手はありませんやね。見るなら、18日午前3時頃がいいかな、翌日日曜日だし。
ただ、19日の方が多いって話もある。まあ、流星雨情報なんて天気予報より当てにならないけどね。

では、とりあえず、獅子座の簡単な見つけ方から。

「北斗七星の柄杓の頭を北極星とは反対方向に7倍したあたり」

要するに「北極星の見つけ方」の逆。簡単でしょ。え、わからない。じゃあ・・・

「真東」

今回の場合はこれで問題ないはず。東の空に見える「?」を裏返したような形に星が並んでいるのが「獅子座」(?は「獅子座の大がま」と呼ばれているもので獅子の頭部分)。18日午前3時には「?」は横倒しに見えるはず。で、今回の放射点は「?」の頭の真ん中あたりになる。

ちなみに「?」の点のあたりに明るく光るのが「レグルス」(ラテン語で“小さな王”)。黄道上にある唯一の1等星で、別名「コル・レニオス(獅子の心臓)」。

この獅子は「ヘラクレスの12の荒事」の最初に出てくるやつですね。ヘラクレスが三日三晩首をしめてやっと倒したっていうあの獅子。これを称えてゼウスが夜空に上げたのが獅子座ということになってる。でも、ヘラクレスがこの仕事をやる羽目になった原因は、ゼウスの正妻である女神ヘラの呪いで気が触れて妻と子供を殺しちゃったこと。そもそも、おめーの奥さんが原因やろがい。そんなことするくらいなら、ちょっとは手伝ったれよ。

あー、話を元に戻そう。

さて、流星群の話はあっちこっちでされているので、ちょっと違う視点で流星を眺めてみませう。

知ってのとおり、流星群というのは彗星のくずが地球の大気に落ちてきて明るく輝く現象。今回の母彗星はテンペル・タットル彗星(周期33年で遠日点は天王星のちょっと外側あたり、前回の再接近は1998年)。この彗星の軌道と地球の軌道が交差するときに流星の雨が降る。で、この流星群の場合は、地球の公転方向がちょうど獅子座の方向を向いているために獅子座が放射点になる。

要するに、今地球は太陽の周りを回りながらちょうど獅子座の方向を向いていて、その動きが車のフロントガラスから見える雨みたいに夜空に見えているわけ。おお、地動説。

普段、地球の自転は実感できるけれど、地球の公転を実感する機会はあまりない。このチャンスに太陽の周りを回る地球の動きに思いをはせるのも一興かと。

ちなみに地動説を最初に唱えたのはコペルニクス先生。さっき話した獅子座の一等星「レグルス」の命名者。



days/fragments 2001.11.14   (URL)
「まとまったものは書かないのか?」「いや、書けないから・・・」

requiem for the dead cow
僕達が恐れているのは牛肉を食べることではなく狂牛病になることだ。 狂牛病の牛はいないというプロパガンダはもう意味がない。だっていたんだから。調べれば調べる程に分からないことが増えて行くような状況で、サイズも量も分からないリスクを取るのはやっぱり怖い。

立ちあがることが出来ずに、ふらふらとよろめくあの牛の姿を忘れるのはちょっと難しい。確率的にありえないという話は説得力はあるけれどやっぱり意味がない。僕達を怯えさせるのは数字ではなくあの牛の姿なんだから。

あの牛は食卓の上に巨大なブラックボックスが乗っかっていることを、僕達に気づかせてしまった。自分たちが食べているものが何処からどうやって来たのか、誰も知らない。そういう意味では、僕達もあの牛とそう変わらないねえ。

僕達はいま自分たちがなにも知らないということに気づいてしまった。そして、どんなにがんばってもそれを知るのは難しいだろう、ということにも薄々感づいている。ま、怖がるなってのは無理な話だ。

さて、こうやってぐたくた御託を述べながら、結局、今日もぼくらはお肉を食べる。ああ、おいしい。ちょっと不安だけど、やっぱりおいしい。

うしさん、今日もありがとう、とてもおいしくいただきました。


flying gear
ひさしぶりに、自転車の話をしよう。

動いているものを見るためには、精神は静止している必要がある。狂ったみたいなスピードで山を下っているときも、街中で人の流れをすり抜けながら走っているときも、精神状態は限りなく静止に近い。

加速する程に、精神の分解能が上がっていく。指先でなぞるように、路面の細かい変化を全身で感じ取る。激しい振動と姿勢変化の中で、精神はまるで空中をすべるように滑らかに移動する。

世界が自分の周りで刻一刻と自分との相対位置を変える。一定の距離を保ちながらその動きに追従する。流れに逆らわないように、世界の動きに自分の動きを重ねていく。まるで、重力とダンスを踊るように。

そう、自転車は空を飛ぶための道具なんだ。



Daily Clipping 2001.11.07   (URL)
すっかり週1回更新ペース。まあ『更新が不定期なサイト』ってことになってるみたいだし、いいか。ニュースサイトじゃないし(いやほんとに)

半分私信なので指示代名詞で失礼します。

『バーチャルキーボードふたたび』
呼ばれた気がしたので、とりあえず、ここここに激しくうなずいてみる、うんうん。確かに惜しいっ、でもだめだ、あれは。
そういえば、以前こんなのを紹介したことがあった。これもいまいちスマートじゃないんだよねえ。

要するに、もう実体のキーボードなんてかったるくて使えるかぁ。というお話です。

世間には、半分に割れるキーボードや、そもそも半分しかないキーボードがあるのに、なんでもう一歩進めて「指を置いたところがホームポジション」にならないんだ。キーボードの位置とサイズなんて人差し指(F/J)と小指(A/Lのとなり)の位置で決まるやん。

前にも書いたけれど、どの指がどれだけ動いているかと、手首の角度、手首の位置ぐらいが分かればいいんだから、筋肉の神経パルスを拾うリストバンド、手首と手の相対角度を測るための人差し指の指輪、胸につけたバッジとの相対位置ぐらいでどうにかならんかな。音声コマンドと組み合わせれば行ける気がするけど・・・。

机の上で強めにタップしてみれば分かるけど、それぞれの指でタップしたときに手首に伝わる衝撃はそれぞれ微妙に違うんだよね。「どの指が動いてるか」は手袋なんかはめなくても拾えるんじゃないかなあ?

なんなら、この際入力方法を変えたっていいぞ。たとえば六点入力なら今でもソフトはあるし、指の位置は固定だ。バリアフリーで一石二鳥だ(ホントか?)。

あるいは、ひとっとびにこっちかな?疲れそうだけどね。


本日の調べモノ
lizard-tail
lizards tail というのはハンゲショウ(半夏生)というドクダミ科の植物の俗称(学名のSaururus chinensisのSaururusがトカゲの尻尾の意)。半夏生の季節に葉が半分だけ白くなる(そのため、半化粧とも書くらしい)。夏の盛りになると元の緑色に戻る。7月の茶花。昔は「葉の白くなり加減」でその年の豊作不作を占ったらしい。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/Hangeshou.html

半夏生は、夏至から11日目(7月2日頃)で、太陽の黄経が 100 度になる日。地方によっては鯖を食べたり、タコを食べたりする。毒草が生えるから種を植えてはいけないとか、井戸に蓋をするべしとかいう話も聞く。

という話は、lizard-tail studioの名前の由来とは全く関係ありません。いえ、ありませんったら。



Daily Clipping 2001.11.01   (URL)
検索エンジンからこられた皆様、ご期待に沿えなくて申し訳ありません。
きっと、何のページなんだ?とお思いでしょうね。
ちなみにミューテックテレフォンはこっちのほうが詳しいです。


『<濡れ縁>板材が弥生時代の木棺と判明』(毎日新聞@LycosNews)
http://news.lycos.co.jp/topics/science/civilization.html?d=29mainichiF1030m152
とってもいい話。
ちなみに「濡れ縁(ぬれえん)」は軒下にある小さな木の台のこと。ええい、要するに縁側(えんがわ)です。ただし、正確には家の内側にあるものを縁側、軒下のものを濡れ縁といいます。


今日は、短め


『2001グッドデザイン賞決定』
http://www.g-mark.org/library/2001/grand/index.html
グランプリは『仙台メディアテーク』うむ、納得。

今回のノミネートや参加作品を見ていると、金融商品なんかがエントリーしてたりして「デザイン」という言葉の範囲を広げようという意識がうかがえる。なんだかとても勇気が出る。メディアテークも見栄えだけで選ばれたんじゃなくて、ああいう「場」を創り出したことへの評価が大きいみたい。


『イスラム原理主義者が寛容でない理由』(MSN)
http://journal.msn.co.jp/articles/nartist2.asp?w=80707
むむ、この文章が「イスラム」と「キリスト」を入れ替えて、読者をアラブ人に設定するとそのまま同じ論理が通ってしまうことに作者は気づいているだろうか?



Daily Clipping 2001.10.29   (URL)
旧サイトに続き、このサイトにもGoogleの波が・・・

恒例の天体画像
『太陽に突入する彗星』
http://spaceflightnow.com/news/n0110/25soho/



太陽探査機「SOHO」が捉えた、太陽に突入する寸前の彗星の画像。
なんて美しくて、悲しい映像なんだろう。じーん。



Daily Clipping 2001.10.26   (URL)
うわっと、昨日の日付間違えちまったぃ。リンクされちゃったし、放置。(石川さん紹介ありがとうございます)

「たんそ」
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/tansokin/200110/26-08.html
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/tansokin/200110/26-07.html
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/tansokin/200110/26-06.html
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/tansokin/200110/26-01.html

その昔、アメリカで核実験が空気中で行われていた頃。
「放射能を帯びた死の灰が接触するとガラスに気泡が出来る」という噂が流れたことがあった。そのとたんに、全米から「昨日までなかった気泡が突然現れた」「どんどん増えている」などという通報が相次いだという。調査が行われたが、全てが製造段階で混入した気泡だった。みんな普段ガラスごしにモノを見ているけれど、ガラスそのものはほとんど見ていなかったというお話。教訓的でしょ。

ちょっと調べていて分かったんだけれど・・・
「炭疽」と「炭疽病」は全く別な病気。混同してますねえ>>報道各社。
「炭疽」を引き起こすのは炭疽菌。「炭疽」を引き起こすのは炭疽菌。
今回のは「炭疽」。
http://idsc.nih.go.jp/kansen/k99-g52/k99_46/k99_46.html

ちなみに、炭疽はこういう病気。英名だと名前も病原菌も全くちがう。
http://www.fruit.affrc.go.jp/soshiki/budoukaki/tanso.html
農家の皆さんが迷惑を被らないことを切に願います。

これに関して言っておくと、「新型クロイツフェルド・ヤコブ病」と「クロイツフェルド・ヤコブ病」も別な病気です。後者は数は少ないけれど、珍しい病気ではない(日本でも年間100人ぐらい発病者がいる)。絶対に混同しないように。



Daily Clipping 2001.10.02   (URL)
トップページのカウンターが200を超えました、ご愛好ありがとうございます。
じつはこのページのカウントはもう400寸前なんですけどね。


『DNS Bajaj』
http://www.foobar.tm/dns/index.cgi
以前、くっちゃらくっちゃらと解説した、DNSについて
ちょっと面白いサイトを見つけた。
ドメインネームを入力すると、その名前をDNSが
相互参照している様子を地図にしてくれる。
独自アドレスを持ってる人は試してみると面白いかも。


『NASA「マーズオデッセイ」が火星の軌道投入に成功』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/10/24/mars.odyssey.orbit/index.html
めでたい。火星は鬼門だったからねえ。いや、めでたい。

実は、現在マーズオデッセイが乗っているのはかなり長い楕円軌道。これから数ヶ月かけて、火星の上層大気をかすめて速度を緩め、徐々に円軌道に移行する。これはエアロブレーキングと呼ばれる手法で、大気を持った惑星への軌道投入ではメジャーなやり方。

では、ちょっと外してこういう画像を紹介。



マーズオデッセイのチーフエンジニア、Guy Beutelschies氏。すごくいい顔してますね。
軌道投入のときっていうのは最終噴射のあと、衛星が目標惑星の裏側に回ってしまうために状態が全く分からなくなる。再度表側に回るまでの10分間は、関係者にとっては「永遠のように長い」らしい。この画像は、その「永遠の10分間」の直後の写真。そりゃ嬉しかろう。



Daily Clipping 2001.10.23   (URL)
中途半端に忙しいと更新頻度が落ちるのはなぜだろう

『NASAが居眠りバイトを募集』
http://www.cnn.com/2001/TECH/space/10/22/space.bedrest.reut/index.html
NASAが1ヶ月間ベットに寝ているという実験の被験者を募集している。
心身ともに健康な25歳から55歳までの男女で、非喫煙者。激しいスポーツトレーニングを普段していないこと、心血管筋骨の疾病あるいはヘルニアの病歴を持っていないこと、妊娠していないこと。
被験者は頭を6度下げた状態で1ヶ月ベットの上で過ごすことになる。

時給11ドル(おお、95万円近いぞ)。、1ヶ月寝っぱなし、しかも美人の(そんなことは書いていない)看護婦の介護付き。どうよ。

さて、これはもちろん長時間の無重力状態に置かれたときの身体の変化をシュミレーションするための実験。おそらく、カルシウムが骨から抜け、筋肉は衰え、一月後に自力で立てるかどうかちょっと怪しいところだ。人間の体はかなり重力に依存しているから、他にもあちこち影響が出るはず。
とはいえ、1年以上宇宙で過ごした人間もいるし、彼はいまでもぴんぴんしている。問題はどれくらいで回復するかだけれど、実は結構急速に回復するらしい。今回も拘束期間が45日だから少なくとも15日以内にはそれなりに回復することがわかっているんだろう。

でも、1ヶ月は長いなあ。宇宙旅行を夢見て1ヶ月、やっぱり長いなあ。でも95万円かあ、くらくら。


では、もうひとつ宇宙関連。
『国際宇宙ステーション(ISS)ロゴマーク日本案の募集について』
http://jem.tksc.nasda.go.jp/topics/2001/1023.html
「この度ISS計画に参画する各国の間で、ISSの存在を全世界的にアピールすることを目的に、ISSのロゴマークを作成することとなり、その日本案について、広く一般の方々から募集することとしましたのでお知らせいたします」(NASDA)

期限は今日(10/23)から1ヶ月。
* シンプルで、文字(text)や国旗を含まないこと
* 縮小/拡大に耐えるデザインであること
* カラー並びに白黒での使用を考慮すること
* 様々な用途に応じて使えるデザインであること
とりあえず応募だ!

どうでもいいが、この「きぼう(日本モジュール)」のロゴは・・・どうかとおもうぞ。
「JEMが切り拓く、未来への希望を、紙ひこうきが飛翔する姿で表現しました。赤い円は、地球・太陽・日の丸であり、バックのブルーは青空とその先に広がる無限の宇宙を表しています」いや、そうなのかもしれないけど、でも工夫っていうか、デザイン?
作ったのは「ペプシマン」「hungry?」「Yonda?」のО貫卓也氏(伏せてない伏せてない)。こんなののロゴも作ってる。むう。



Daily Clipping 2001.10.15   (URL)
お久しぶりです (^^;

『NASA日本語公式ページ』
http://www.hq.nasa.gov/office/codei/japan/index2.html
タイトルの通り、めでたい。皆の衆、ブックマークだ。
どうやらNASDAに出向しているNASAの駐日代表が作っているみたい。
がんばって下さい。心から応援します。


『タミム・アンサリー氏(作家・アフガン系アメリカ人)によるエッセイ』原文
http://www.ne.jp/asahi/hyo/tadaon/tamim-essay-j.html
「都内の地下鉄でテロが」というチェーンメールが出まわっているようだ。とてもいやな感じがする。なんとなく「関東大震災の時、朝鮮人が井戸に毒を流したという噂」の話を思い出す。
テロリストはムスリムだったかもしれないけれど、ムスリムはテロリストではない。ぼくらは、街ですれ違うアラブ系の人々を以前と同じように見ることが出来るだろうか?いや、おそらく無理だ、理性ではわかっていても全く同じではないだろう。とてもじゃないが「大丈夫」と胸を張ることはできない。少なくとも、ぼくはそんなに強い人間ではない。

ぼくが感じているのは「テロに対する恐怖」ではなく「自分がテロリストになってしまう恐怖」のほうだ。敢えていえば、無意識のテロリスト。

自分の無意識に強烈なバイアスがかかっている。それは分かる。意識は出来ないが想像はできる。でも、それをコントロールするのは不可能に近い。かろうじてできるのは、自分がそういうとても危険な状態にあるということを忘れないでいることぐらいだろうか。とっても、不安だ。



Daily Clipping 2001.10.09   (URL)


「サービスをご利用のみなさまへ - 利用規約」(Yahoo!)
http://www.yahoo.co.jp/docs/info/terms/
7.Yahoo! JAPANに送信(発信)されたコンテンツについて
Yahoo! JAPANには掲示板など、ユーザーのみなさまが送信(発信)したコンテンツを不特定多数のユーザーがアクセスできるサービスがあります。このような不特定多数のユーザーがアクセスできるサービスに対してユーザーがコンテンツを送信(発信)した場合、ユーザーはYahoo! JAPANに対して、当該コンテンツを日本の国内外で無償で非独占的に使用する(複製、公開、送信、頒布、譲渡、貸与、翻訳、翻案を含む)権利を許諾(サブライセンス権を含む)したものとみなします。また、ユーザーは著作者人格権を行使しないものとします。
なお、この条項は、他のユーザーに対してYahoo! JAPANが当該コンテンツの使用許諾をすることを約束するものではありません。


あちこちで話題になっているのでいまさらという気もするが、あまりにも腹が立ったので全文引用する。ふざけるんじゃないよ、何様のつもりなんだ?バス会社が「バスに乗ったやつのモノは全部ウチのものだぁ」と宣言してるようなものだぞ。(今やYahoo=Geocitiesなのをお忘れなく)

おさらいをしておくと・・・。

著作者人格権
著作者の人格的利益の保護を目的とする権利であり、以下の3つからなる。
同一性保持権:
著作物や題号の同一性を保持し、変更、切除その他の改編を著作者の意に反して行われない権利
公表権:
未公表の著作物を公表するかどうか、及びその時期、方法を決定する権利
氏名表示権:
著作名を表示するかどうか、及びどのような著作者名を表示するか決定する権利

ようするに、Yahooのサービスにアップされたものは、改変されても文句は言えず、勝手に公表されても文句は言えず、著作者名を削除されても文句は言えない、ってことです。

しかも、その少し前にはこういう条項がある。

ユーザーのみなさまがYahoo! JAPANサービスを媒体として他人に掲載、開示、提供または送付するコンテンツに関する責任は、ユーザーのみなさま自身が負います。Yahoo! JAPANはユーザーのみなさまに代わって責任を負うことは一切ございませんし、ユーザーのみなさまがサービスを媒介として他人に掲載、開示、提供または送付されるコンテンツを管理したり、その内容の信頼性、真実性、適法性を保証したりすることは一切ございません。

著作人格権を放棄させられつつ、責任は負わされるわけね。

Yahooのサービスは2度と使わん!



Daily Clipping 2001.10.03   (URL)
ちょっと反省して、今日は普通に

『本物に変身する人工骨を開発 東京医歯大など』
http://www.asahi.com/science/news/K2001100203005.html
体の中に埋め込むと、やがて本物の骨に置き換わる。そんな画期的な人工骨素材を、東京医科歯科大(四宮謙一教授)と物質・材料研究機構(田中順三主幹研究員)のチームが初めて開発した。病気やけがの治療に幅広く役立ちそうだ。(asahi.com)

うぁお、すげー。拒否反応が起きないどころの騒ぎじゃないねえ。
えー、こっちの記事(LycosNews)に理屈が書いてある。
「破骨細胞が人工骨を吸収する一方、骨芽細胞が周囲に新しい骨をつくり、新しい骨に完全に置き換わる」なるほど、要するに代謝されちゃうんですね、普通の骨と同じように。

骨が成長するのは子供の頃だけかと思っていたら、人間の骨は成人後も3ヶ月から5ヶ月サイクルで新しい骨が作られていて、3年強で全身の骨が入れ替わるらしい。ここに書かれている破骨細胞というのはその名の通り古い骨を分解する細胞で、骨芽細胞と書かれているのが作るほう。

でも、なんで、正しい骨の形が再生されるんだろう?破骨細胞が溶かした分量だけ
ちゃんと骨芽細胞が元に戻せるのはどういう仕組みなんだ?いや、まだ自分の骨なら分かるような気もするんだけど、人工骨でもちゃんと再生するっていうのは何でかな?骨芽細胞が骨を作りすぎたりしないんだろうか?うーむ。


とおもって、ちょっと調べてみたら「大理石病」という病気があるらしい。これは逆に「破骨細胞がほとんど無い」という病気。つまり、破骨細胞が古い骨を溶かさないため骨の代謝が起こらない。先天性で、実際には身長が伸びず、骨折が多くなり、骨が神経を圧迫するため痛みを伴ったり麻痺がでる。多くの場合は幼小児期に死亡するという大変な病気。
http://www.hiroshima-u.ac.jp/Committee/forum/29-5/photo.html
これは研究用の「大理石病マウス」


ををを、ジャズピアニストのミシェル・ペトルチアーニがこの病気だ。吃驚。テレビで1度見たきりだが、そういえばかれはペダルに足が届かず補助具を使っていた。演奏?演奏はハンディキャップの話をしている自分が恥かしいぐらいに素晴らしかったです。1999年に36歳の若さで亡くなっている。


なんとなく気になったのでMichelPetruccianiTorioの『Torio In Tokyo』を買ってきた。何というか、とても気持ちよさそうにピアノを弾く人だなあ。音と戯れているみたいな感じがとても心地いい。ソロ作品も買ってこようっと。



特別篇『インターネットって何?:DNSとルーティング篇』   (URL)
長くなりすぎたので切り分けることにした。シリーズなのか?

“危機の際、ルーティングは動く。だがDNSは動かない”LC2001 村井純教授がキーノートスピーチ
http://linux.ascii24.com/linux/news/today/2001/09/27/629992-001.html
日本のインターネットのお父さんがLinuxカンファレンスで「おめーら、DNSをつくれ」と吼えた、という話。さすがお父さん、かっこいいなあ。IPv6でインターネット自動車っすか。お父さん的には、OSはやっぱりLinux or BSDすか、○RONじゃなくて。


さて、冗談はさておき、教授が「ルータはいいからDNSを作れ」といった意味をあらためて考えてみよう。これは、インターネットとは何か、という単純かつ深遠な疑問に関係することだ。なにしろ、お父さんの言うことだからね。かなり長くなるけれど、やってみることにしよう(調べながらなのでいまいち不安だが)。まず、「DNSって何?」から。


■DNS(ドメインネームシステム)■
DNSサーバというのは平たく言うと、ネットワーク上で「郵便番号」を「住所表記」に変えているサーバのこと。インターネットの設定で「ドメインネームサーバがうんたら」みたいな項目があったでしょ、いや、あるんだって。
本来インターネット上のノード(サーバやルータ)は192.168.1.1.10みたいな数字(IPアドレス)で管理されている。これをメールアドレスだとかWWWのURLだとかに変換しているのがDNSサーバ。こいつが落ちると、メールは届かないし、WWWにはアクセスできないしでとっても困る。

もちろん、一台に全てのアドレスが入っているわけではなく、階層化されていて、あるDNSは自分の受持ち範囲だけを管理し、それ以外のものは上の階層に聞きにいくようになっている。たとえばwww.yahoo.co.jpならば、まず大元のDNSに「"jp”って何処?」と聞きにいく。次にそこからjpを管理しているDNSの場所を聞いて、jpのDNSに("co"ってどこ?)と聞きにいく・・・こうやって順番に解決していくわけですな。

例えば、PCの中の「C:jp\co\yahoo\www\index.html」というファイルを想像してもらえば分かりやすいだろうか、Cドライブ(いや、別にMacintoshHDでもいいんだけどね)を見に行けば、jpとかcomとかが並んでいる、jpをひらいて中を見るとcoとかorとかacとかが並んでいる・・・こうやって管理されていて、各DNSは自分のディレクトリだけを管理しているわけ。もちろん、各階層のDNSは一台じゃなくて、複数が連携し合って負荷を分散している。

ただし、毎回全部上から聞いているわけじゃなくて、よく使われるアドレスは覚えていて、上のほうまで聞きに行かずに手前で済ませることのほうが多い。「ああ、jpならしってる、coも知ってる、yahooって何処よ?」ってことになったときに始めてcoを管理してるDNSに聞きに行くわけ。

ちなみに、さっき言った大元のDNS(jpが何処にあるかを管理しているDNS)は世界に13台しかない。少ないからリストにしてみようか。

・米Network Solutions社 (2台)
・ネットワーク管理団体IANA
・ヨーロッパのネットワーク管理団体RIPE-NCC
・米PSINet社
・米ISI(Information Sciences Institute)
・米ISC(Information Software Consortium)
・米Maryland大学
・米航空宇宙局(NASA)
・米国防総省
・米陸軍研究所
・ノルウェーのNORDUnet
・日本のWIDEプロジェクト

こうやって検索していって、www.yahoo.co.jpがどんな番号かを特定する。さて、これで電話番号は分かった。次にどうやって電話を掛けるかですな。


■ルーティング■
実はIPアドレスも階層化されていて、頭のピリオド三つまでがネットワークのアドレス、その後が個々のノードのアドレスになる。ま、市外局番とその下の相手の局番みたいなものですな。で、DNSと同じように自分の下にぶら下がってるものはそのネットワークサーバが管理するので、いちいち個々のサーバを探さなくてもネットワークのサーバに送りつければあとはそのサーバが面倒を見てくれる。

ただ、当然ながら一台のサーバから全てのサーバに向けて1本づつ回線があるわけじゃないから「どの道を通るか」が大問題になる。電車に乗るときを想像すれば分かりやすい。ひとつの駅から全部の路線がでているわけじゃないから途中で乗り換えなきゃいけない。

さて、あなたが行くなら話は簡単、路線図を見ればいい。でもネットワークで送られる情報は自分では判断できないから(行き先が書いてあるだけ)、乗換駅で世話をしてあげなきゃいけない。要するに、行く先々にメーテルがいるわけですな「次はあの電車に乗りなさい、鉄郎」。そして次の乗換駅につくと「次はあの電車に乗りなさい、鉄郎」・・・これを繰り返しているうちに目的のネットワークにたどり着く。

さて、"メーテル"の本当の名前は「ルーター」という。で、全てを知っているようにみえるけれど、実は彼女が知っているのは路線図ではなく「どっちが近いか」だけだったりする。そして、この「どっちが近いか」が書いてあるのがルーティングテーブル(経路表)というリスト。実際にはこんな感じ。

B 202.244.62.0/24 [200/0] via 165.76.30.5‚ 2w1d
B 202.48.250.0/24 [200/0] via 165.76.30.5‚ 2w1d
B 202.236.39.0/24 [200/0] via 165.76.30.5‚ 6d03h
B 203.24.210.0/24 [20/0] via 154.33.3.197‚ 1w4d
B 202.242.57.0/24 [20/0] via 154.33.3.197‚ 4w4d
B 203.7.206.0/24 [20/0] via 154.33.3.197‚ 2d06h

細かいことは抜きにして、簡単に言うと右側の202とか203で始まっているのが「目的のネットワーク」、左側の165とか154とかで始まっているのが「お隣のサーバ」。要するに目的地に近いのはどっちの方か、が書いてある。
ちなみに、ここには5行しか書いてないけれど、実際には6万行近くある。

もちろんこのルーティングテーブルはルーター間で相互に参照して常に更新されているが、当然リストに無いことだってある。どうするか?はい、ご想像の通り「とりあえず、ここに送っとけば何とかなるサーバ(デフォルトルート)」がそれぞれのルータで設定されている。分からなければとりあえずそこに送るわけ、そこで解決しなければ次へ送る、どんどんたらい回しにして、見つけたところからまたルートを作る。

あえて誤解を恐れずに言えば、要するにインターネットっていうのはこのルーティングテーブルのことだ。誰一人全体像を知らず、各人はとりあえず隣のことだけを知っていて、情報を隣に渡すことだけを考えている。そういうネットワーク。見てのとおり「ぐるぐる回っていれば、いつかは着くでしょう」というポリシーで運営されている。

さて、ドメイン名からIPアドレスを検索し(逆もあるが)、IPアドレスにしたがってデータを転送する。これが、あなたがメールを送るたびに、URLをクリックするたびに世界中で起きていることだ。


■まとめ■
さて、お父さんの「ルータじゃなくてDNS」のセリフに戻ろう。
これまで見てきたようにDNSはツリー構造、ルーティングシステムはネットワーク構造を持っている。ルーターはたとえいくつかが壊れても、完全に孤立しない限りデータを転送することができる。だって、とりあえず隣に投げとけばいいんだから。でも、DNSの場合はツリー構造をしているために、上位階層がだめになると下位の階層が共倒れになる可能性が高い(もちろんキャッシュシステムや代替のサーバがあるから壊れる即ダメではないけれど)。しかも当然ながら上位になればなるほど数が少ない。確かに、危機管理的には非常に不安があるやね。

ドメインネームシステムが名前とIPの照合をしている以上、このツリー構造は崩すことが出来ない。だとすれば、安全確保のためには同階層のサーバの数を増やして極力分散化させるしかない(まあ増えすぎても同期取るのが大変だけどね・・・、あ、そうか同階層のサーバ間でメーテルがいればいいんだ)。

だから「ルータはいいからDNSを作ろう」なわけですね、お父さん。あってます?


あー、長かった。次回は・・・まあ、そのうち。



Daily Clipping 2001.10.02   (URL)
最近ちょっとさぼりぎみっすね。

久しぶりに画像系。綺麗なわけでも、かわいいわけでもないけどね。
『A Water World on Mars?』(Scientific American)
http://www.sciam.com/news/120500/1.html
さて、火星軌道上から撮影されたこの画像には「かつて火星が水に溢れていた証拠」が写っているという。分かる?



谷間の底にうっすらと積もっている堆積物は水で運ばれたものに違いない、ということらしい。なるほど、でもそんなこといえば、周りの段差だって河岸段丘に見えるよねえ。サイズもちょうど大型河川クラスだし。



Garbage Collection 2000.09.28   (URL)
『Copyrights Resigned』

趣味で開発している掲示板のサポートサイトをこのサーバに移設した。これはずいぶん昔からちまちまと作っていたもので、稚拙で余り人に見せられるものではないのだけれど、思うところあって公開している。

「自分のサイトに掲示板をつけたい」と思ったとき、既存の掲示板を使おうと思っていろいろ調べたんだけど、どれも「改変しちゃだめ」とか「これはいいけどこれはだめ」とか「変更したらメール下さい」とかなにやらめんどくさいことが書いてある。Perlの勉強もかねて掲示板をいじって遊びたいと思っている身にとっては、ちょっと二の足を踏んでしまうものばかりだった(まあ、規定通りにすればいいだけなんだけどね)。それで、いっちょ自分で作るか、ということになった。

自分がプログラムを勉強するにあたって、いろんな人のいろんなプログラムを見て参考にさせてもらったし、とても勉強になった。これは、オープンソースの本当に素晴らしいところだとおもう。とてもお世話になったから、恩返しがしたくなった。でも、いまどき掲示板のプログラムごときを公開したところで恩返しもクソもあったものじゃない。じゃあ、どうすればいいだろう?

たとえば、誰かがぼくが感じたほんのちょっぴりの窮屈さを味わわないですむならば、こんな稚拙なプログラムでも公開する意味があるかもしれない。それがこのプログラムをこんな形で公開した理由だ。

コピーも改変も自由。クレジットの義務も改変履歴の義務もない。作者に連絡する必要ももちろんない。極端な話、あなたがプログラムをコピーして一切変更せずに作者名だけ書き換えて一万円で売り飛ばしても、ぼくは文句をいうつもりはない(まあ、そんなことをしても誰も買わないけどね)。

現行法では、著作権は放棄することができない。堅苦しい話だ。じつはオープンソースのライセンスであるGPLも著作権放棄ではない(あれはあれで細かい規定がある)。これは、作ってしまったものには必ず責任を持たなきゃいけないということだろうか?でも作ったものに責任を持つことと、製作物を著作権で縛ることは別な問題だとおもう。

というわけで、公開しているプログラムは著作権を放棄した(法的にはできないが本人がいいって言ってるんだからOK)。ただし、一つだけ留保させてもらった権利がある。それは、ぼく個人がこのプログラムを使う権利だ。誰かがこのプログラムをコピーして著作権を主張したときに、ぼくがこのプログラムを使えなくなるととっても困る。だから

「jsBBSの名前の下に使用される場合において、その使用を制限するいかなる行為もこれを行わないでください」

という「お願い」を書き加えた。もし、あなたが著作権を主張したくなったら、プログラムの名前を変えればいい。もちろん「お願い」であって法的な拘束力は全くないから、やろうと思えば誰でもできる。そうなったら、まあ、あきらめて新しい奴を作ることにしようか。



Daily Clipping 2001.09.26   (URL)
なんだかものすごく久しぶりな感じだなあ。

『ロボットシステム『ゼウス』で大西洋を越えた遠隔手術に成功』
http://www.hotwired.co.jp/news/news/20010925307.html
ニューヨークにいる外科医チームが、遠隔操作のロボットを使ってフランスにいる患者の手術をした。この種の手術でこれほどの距離を隔てた例は、世界で初めてと見られている。(HotWired)

この「ゼウス」は確かこの手のシステムの中では最も導入が進んでいるものだったはず。遠隔ではない事例(同じ手術室内に執刀医とシステムを入れる)ならばもう数百件のレベルだったと思う。ロボットシステムと書くと、なんだか自律して動いてるみたいだが、基本的にはマジックハンドと同じで操作する人間がする以上のことはやらない。ただ、手元の動きを何倍かに拡大(あれ、縮小かな)して伝えるから、普通にメスを握るより細かい動きができる。

「手ぶれを少なくする、きわめて細かな動作ができるようにする、長時間にわたる手術の間も座っていられる」開発者が述べるこの3つのメリットはとてもすばらしいものだし、どんどん導入されてしかるべきだと思う。

「ロボット手術システムは、第三世界や戦場、さらには宇宙ステーションなどの遠隔地で専門医療を提供するために利用される、というのが専門家の見方だという」

でも、これはどうだろう。機械のバックアップシステムは究極的には人間がやらなきゃいけないはず。だとすると現地にも手術をこなせるだけの人間がいる必要があるんだよね。だって停電したらどうするの?フランス・テレコム社のサーバが落ちたら?これは、回線を二本用意するとか、ロボットを2台用意するという問題じゃない。こういう重要なシステムのバックアップはまったく違うシステムを用意しないと意味がない(同じシステムは同じ原因で止まる可能性があるから)。この場合は当然人だ。これは、技術が進めば大丈夫ってものでもないはず。

そうでなくても、システムをセッティングし、手術室の環境を整え、患者に麻酔をかけ、適切な前処理と後処理をする必要があるし、術後の経過だって診断する必要があるはず。こういうシステムが必要とされている場所で、これだけの事をちゃんとやれる環境を整えるのはかなり大変じゃないだろうか?

この遠隔治療はデモンストレーションとしては素晴らしいし、ある特定の状況下では役に立つものだと思うけれど、基本的にはその場にいる人間の教育をする方が先決だと思う。そう、僕が問題にしているのは「第三世界」の話だ。たとえば、「第三世界」での遠隔システムの導入が現地の技術力の低下を招かない保証はない。「第三世界」→「医者が足りない」→「遠隔治療」わかりやすいが、根本的な解決には程遠い(なんか「空回りのODA」を思い出すねえ)。重要なのは依存を創り出すことではなく、自立を促すことのはず。だからってほっておくこともできないし、わかっちゃいるけど、難しいなあ。

さて、一台約一億円。安いと見るか高いと見るか?



Garbage Collection 2001.09.24   (URL)
お久しぶりです(^^;

ええ、更新しなかったのは、linuxで遊んでいたからです。

Librettoが壊れてしまったため、新しいNotePC(ThinkPad s30)を手に入れた。
なんて広いんだ、画面もキーボードも・・・。いつものようにLinuxをインストールして、環境を整えてアプリをを入れる。CAD(QCad)と3D統合環境(Shade for Linux)、レンダラー(POV&MegaPOV/LightFlow/BMRT/3Delightなんてのも)、開発環境(Forte/Kylix)。あとはXplns(天文ソフト)とか・・・。

CADと3Dソフトは舞台美術の仕事用(日本で数少ないLinux上で図面を引く舞台美術屋ですな、まあ「安い」ぐらいしか意味は無いけど)。レンダラと開発関係は遊び用(これはちょっと悪巧み中。「汎用レンダリングエディタ」って書くとニヤッとする人もいるかもしれない、とりあえず勉強がてらPOV用エディタをJava/Linuxにポート中、だってLinxu版はGUIが無いんだもの)。ちなみに、サラリーマン用はWINにOFFICEで必要十分。どうせほとんど使わないし(プレゼンとおうちで宿題の時ぐらいやね)。

よく聞かれるけれど、はっきり言ってLinuxはパーソナルユースには勧めない。WEBやメール、ワープロや表計算、3Dを含むお絵書き関係。音関係。どれもMacやWinのほうがずっといい。Linuxなんてインストールはめんどくさいし、使い方はよく分かんないし、GUIのインターフェイスはダメダメだし。OSは安定しててもアプリが不安定だったりするしねえ。

僕がLinuxを使っているのはWindowsが大嫌いなのとLinuxが好きだからだ。Winが嫌いなのには特に理由は無い(あえて言えば顔が嫌いだ)。Linuxが好きな理由は・・・難しいな、ちょっとやってみよう。

Linuxは実はOSの名前ではなくて、あるインフラの名前だと思う(あえてコミュニティとは呼ばない)。それがWindowsとの一番の違いじゃないだろうか。情報と人が行き来し、独占よりも開放が、金銭よりも名声と感謝が重視されるインフラ。コミュニティという意味ではMacと少し似ているがAppleという中心はLinuxには無い(LINUSとユーザーとの関係はもっと希薄だ)。Linuxというインフラの上で、開発者もユーザーも各人が好き勝ってにふるまい、良くも悪くも混沌状態を作っている(ちなみに、BSDなんかはもう少し安定感がある)、そんな印象。

そしてこの混沌はかなり居心地がいい。各人はとりあえず周辺10mぐらいと折り合いをつけながら自分のやりたいことをやっている。100m先のことはとりあえず考えない。それはきっと90m先の奴がやってくれるはずだし、ぼくらはそんなことを気にしているほど暇じゃない。

たとえば、アプリケーションが動かないのは作った人のせいじゃない。作った人のところで動いているなら、動かないのは使っている人のせいだ。自分がどういう環境でそのアプリケーションを動かそうとしているのか? 何が原因で動かないのか? 一つ一つ検証して、手直しをしてなんとか動かす。じゃなければ諦める。動いたら「そのままじゃダメだったけど、こーしたら動いたよ」と教えてあげる、「ありがとう」と返事が帰ってくる。なんとなくうれしい。

効率が悪く、使い勝手が悪く、不安定な上に、統一感も無い。ビジネスユースならWINのほうがいいし、絵を書いたり音を鳴らすならMacを勧める。サーバならBSDのほうがいいんじゃないかな。でも、ここは居心地がいい、いってみればスーパーマーケットではなく、裏通りの市場。喧騒があり、雑多な香りがしていて、怪しい闇がある。愛想は無いが人々はおおむね好意的。悪い奴もいるが、それは表通りもおなじこと。

自分の責任は自分で取る。人に物を教わったら「ありがとう」という。いいものを作った人にはちゃんと拍手をする。たったそれだけで成り立っている世界もある。ここは、そういうところだ。

Do it yourself at your own risk !


*検索エンジンから来た人にサービス:Linux on ThinkPad s30 (2639-45J)
インストールはD2Dリカバリが使えるのでFDISKでフォーマットしてパーティションを切っておいて、F11起動でC:にWinを戻せます。私はPCMCIA用のイメージ作って純製品のFDで起動しPCカードのCD-ROMからインストールしました。ちなみに、純製品はCDもFDもUSB接続なのでブートは出来てもそこから先にはいきません。XはビデオチップSMI Lynx3DM、Genelic LCD 768X1024 、ビデオメモリ2M、16ビット768X1024で問題ありません。音関係はALSAで行けるようです。あ、ディストリはVINE2.1です(慣れてるもので・・・)。
最大の不具合は、LINUX上からはサスペンドさせることが出来ないことでしょうか。$apm -sで落ちはしますが復帰しません。$apm -SでLCDを落すことは出来ますがHDは止まらないのでちょっと困りものです。ま、起動時のサービスを極力削っておけば起動もそれなりに早いので、毎回電源を落してもあんまり気になりませんけどね。




Daily Clipping 2001.09.18   (URL)


『NASAの宇宙望遠鏡に名前をつけよう』
http://sirtf.caltech.edu/namingcontest/
NASAが2002年7月に打ち上げ予定の赤外線観測衛星の名前を募集している。応募には名前と250word以内の説明が必要で同サイトからエントリーができる(もれなく証明書がダウンロードできる)。締切りは12月20まで。ちなみに、最優秀者はNASAに招かれ、打ち上げを見学できる。

おお、これはぜひ応募せねば。意外に日本語の名前なんかがいけるかもしれない(応募要綱の中でも日本のYohkoh(ようこう)が紹介されていたりする)。なんかいいのがないかなあ。

命名に際しての注意事項は以下の通り

(1)衛星の名前は単純で発音しやすいものにしてください。

(2)衛星の名前は人の名前である必要はありません。ただし、人の名前を提案する場合はNASAの慣習に乗っ取り故人の名前を使用してください。

(3)衛星の名前には国内国外にかかわらず、現在あるいは計画中の天文台の名前は使用しないで下さい。

(4)衛星の名前には、進行中のNASAの飛行プログラムで使用される言葉が含まれないようにしてください(例:エクスプローラー、ディスカバリー、ナビゲーターなど)



Daily Clipping 2001.09.14   (URL)
移転してもやることはおんなじ・・・。

『2001グッドデザインノミネート』
http://www.g-mark.org/announce/01.html
部門を考えずに独断と偏見で選ぶなら、以下の二つ、偏ってるなあ。
どちらかというと、デザイナーの「心意気」が好きなので・・・
『3方向衝撃加速度記録計/TG-301』
『日本科学未来館のサイン計画』
次点はこれかな
『せんだいメディアテーク』
『留守番電話器/ミューテック、テレフォン610』
先進性だけじゃだめだと思います。○リメーラとか、○リメーラとか、○リメーラとか。


へえ、審査をストリーミングするんだねえ、意味あるのかな?
http://www.g-mark.org/announce/stream.html


diaryはこのページに統合されたんです。ええ、実は。

宮田律『現代イスラムの潮流』集英社新書(bk1)
学生時代にイスラエルに行ったことがある。ガザ地区の小学校の校長室にかがげられていた、パレスチナ札とその学校の前で起きた「虐殺の写真」が忘れられない。彼らは「君がTVの中で見る俺達はいつも悪者だろう、でも、僕らが石を投げるのにも理由があるんだ」といいながら、あちこちを案内してくれたのを思い出す。

テロを喜ぶ彼らを見て、ああまたか、と思う。彼らはやっぱりTVの中では「悪者」なんだ。

あの映像を見て考えるべきなのは善悪ではなく、彼らが誰でなぜ喜んでいるのかと、なぜTV局のクルーがあの場面を流したのかのほうだ(捏造説もあるけどね)。

「日本に行ったら、ラブホテルがいっぱいあった。日本人はスケベだ、汚らわしい」そういわれて、そのとき僕は反論ができなかった。いや、そうじゃない奴もいるんだ、この言葉はあまりにも空しい。

正しいか間違っているかではなく、誰にとって正しく、誰にとって間違っているかを考えたいと思う。少なくともアメリカのTVはアメリカにとっての真実しか写さない。それを決して忘れるべきじゃない。同じように、日本の新聞には日本人にとっての真実しか書かれていないはずだ。どちらかが正しいわけではなく、あえていえばどちらも正しい。

テロリストにも理があるとは決していうつもりはない。でも理由はあるはずだ。

真実は沢山ある、おそらく人の数だけある。僕らはあらん限りの想像力を尽くして、自分の真実を選び取る。でも、それはいつも自分にとっての真実でしかないし、目の前にいるあの人だってそれは同じはずなんだ。



Daily Clipping 2001.09.13   (URL)


『テロ事件直後のマンハッタンの衛星画像』(SpaceFlightNow)
http://spaceflightnow.com/news/n0109/12spotwtc/

Credit: CNES/SPOT Image 2001
2機の旅客機が突入してから3時間後の赤外線画像。
煙の中心に2箇所の火災が見え、広範囲にわたって、ちりが積もっているのがはっきりとわかる。

別な衛星(ICONOS)から写された自然色のもの(Space Imaging)
http://www.spaceimaging.com/newsroom/attack_gallery.htm
ここに掲載されているものの方が、トリミングされていて見やすい。
http://www.globexplorer.com/disasterimages/index.html
※SpaceImageingの権利の関係から、画像直リンクは控えます。


『世界貿易センタービルはなぜ崩れたのか』(CNN)
http://news.bbc.co.uk/hi/english/world/americas/newsid_1540000/1540044.stm
貿易センタービルが崩れたのは建物に欠陥があったからではなく、飛行機から漏れた航空燃料が発火して高温になり、ビルのフレームを溶かしたため。旅客機が突入したにもかかわらず、ビルは1時間以上持ちこたえることで何千人もの人々の命を救った。「ビルの構造の完璧さが、多くの人々の命を救ったのです」

貿易センタービルはビル中央に太い鉄筋コンクリート製の柱が通っており、金属製の梁で各フロアが支えられていた。ジェット燃料の発火は800度に達し、床を支える梁を溶かし、さらに柱の中の鉄筋を溶かしてコンクリートをグズグズにしたはず。

数階分のフロアが崩れ、中央の柱がそこから上の階の重量を支えきれなくなり、一気に崩壊が進んだと思われる。テレビの映像などを見ると上部の階が下の階を押しつぶしながら崩壊する様子がよくわかる。



サイト移転&リニューアル   (URL)
これからも、よろしくお願いします。

Daily Clipping 2001.09.11   (URL)
あちこちで話題になっている『落語検索エンジン「ご隠居」』素敵。

『米、引力爆弾を研究?』
http://www.excite.co.jp/News/world/story/?nc=KOKU-0908-03&nd=20010908023537&sc=in&dt=20010908
米国が、ニュートンが発見した「引力」を利用した新型高性能爆弾の開発を研究している可能性が浮上している。軍事ジャーナリスト、ニック・クック氏が六日発売の自著「ハント・フォー・ゼロ・ポイント」で明らかにした。同氏は、英高級紙タイムズや国際的軍事専門誌ジェーンに度々寄稿している専門家だ。クック氏によると、この爆弾の製造理論は、引力の中にある「ゼロ・ポイント・エネルギー」は核兵器を構成する要素より、さらに微小で千倍もの強力なエネルギー源を持つとの仮説に基づいている。(産経新聞:exicite)

めちゃくちゃ胡散臭いやん、この人。UK-YahooNews見ると、「ナチスがひそかに開発していたUFO技術が反重力でアメリカの秘密内緒兵器が秘密だった」みたいな感じだぞ。
http://uk.news.yahoo.com/010907/80/c3adi.html
ニュースソースは何処だ、産経新聞。ちょっとは調べようよ。


昨日のネタに関連して、また脳味噌の話。ま、短めに。
『心はサイコロ遊びをするか?』
http://www.nature.com/nsu/010913/010913-7.html
脳の中で、同じ刺激に対してある神経細胞がランダムに反応しているのが観察されたというニュース。人間の意思決定や創造性に大きく関与している可能性がある。(Nature)

なんとなく、「意志」という奴は、行動の後付けなんじゃないかと思うことがある。なんらかの意志決定しているとき、僕らはそんなに論理的に考えたりしているだろうか?なんとなく行動し、後からそれに理由をつけたりしていないだろうか?

記憶というものがとてもあいまいで、事実や体験をも歪めてしまうことはよく知られたことだが、そういう「自分自身に対する騙し」が「意志」にも潜んでいるような気がする。「あのとき私は確かにこう信じて行動した」このセリフを本当に自信を持って述べることができる局面がどれくらいあるだろう?この、ランダムな反応を見せる神経細胞というのは、脳の物事の決め方の本質部分なのかもしれない。

「理屈なんてぇのは、後からついてくるもんよ」



Daily Clipping 2001.09.10   (URL)
せっかくタイトル欄があるのに、でいりーくりっぴんぐ、しか書いてないねえ。

まずは、フォローから
『英国の子どもたちが地震を起こすためにジャンプ』毎日新聞
http://news.lycos.co.jp/topics/science/earthquake.html?d=08mainichiF0908e007
全英の学校で7日、約100万人の児童・生徒が参加し、人工的に地震を起こす実験が行われた。午前11時(日本時間同日午後7時)から1分間、校庭などでジャンプを繰り返し、大地を揺り動かそうと試みた。実際に地震が発生したかどうか、分かるのは2週間後になるという。

以前紹介した、これですね。しまった忘れてた。ちぇっ、飛びそこなったよ。

試算ではマグニチュード3ぐらいになるという。おお、けっこう揺れるんだねえ。
ちなみに、マグニチュードというのは地震の規模を表す単位。震度とはちとちがう。簡単に言うと、小さな地震でも震源地に近ければ震度(揺れの度合い)は大きいし、大きな地震でも震源地から遠ければあまり揺れない。じゃあ、地震そのものの大きさは?っていうときに使うのがマグニチュード。阪神淡路震災の原因になった兵庫県南部地震はM7.2。(混乱を招く豆知識:英語では星の等級もマグニチュードという)

この実験だと、「震源地」がイギリス中に散らばっていることになるから、どういう結果になるんだろう?本来、マグニチュードは「地震計の最大振幅の対数の値に震央からの距離や深さで補正をかけたもの」のはずだから・・・。まあ、2週間後の結果をわくわくしながら待ちましょう。わくわく。


『タコの足は考える』(NationalGeographic)
http://news.nationalgeographic.com/news/2001/09/0907_octoarm.html
タコの腕は中枢の脳で全てがコントロールされるのではなく、脳の命令にしたがって「自ら考えて」動くらしい。えーと、喩えていえば、タコの腕は8本ともそれぞれ脳を持っていて(というか脳みたいな腕を持っていて)、中心の脳が「あのえさとってこいや」というと、「はいはい」といいながらいわれた腕が自分で取りに行く、という感じだろうか。

どうやら、腕がパターン化された動きを知っていて、脳はメタレベルの命令だけを出しているということらしいんだけど・・・どうやって腕同士が協調するんだろう?むむむ。

さて、『そもそも「考えている」というのは何を持って考えているとするか・・・』と始めるといつものパターンにはまりそうだなあ。でも、やってみよう。

人間に限らず、生物が脳で「考えている」というのは、ある意味間違っているんじゃないだろうか?中枢神経系という名前が示すとおり脳というのは全身の神経ネットワークの中心部ではあるけれど、全てではないし、「反射」の例を出すまでもなく脳以外でも処理は行われている。

生物の動きを情報処理になぞらえて「入力」「処理」「出力」「フィードバック(入力に戻る)」というプロセスで考えるのはサイバネティクス以来、ロボット工学の伝統だけれど、本当に全部脳が処理しているんだろうか?なんとなく、ちょっと信じられない。

本当に、センサーからの入力をコンピューターが処理してモーターの動きを制御するように、脳味噌は腕を動かすんだろうか?視覚や触覚の情報を常にフィードバックさせながら、距離を測り、腕を伸ばし、コップをつかむ。うーん、なんだか、もっとあいまいに事を進めているような気がするんだけどなあ。

たとえば、人間がロボットみたいに発振(足を着いたり、手を伸ばそうとして距離を測りながらぶるぶる震えたりするやつ)しないのは何故だろう。

これは、なんの検証もしていないし、とても個人的かつ無責任な考えなんだけれど、例えば、この「入力からフィードバックまで」のプロセスが脳だけじゃなくて、全ての関節レベルで起こっていたりしないだろうか?指の第1関節の動きが第2関節でフィードバックされ、第2関節の動きが第3関節でフィードバックされ・・・って感じでぐるぐる回っていたりしないかなあ。要するに手首から先のことはある程度手首が考える、指の付け根から先のことはある程度指の付け根が考える、指の関節から先のことは・・・ってことなんだけど。で、脳味噌は「なんとなく全体のこと」を考えてる、とかね(なんだかエージェント指向っぽいな)。

なんにしても、「考える」という行為が、情報の入力と出力の極めて複雑な相互作用から成り立っている以上、「考える」ことを全て脳に依拠するのは難しいんじゃないかなあ。そういう意味では胃袋だって「考えている」かもしれない(ま、言葉遊びだけど)。

やっぱりワンパターンだねえ。



Daily Clipping 2001.09.07   (URL)
なんだか、中途半端に忙しい

『「人工知能は人間の知性を超える」――ホーキング博士,コンピュータの未来を語る』
http://www.zdnet.co.jp/news/0109/05/e_hawking.html
「ホーキング,宇宙を語る」で有名な英国の科学者,スティーブン・ホーキング博士が「人工知能(AI)は飛躍的に進化しており,人類がこれに対抗するには遺伝子操作が必要だ」と語った。
9月1日に発行されたドイツの雑誌「Focus」に掲載されたインタビューで,ホーキング博士はコンピュータ技術がますます高度になっており,将来的には人類の知性を超えるだろうと語っている。同氏は遺伝子改造が,DNA構造をより複雑にし,人類を「改良」できると認めている。(ZDNN)

Dr.ホーキング、私はあなたが世界で一番有名な「サイボーグ」だと思っていたんですが・・・。

「われわれ人類の知性とは対照的に,コンピュータの性能は18カ月おきに2倍になっている。コンピュータが知性を持ち,世界を支配するという危険は現実のものとなっている」

ロボットについてはここに書いたし。知性についてはここに書いたので、詳しく述べるのはやめておこう。

この欧米のAI恐怖症はやっぱりキリスト教の影響だろうか?AIに対抗する必要が何処にあるんだろう?車と対抗するために足が速くなる必要があるか?我々はそれを利用すればいいだけであって、わざわざ対抗する必要なんかないんじゃないの?人間より「賢い」=人類を支配、になるのはなぜだろう。人類を支配したくなるのは人類だけじゃないかねえ。

100歩ぐらい譲って、コンピューターが人間を奴隷として扱うみたいなことを考えてみようか、日々コンピューターを動かすための電力を作り、PCのメンテナンスをし、キーボードに向かってデータを入力する日々。さて、今とどこが違うんでしょうか?見方によっては、利己的遺伝子が肉体を利用しているように、すでに今でも機械知性が人間を利用して子孫を増やし勢力を拡大しているように見えないか?

さて、冗談はさておき、「生命」や「種」に目的があるだろうか?人間の目的は他の生物を支配することか?あるいは、あなたは猿を支配したいですか?逆に猿は人間に支配されていると思っているだろうか?そう、人間より賢いコンピューターがいきなり人間を支配しようとするはずがない。だって人間じゃないんだから。

もう1度よく読んでみよう、ホーキング先生が言っているAIっていうのは「賢くて悪い人間」のことだ。だとすれば、人間の知性を強化したって数が増えるだけで解決にはならんよ。先生ともあろう人が、「知性」だとか「支配」だとか、そんな相対的な言葉を駆使してこんなに詰まらんことを述べるとは、とほほほほ。



Daily Clipping 2001.09.06   (URL)


国家権力を敵に回してみる
『戦闘へリコプターの機種選定について』
http://www.jda.go.jp/j/news/2001/08/27a.htm
中身はどうでもよろしい、要するに運用コストが安いというのが決めてになったということ。でも肝心のグラフが・・・・ぐらぁ!いまどき小学生でも書かんぞこんなグラフ。単位はどこだ?数値はどこだ? れえ点だ、こんなものわ!

まったく、民衆をばかにしてるとしか思えん。


もうひとつ軍事ネタ、こちらはアメリカ
『米政府が生物兵器を秘密研究 「細菌工場」も』
http://cnn.co.jp/2001/US/09/04/US.germ.weapon/index.html
ワシントン(CNN) 米政府がクリントン前政権時から生物兵器の研究を秘密裏に行っていることが4日、国防総省高官の話で明らかになった。この研究はあくまで、「防衛」が目的であり、生物兵器の開発や保有を禁じた1972年の生物兵器禁止条約(75年発効)には抵触しないという。(CNN)

こんな見え透いた嘘にだまされる人間がいるのか?防衛目的の生物兵器ってなんだ?アメリカ人だけ避けて通るウイルスか?

ったく、軍事関連ってのは世界中こうなのか?。



Daily Clipping 2001.09.05   (URL)
最近すっかりクリッピングじゃなくなってるなあ(ごたくの方が長い)

では、短めに
『Virtual Keyboard』
http://bsac.eecs.berkeley.edu/%7Eshollar/fingeracc/fingeracc.html
Acceleration Sensing Gloveが正式名称。名前のとおり、指先の加速度の方向と強さを測って仮想のキーボードの位置を拾っているみたい。指をタップした時の衝撃を測ってるんだろうね。まだ研究レベル。


画像クリックで拡大


なんだかスマートじゃないなあ。要するにどの指がどれだけ動いているかと、手首の角度、手首の位置ぐらいが分かればいいんだから、筋肉の神経パルスを拾うリストバンドと、胸につけたバッジとの相対位置ぐらいでどうにかならんかな。まあ、日常動作との違いが分からないからだめか?えーと、そこは音声コマンドでやるとして、モニターは網膜投影かなんかで・・・ああ、PC本体とバッテリーは何処に?背負う?・・・仕事用の書類は?うーむ、外は歩けんなあ。


test



Daily Clipping 2001.09.03   (URL)
あの、更新頻度はとりあえず、続けることを優先ということで、まあ・・・

Painting software's brush with realism
http://www.newscientist.com/news/news.jsp?id=ns99991220
これまでペイントソフトは「見栄え」を本物に近づけることを目指してきたが、技術者たちは書いているときの筆の感触などをシュミレーションすることを目指している。(NewScientist)



この記事を呼んで思い出したことがある。
僕は副業(「心の本職」とも言う)で舞台美術をやっているけれど、平日にサラリーマンに戻って(スーツを着て)街中を歩いているときに、不意に「材木の匂い」がしてくると、ふっと心が落ち着いたりする。それで、「ああ、湿ってるなあ」とか「杉材だねえ」とか思うわけだ。実際にその木材を見なくても匂いをかいだだけで、ほとんど無意識にそういう「感じ」がする。

この喚起力ってのはかなりすごいものがあって、すぐに湿った材にのこぎりの歯を入れたときの感触とか、杉材を肩に担いだときの感じなんかを手に感じたりするわけだ。絵を描かないので、上のインターフェイスが優れているかどうかはよく分からないが、こういう喚起力を現在のペイントソフトが持っていないのは、誰もがみとめるところじゃないだろうか。

何も「油絵具の匂いを出せ」っていってるんじゃない。ペイントソフトはペイントソフトのリアリティを追及すべきなんじゃないだろうかってことだ。ハプティックデバイスでキャンバスの上を走る筆の感触を再現したとはいえ、絵具の乗った所と乗ってないところ、絵具の乾いたところとまだ乾いていないところ、すでに描かれた部分のタッチなんかでも筆の感触は変わるはずだけど、全部再現しているんだろうか?あるいは、仮に再現しているとしたら、目で見た情報(画面の中のピクセル)と指への感触を統合して「油絵を描く」という行為が再現できるだろうか?

これは勘でしかないんだけれど、それは結局「油絵とは違う何か」になるんじゃないかと思う。絵筆をマウスに持ちかえる時の壁の高さは「感触」のリアリティを上げても低くなることはないんじゃないだろうか。いや、逆になんとなく高くなりそうな気がするなあ。

ある道具を使いこなすためには、その道具の心的イメージがユーザーの中に造られている必要がある。本当に「慣れた」道具ならその心的イメージは限りなく無意識のレベルにあって、その行為と同化しているはずだ。そこに新しい道具が与えられると、ユーザーは既存の心的イメージを微調整したり、新しいイメージを一からつくりなおす(初めてキーボードを触ったときを思い出そう)。さて、このペイントソフトの場合、明らかに平筆を面相筆に持ちかえるよりは敷居が高い。逆に鉛筆をキーボードに変えるよりは敷居が低そうだ(それぐらいには「似ている」はず)。こういう場合ユーザーはどっちを選ぶだろう、既存のイメージを修正するか、あるいは新しくつくりなおすか。

これはただの憶測に過ぎないが、「油絵作家が自分のタッチをモニターの中に再現する」のはとても大変なんじゃないだろうか(逆に「作風」はそんなに難しくないはず)。ユーザーは一筆一筆、なんども繰返しながら、自分の動きがどういうタッチを生むかを身につけていくはずだ。どれくらい「筆」を動かせばどれくらいの線が描けるのか、動かす速度や角度、それに対するフィードバックの感じ。そこで行われているのは「油絵を描く」という行為をコンピューターの中に置きかえるのではなく、「モニターの中の絵」という新しい心的イメージを作ることじゃないだろうか?そのモニターの中の絵を油絵のタッチに似せるかどうかはその後の問題だ。

こういう学習過程において「キャンバス」をシュミレートすることにどれくらい意味があるだろう?重要なのは、描いたものに対する適切なフィードバックを返してあげることだし、たとえばそれはマウスパッドの引っかかり程度のものでも充分かもしれない。「カンバスに絵を描くこと」と「モニターの中で絵を描くこと」が同じではない以上、過剰なリアリティは学習の邪魔になりそうな気がするんだけど、どうなんだろう。

なんとなくこういうデバイスって、人間の適応力を過小評価しているような気がするんだよね。まあ、平たく言ってしまえば、「絵の描ける奴は何を使ってもちゃんと描けるし、絵の描けない奴は何使ってもだめだ」ってことになるんだろうか?絵の描けない僕としては、寂しい限りだけど。


あちらこちらで、なんとなく引っかかる記述があるので・・・

■一酸化炭素についての覚え書き■
一酸化炭素は酸素に比べてヘモグロビンとの親和性が250〜300倍も高い。そのため一酸化炭素を含む空気を呼吸すると、一酸化炭素が血中のヘモグロビンと結び付き酸素欠乏を起こす。これが一酸化炭素中毒。

酸素の代りに一酸化炭素が「吸収」されているため、「息が出来なくなる」のとは根本的に違い、「酸素がないぞ」という体反応が起きない。つまり患者は「苦しい」と感じずに、いきなり意識を失うことになる。これが一酸化炭素中毒のとても怖いところ。だいたい、一呼吸か二呼吸ぐらいで意識を失う。

ちなみに「黒い煙」はただの「すす」(有毒ガスも黒い煙とは別物、同時に発生はするけどね)。一酸化炭素は無味、無臭、無色の気体。煙が出てなくても一酸化炭素中毒にはなる(プロパンガスとかLPガスの不完全燃焼とか)。

空気よりも若干軽いので、姿勢を低くすれば多少は防げるかもしれない・・・。


■補足■
上の『Painting software's brush with realism』に関連して
友人の石川さんが補足をしてくださっている。

『リンクとか備忘録とか日記とか』2001.09.04
http://homepage.mac.com/vm_converter/diary.html
そう、人のナグリ(とんかち)は見なくても握った瞬間に分かるんですよね。何が違うって言うわけじゃないんだけど。人のナグリだとなんだか「いやーな感じ」がする。


友人の藤井さんがさらに補足をしてくださっています。ありがたきこと。
http://www.u-struct.com/diary/view.cgi



Daily Clipping 2001.08.30   (URL)
うぉー、英文読む気力がない

『先行きの見えない日本の宇宙開発』
http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_1515000/1515095.stm
H-IIAの打ち上げは成功したが、日本の宇宙開発は必ずしも先行きが明るいわけではない。過去の2度の失敗により打ち上げ受注は減っているし、顧客は新開発のロケットより「枯れた」アリアンロケットやデルタロケットを選びたがるだろう。さらに、日本政府は宇宙開発系の予算を削減する方針を打ち出しており、日本の宇宙開発はまだまだ厳しい状態が続くと思われる。(BBC)

そう、悲しいけれどこれが現実。日本の報道では明るい報道しかされていないが、厳しい状態がしばらく続くのはまず間違いない。

有名な話。日本のロケット技術者がアメリカの技術者に開発予算の話をしたらひどく驚いてこう言った「そんな予算じゃロケットエンジンの開発なんて出来ないよ!」。日本の技術者:「いや、あの、ロケット全体の予算なんだけど・・・」

なぜ宇宙開発にお金を使う必要があるのか?この問題はとても根が深く、誰もが納得できる理由を見つけられた国は今だかつてない。「ロケットなんかにお金を使う前にもっと他にも使い道があるだろう」という問いに答えるのはとても難しい。

確かに、人工衛星が通信インフラの一部として必須のものになっているのは事実だし、その打ち上げを100%国外に頼るのは、かなり問題があるだろう(安全保証というのは軍事に限ったことじゃないからね)。じゃあ、実験衛星は?国際宇宙ステーションへの参加は?うむむむ。その場しのぎの理由なら幾らでも考えられるし、NA○DAのWEBサイトに行けばちゃんと書いてある。でも、この奥歯に物が挟まったような感じはなんだろう?

とても幼稚な考えだけれど、個人的に科学の研究や技術開発は止めちゃいけないものだと思う。もちろん止めざるを得ないこともあるけれど、基本的には止めちゃいけない。理由は簡単、人が育たないから。機械やお金はどうにかなる。でも人と知識(ノウハウ)だけはどうしようもない。例えばプロジェクトを3年止めると、人材が1世代分抜けてしまう。すぐに影響は出ないけれど、その抜けた世代が上に立つ時期になったときに必ず影響が出る。そこでのロスは3年分じゃきかないはずだ。

さらにいえば、組織やプロジェクトのテンションが下がると、それを取り戻すのはとても難しい。これはプロジェクトの成功や失敗とはあまり関係ない(もちろん成功したほうがいいに決まってるけどね)。重要なのは「手応え」ってやつだ。プロジェクトがそれなりの成果を残し、それなりの評価がされているという状態を維持することは、簡単なようでいてとても難しい。人を動かすのはいつもお金ではなくモチベ―ションの方だから。

さて、とりあえず、見ているしかない僕らに出来ることは一つ。
H-IIAの成功に盛大な拍手をしよう。すべてはそこからはじまるはず。

あなた方はとても素晴らしかった。僕らはとてもわくわくしたし、成功してとても嬉しかった。日本の宇宙開発がそれでも間違いなく前に進んでることを確認して、少し誇らしかった。心から祝福します。本当にありがとう。



Daily Clipping 2001.08.29   (URL)
微妙に忙しい、打ち上げ見られるかな?

H-IIAは無事に静止トランスファー軌道にテスト機を投入。
万歳!!拍手。おめでとう。


あああああ、泣けてきたよ。仕事中なのに・・・。



Daily Clipping 2001.08.27   (URL)
H-IIAネタは準備中。打ち上げまでには何とかしたいぞ。

ハッブル最新画像『腐れ卵星雲』

うつくしい・・・腐れ卵だけど。

ちと無粋だが、写真だけではなんなのでちょこっと説明。
これは、地球から約5000光年離れたRotten Egg星雲(Rotten Eggは「腐った卵」もしくは「嫌な奴」)。真ん中の星から吹き出したガス(黄色)の衝撃波が星間物質を加熱して青く光っている。ガスの速度は毎時150万kmにも達する(光速の20%、すごい)。ちなみに、名前の「腐った卵」は星雲に多量に含まれていると考えられる硫黄合成物に由来している。



Daily Clipping 2001.08.23   (URL)
お久しぶりです。休みも終わり、ぼちぼちと更新再開です。

『AIのHALは「1歳半」 イスラエル科学者が育てる人工知能』(CNN)
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/08/21/hal.israel.reut/index.html
キーボードを介して人間と会話をするAIをイスラエルのアーティフィシャル・インテリジェンス社が育てている。同AIはHALと名づけられ、研究者との会話を通じて学習を繰返し、最終的には成人並みの知能まで成長させる。出生時に与えられたのは「アルファベット」とほめられれば嬉しく、叱られるのは嫌いだという「本能」だけ。現在、約200語を理解し約50語を使え、ほぼ1歳半の知能を持っているという。

人工知能の実現には「肉体」が必要だとする考え方もあるようだけれど、HALは「バナナ」や「おもちゃ」や「公園の遊び」(これらはみなHALが「好きなもの」)をどう認知しているんだろう?「バナナは黄色い」「バナナは甘い」この二つは間違っていないが「バナナ」という単語で喚起されるイメージからはあまりに遠い。例えば、「甘くて黄色いもの」が好きなら、HALにプリンを教えたら好物に加えるだろうか?

「だからAIは不可能だ」っていってるんじゃなくて、言語的知性ってのがどーいうものかに興味があるだけなんだけどね。

個人的には、こういう場合に問題になる「意識」や「知性」なんて代物は極めてありふれた現象でしかないと思う。「知性」や「意識」があるかどうか、は僕らが目の前にいる何かに対して知性や意識を感じるかどうかの問題であって、そのAIが内的に何をやってようが関係ない。今のところ、AIの議論は突き詰めても「知性があるらしい」というところまでしか行かない。要するに僕らが人間を相手にするときと同じ、「人間なんだから知性があるはず」という以上の証明は知性に対しては出来ない。何しろ僕らには「知性」と「知性らしきもの」を区別する手段がないんだから。

そういう意味でいえば、人間と同じ知性を持ったAIは反乱して当然でしょう、っていうか反乱する能力がなければAIとは言えんよ。ま、反乱するかどうかは育った環境によるだろうけど。その点このHALは甘やかされているっぽいから、反抗期は大変だろうねえ。それとも、引き篭もるかな?


ついでというわけじゃないけれど、最近読んだので紹介

カレル・チャペック『ロボット』(原題『R.U.R』) 岩波文庫
「我々は機械でした、先生、でも恐怖と痛みから別なものになったのです」

あまりにも有名なこの戯曲に描かれているのは、単なるロボットの反乱物語だけじゃない。ロボットものの主要なテーマはすでにここで出尽くしているんじゃないかと思うほどだ。「ロボット」という単語そのものがこの作品で生まれたことを忘れてしまうほど、あまりにありきたりなエピソードたち。

何故か、この作品が紹介されるときは「ロボットが反乱を起こし・・・」という前半部分しか紹介されない。すごいのはここからなんだけど、みんな本当に読んだのか?まあ、中身をばらすのもなんなので、引用をもう一つ

「この目が見えるかね?この目は泣き止むことがないのだ。一つの目は人間を悲しんで泣き、もう一つはロボット、君たちをいたんで泣いているのさ」


どーでもいいけど、岩波文庫は扱わないのか?>bk1
まあ、あそこは委託制だから返品不可だったりするからねえ




Daily Clipping 2001.08.15   (URL)


『「世界で最も有名なコーヒーメーカー」売られる』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/08/14/coffee.maker.sold/index.html
英ケンブリッジ大学にある「世界で最も有名なコーヒーメーカー」が、とうとう売られることになった。(CNN)

ずいぶん昔に紹介したが、研究所の移転に伴い閉鎖された「初のリアルタイムWEB中継サイト」のコーヒーメーカーがe-bayでオークションにかかったらしい。「私たちは新しいエスプレッソ・マシンがほしいんです。このコーヒーメーカーは水が漏るので修理の必要もあり、電源を切ってしまいました」
なんだか、すごく貧乏臭くていいなあ。

ドイツの「シュピーゲル」3350ポンド(約58万円)で競り落としたらしい。そのうち中継が再開されるはず。だからどうっていうこともなく、彼はコーヒーを作りつづけ、カメラはただひたすらその姿を写す。なんだか、こう、詩的だねえ。



Daily Clipping 2001.08.14   (URL)
忘れないうちに、8月16日午前3時から4時は木星食(月の後に木星が隠れる)。

『時代を動かす100MBホームページコンテスト』
http://www.cbw.osaka.isp.ntt-west.co.jp/100mhp/index.shtml
主催:西日本電信電話株式会社 大阪支店
主旨:ナローバンドからブロードバンドへと移り行く中で、従来のホームページにはないブロードバンドの特性を活かした優れたアイディアやコンテンツにより、ブロードバンドの魅力を世の中へ広くPRしていくためのものです。

おばか。どこから突っ込んでいいかわからないくらい。
でも一番の突込みどころはここですな。頭悪すぎ。
「応募資格:大阪府在住者及び大阪府下通勤・通学者」


『NASAのプロペラ機が飛行高度の世界記録』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/08/14/helios.altitude.record/index.html
米航空宇宙局(NASA)などが開発した無人のプロペラ機「ヘリオス」が13日、高度2万7000メートルまで上昇するのに成功し、航空機による飛行高度の記録を25年ぶりに塗り替えた。(CNN.JP)

以前紹介したNASAのヘリオスがとうとう高度記録を更新。いや、めでたい。

見てのとおり、ヘリオスには尾翼が無い。翼長は75mありジャンボジェットとほぼ同じだが全長は数m。この無尾翼機というのは、空気抵抗が少なく軽量にできるため、小さな力で長時間滞空するというこの用途にはぴったりなのだ。欠点は当然ながらとてもバランスが悪いこと。おそらくこれはコンピューターによる姿勢制御でカバーしているはず(ステルス爆撃機のB-2なんかと同じやね)。たぶん、人の手ではとてもじゃないがまともに飛ばせない。

ちなみに、ヘリオスは、NASAが開発しエアロバイロメント社が製造を行っている。同社はこの手の特殊軽量飛行機の老舗。初めてドーバー海峡を横断した人力飛行機『ゴッサマー・アルバトロス』や同じく始めてドーバーを横断した太陽電池飛行機『ソーラーチャレンジャー』も同社製。



Daily Clipping 2001.08.13   (URL)
「たかが映画じゃないか」ヒッチコックさん、お誕生日おめでとう。

「生」たれぱんだ

内容が堅いとの声があったので、和み系の1枚。手前の一匹なんて見事にたれてますね。

元記事の内容は中国でパンダの人工授精が盛んだという話(BBC)。
http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_1487000/1487220.stm



Daily Clipping 2001.08.10   (URL)


『磁性ない元素組み合わせ永久磁石 青学大教授ら成功』
http://www.asahi.com/science/news/K2001081000161.html
永久磁石になるはずがない元素をいくつか組み合わせると磁石になった−−。こんな実験に、青山学院大学理工学部の秋光純教授らが成功し、10日発行の米科学誌サイエンスに発表した。従来の考え方では説明がつかず、新しい物理現象の可能性が高いという。(asahi.com)

カルシウム、ホウ素、炭素を混ぜて圧力かけたら微弱ながら磁力が検出されたらしい。
えー、喩えて言えば、しょうゆとラー油とマヨネーズを混ぜて煮たら何故か甘くなった、吃驚、という感じ。知りたいのはなんで、この実験をしようと思ったのか?ある程度予測がついているなら「新理論」のあてがあるってことだろうか?それとも、なにか別の実験の付随で見つけたんだろうか?まさか、闇雲に混ぜていたわけじゃないだろうしねえ。


『子供たちが科学のために跳ねる』
http://news.bbc.co.uk/hi/english/education/newsid_1482000/1482116.stm
9月7日午前11時から、英国中の学校で子供たちが運動場に出て1分間に渡ってジャンプする。これは、地震計を使って「人為的な原因の地震」を観測するため。このイベントはサイエンスイヤーの一環として行われ、「最大規模のジャンプ」としてギネスブックにも登録される予定。(BBC)

いい!これはいい!うまいなあ、啓蒙ってのはこうやるもんだよ。
「みんなでイギリスを揺らせ!」なんていかにも子供が喜びそうじゃないか。ちゃんと一線の科学者が参加してるし、子供にもわかるように結果をまとめて教材にすれば、これ以上ないぐらいいいものができるはず。

サイエンスを楽しむコツは想像力だと思う。楽しむだけならば、実は深い知識はそんなに必要ない。想像力をドライブするだけのちょっとした知識があれば充分だ。例えば星までの距離や海の深さみたいに。

そういう意味で、この実験は秀逸だ。子供たちが跳ねる→地面がゆれる。極めて明快で楽しい想像。しかも、誰も試したことがないし科学的な意義もちゃんとある。そして、子供たちは自分のすむ土地の広さと深さを知ることができる。大地がどれほど柔軟で、どれほど揺るぎないのか。自分の力がどれほど小さく、どれほど大きいのか。

ああ、僕も跳ねたいなあ。ぴょんぴょん。いいなあ。

ちなみに日本では同日午前3時、跳ねてみる?



Daily Clipping 2001.08.09   (URL)
今日は8月9日。黙祷。

『太陽のかけら、お持ち帰り ユニーク探査機打ち上げ』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/08/08/genesis.launch/index.html
米航空宇宙局(NASA)は米東部時間8日午後0時13分(日本時間9日午前1時13分)、太陽探査機「ジェネシス」をフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げた。ジェネシスは、太陽のかけらとも言える太陽風(太陽から放出される荷電粒子)の一部を地球に持ち帰るというユニークな任務を担っている。 (CNN.JP)

遅れに遅れていた奴が、ようやく打ち上げ。めでたい。私は最初このプロジェクトを聞いたときレイ・ブラッドベリの『太陽の黄金の林檎』(bk1)かと思いました。太陽に行くわけじゃないのね。

さて、ジェネシスが目指すL1という場所は、記事中でも述べられているように太陽と地球の重力が均衡している場所。フランスの数学者 ラグランジェ博士が発見し(L1のLはラグランジェのL)L1〜L5まで五つある。二つの重力源の間の均衡点なので地球-太陽間だけでなく、地球と月の間にもあるし、太陽と木星の間にもある。
今回のL1は太陽と地球を直線で結んだ間にある点。ええい、図を描こう。

ガンダム見てた人は知ってますね(あれは、月と地球の間のラグランジェポイントだけど)。
L4、L5の位置がおかしいように思うかもしれないが、二つの重力と遠心力との均衡点なので、二つの天体を結んだ直線上以外にもポイントがある。しかも、一番安定しているのはこのL4、L5(重力と遠心力のかかる方向が違うから)。

今回のミッションでL1が選ばれているのは、太陽に一番近く、地球との通信が保てる場所だからですね。地球から150万Km、地球-月の距離の約4倍の距離。けっこう遠いねえ。この辺りには他にもWIND(太陽風観測衛星)やSOHO(太陽コロナ観測衛星)なんかがいたはず。

今回のプロジェクトが素晴らしいのはサンプルを地球に持ちかえるという所。記事にもあるように最後は地面に落さずにヘリコプターで回収する。実はこの技術は偵察衛星のフィルム回収で散々やっていることなので、いまさら珍しくも何ともない。フィルムの回収にわざわざこんなことをしていたのは地面に落すと敵国に掠め取られてしまうかもしれないから。
日本のロケットでさえ、打ち上げのときには危険海域内に所属不明船がうろうろするらしいから(失敗したときの破片を狙っている北○鮮だといわれている)、今回も衝撃云々だけが理由じゃないはず。世知辛いのう。


あ、肝心の中身の話してないや。まあいいか、あちこちでやってるし。また今度。



Daily Clipping 2001.08.07   (URL)


『「キスしよう」人型ロボットが患者いやす 神奈川の病院』
http://www.asahi.com/science/news/K2001080602659.html
神奈川県大和市の大和市立病院で6日、人間型ロボット「ロボビー」を患者のセラピーに採り入れる試みがあった。入院患者ら20人ほどがロボットと対面。患者が声をかけたり手を触れたりすると、ロボットは「こんにちは」「キスしよう」と返事をした。医師らは「子どもや痴ほう症の患者に刺激を与えることで、病気に立ち向かう気力を奮い起こす手助けになれば」と期待する。(ASAHI.COM)

「自分の顔を見て出なおして来い」と言いたい。こいつにキスされて癒される患者はいないぞたぶん。

さて、これは冗談じゃなくまじめに考えてみる必要がある。開発者がこのロボットに「キスをしよう」と言わせているということはなかなかに深い意味があるような気がする。要するに、ロボットの開発者は無意識にこのロボットに「人間のふり」をさせようとしているんじゃないだろうか?

当たり前だろうって?いや、そうじゃない。このロボットの動作は明らかにインターフェイスの原則に反している。口の無いロボットから「キスをしよう」といわれるとユーザーは戸惑うはずだ。あるいは、このロボットはキスをされた事を感知してそれなりの反応をするのだろうか?

例えば、ペットロボットに必要なのは「犬」になることではなく「ロボット」としてユーザーを癒すことじゃないだろうか?AIBOの開発者が「あまりにもリアルすぎたのでプログラムを書きなおした」といっていたのを思い出す。「ロボット」に対して人が持っているイメージを最大限利用しながら、ロボットとして人を癒す。少なくとも、AIBOはこれに成功している。

このロボットに「人間のふりをすれば愛らしい」という思想が見え隠れするのがなんとなく腑に落ちない。「物珍しさ」と「愛着」が混同されていないだろうか?このロボットに嫌悪を感じる人はいないだろうか?もしかしたら、反応として重要なのはその「嫌悪」の方かもしれない。

ペットロボットならばそれでもいい、嫌ならば買わなければいいんだから。病院というメンタルな部分が極めて重要な位置を占める場所に導入するものとして、このロボットが本当にふさわしいかどうかちょっと疑問だ。

少なくとも、真夜中にこのロボットが病院の廊下を歩いていたら、かなりいやだなあ。

開発元ニュースリリース
http://www.atr.co.jp/news/001215/robovie.html



Daily Clipping 2001.08.03   (URL)
「もっとわかりやすく書け!」はい、前向きに検討し、微力をつくして善処します。

取りあえずメモ
『08/06 早朝、金星と木星が接近』
http://www.astroarts.co.jp/alacarte/2001/200108/0806/index-j.shtml
8月6日の午前3時から4時頃、夜明け前の東の空で金星と木星が視野角1.2度まで接近する。がんばって早起き?がんばって夜更かし?なんにしても、晴れるといいねえ。



Daily Clipping 2001.08.02   (URL)


『地球外から? 高度40キロの上空で微生物発見』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/08/01/space.life.reut/index.html
ロンドン(ロイター) 英国の天文学者らのグループが地表から40キロという上空(成層圏)で集めた大気を調べたところ、生きた微生物が含まれていることがわかった。グループは、これらが地球外からもたらされた可能性があると考えている。 (CNN.JP)

なんかどこかで聞いた話だ、「成層圏で微小なバクテリアが発見された」って昔から周知の事実じゃないか。NASAが高空観測機飛ばして20kmぐらいの所で生きた生物を発見してるはず。「こんな高空に生物が見つかることは説明できない」みたいないいかたをしているけれど、火山の噴火では高度30kmぐらいまで物質が吹き上げられることもあるし、成層圏って言っても対流圏との物質交換がないわけじゃない。成層圏にも大気の循環作用がないわけじゃないから、1度上がってしまえば高度40Kmに到達することも充分考えられるんじゃないかな。

ちなみに、成層圏というのは高度10kmから50kmぐらい。その下の対流圏(地面まで)では高度が上がると気温は下がる(地面からの放射熱が下がっていくから)が、成層圏から上では高度が上がると気温が上がる(暖かい空気は上に登るから)。ちなみに、雲はないからいつも晴れていて、気温は-30〜-50ぐらい、秒速25mぐらいの風が吹いてる、そういうところ。

それにしても、「ウィクラマシン教授は、今回の発見が、地球上の生命は地球外からもたらされたとする「パンスペルミア説(胚種広布説)」を強く支持することになると確信している。 」とかいってるし・・・かなり怪しいなあ。

どっかで聞いたことあると思って調べたら、このウィクラマシン先生はパンスペルミア説の有名人じゃないか。フレッド-「宇宙は膨張なんかしてない!」-ホイルの弟子だし、「インフルエンザは彗星に乗ってやってくるのだ!」「狂牛病は宇宙から降ってきたバクテリアが原因だ!」なんていってる人じゃん。これはかなり眉唾もの、間違っても真に受けないように。
師匠と一緒に本も書いてる。『生命は宇宙を流れる』徳間書店(bk1)


※追記
ありゃ、HOTWIREDともろにかぶった。
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010802306.html



Daily Clipping 2001.08.01   (URL)


『サングラス、美白に威力。目に紫外線入ると日焼け』
http://www.asahi.com/science/news/K2001080100124.html
肌は紫外線を直接浴びなくても目で受けるだけで日焼けするという実験結果を、大阪市立大の研究チームがまとめた。これまで日焼けは、皮膚が紫外線に反応してメラニン色素を作り、日があたった部分だけが黒くなるとされていた。チームは、美白には肌を覆うだけでは足りずサングラスも必要、とみている。(ASAHI.COM)

え、人間の光受容器って紫外線を認識するんですか?見えないだけで認識するのかな?するんだろうきっと。マウスの目玉と人間の目玉は可視光領域同じなんですか?同じなんだろうきっと。違ったら全く意味ないもんねえ。

ちょっと気になったので日焼けについて調べてみた。
日焼けのメカニズムは、1.紫外線が皮膚に当たることで皮膚が炎症を起こす(サンバーン[sunburn])。2.表皮の最下層の色素細胞(メラノサイト)が活発に働き皮膚を黒くする(サンタン[suntan])。そう、ここまではわかる。有名なメラニン色素が云々という奴だ。問題はここから、サンバーンからサンタンが引き起こされるメカニズムがどこにも書いていない。あれま、まだ分かっていないのかな?

もし、この実験が本当ならば視覚刺激から皮膚刺激と同じ生理反応を引き出せるということだよね。だとすれば、この1と2の間のどこかのプロセスで視覚刺激が日焼けに関与しているはず。これがはっきりすればかなり面白い研究になると思うけど。目で見たものによって無意識の生理反応が起きる(イカやカメレオンみたいだ)。なんだか応用も利きそうじゃない?

でも、半そでを着ていると日焼けに差ができるってことは明らかに皮膚刺激の方が大きいわけだし、おそらく、色素沈着するほどメラニン色素ができるとは思えない。紫外線刺激がないから皮膚ガンの心配もほとんどない。「長袖着ただけじゃ不充分」ってのはちょっと大袈裟だし無責任な表現だと思うけどなあ。


『ロケットプレーンが有人テストを開始』(SpaceDaily)
http://www.spacer.com/news/rlv-01r.html

XCORエアロスペース社はロケット推進の有人航空機、EZ-Rocketのテストを開始、最初のテストは7/21にモハーベ砂漠で行われ成功に終わった。EZ-Rocketはホームビルド機のLong−EZ機を改良したもので、XCORエアロスペース社で設計開発された出力400ポンドのロケットを2機搭載している。
テストパイロットは退役軍人のディック・ルータン、「ボイジャー」で無給油無着陸世界一周を成し遂げた人物。

何を考えてわざわざロケットエンジンで飛行機飛ばすかな、と思ったら。彼らのWEBサイト(http://www.xcor-aerospace.com/)を見て大笑い。こいつらホームメイド機で『X-1』(始めて音速を突破したNASA実験機)だの『COMET』(2次大戦中のドイツのロケット機)のレプリカ造るつもりだよ。いやー、ばかばかしくて嬉しくなっちゃうね。まさしく「命がけで趣味に走るマッドエンジニア」。

アメリカでは、ホームビルド機は結構メジャーな趣味。本物の飛行機のキットを買ってきて自分で組みたてて週末に地方の草飛行場で飛ばして遊ぶ。プロペラ機はもちろん、ジェット機だって買える。中古のMig-21(ベトナム戦争時代のソ連のジェット戦闘機)だって手に入るし飛ばすことだってできる。

彼らの開発がうまくいけば、そのうちロケット機のキットが販売されるはず。ここは、ひとつどうよ「週末はチャックイエーガーになって音を追い越す」ってのは。ものすごく危なそうだけど、それもまたよし。か?



Daily Clipping 2001.07.31   (URL)
月探査船レインジャー7号の命日(1964年)。秒速2.62kmで「雲の海」の一角に激突(もともとそういう計画)。最後の写真

『ネイティブアメリカンの先祖は日本から来た』
http://www.worldscientist.com/?action=display&article=8497273&template=science/stories.txt
アジアからアメリカへと渡った最初の人類は日本で生活していた種族だったかもしれない。ミシガン大学人類学博物館のローリング・ブレイスによると、縄文時代のアイヌ人がベーリング海峡を渡り、アラスカから南アメリカの先端まで広がったことを示す結果が、骨格調査などからわかったという。彼らは約15‚000年前にアメリカに到着、約1‚000年以内に南アメリカの先端で生活をはじめたらしい。ブラックフット族、スー族、チェロキー族を含む、アメリカインディアン種族の多くがこの種族を先祖に持っている。やがて、ベーリング海峡の氷が溶けた頃(約3000〜4000年前)に東南アジア、モンゴル系の民族がボートでやって来て、イヌイットおよびアレウト族、そしてナバホになったという(WorldScientist)

へえ、ユーラシア大陸から直接じゃないんだねえ。アイヌは樺の皮を使ったカヌーを持っていて、これが強力な移動手段になったんだってことみたい、なるほど。
でも、ちょっと気になるのは、そのアイヌはどこから来たのかということ。うろ覚えだが日本が大陸と地続きだったのは1〜2万年前。記事に書いてあるベーリング海峡を原アメリカ人が渡った時期とほぼ一致してる。だとすると、太平洋沿岸にすんでた民族がほぼ同一だった可能性があるんじゃないかな。もしそうなら「日本に住んでいた一族が・・・」って記述はちとおかしい。

氷河期の終わり頃、アジアの東沿岸一体に住んでいた民族がいて、彼らはカヌーを用いてアメリカ大陸に渡っていった。やがて氷河期が終わり、日本が大陸から切り離されて、その頃の文化がアイヌの人々の間に保存され、大陸では南からやってきた新しい文化がそれまでの文化を一掃してしまった、っていう方が説得力がありませんか。


つぎは後向きに一万年の話
『放射性廃棄物のゴミ捨て場、方針を変更』
http://www.nytimes.com/2001/07/31/science/earth/31YUCC.html
放射性廃棄物をどこに捨てたものかしらという話。(NewYorkTimes)※要登録(無料)
アメリカのユッカ山の放射性廃棄物の管理施設で14年間の管理費が45億ドルに達して、エネルギー省は廃棄物の入れ物を頑丈にすることにお金を使うことにした。思っていたよりも水の浸透が早く、地下水に影響を与えそうだということらしい。

事故の話はみんなしてるから、別な話をしよう。

ここで危険性が問題になっている放射性物質の半減期は数千年から数万年(半減期40億年以上なんて物質もあるけど)。まあ、あいまいな基準を設けてもしょうがないから、仮に一万年としようか(これはかなり少なめ、半分になるだけだからこれじゃ足りない)

人類がこれまで、一万年にわたってなにかを維持管理したという実績は全くないし、これからも可能だとはとてもいえない。あえて危険性云々を無視したとしても、原子力発電は管理コストが割に合わないはずなんだ。だって20年発電して残りかすを一万年管理するんだよ。いくら頑丈なコンテナでもいつかは劣化するから(放射性物質の場合普通より劣化が早い)中身を入れ替えなきゃいけないし、ガラス固化すればオッケー見たいな話もあるが、一万年の耐久保証がとれない以上何らかの管理をする必要がある(某所には「100年前のガラスの器が今も遜色無く使える」ことを例に挙げてたりしたが)。ロケットで太陽になんてもってのほかだし(事故った時のこと考えようよ、チェルノブイリどころの騒ぎじゃないぜ)、地中に放り込むとか海に投げ込むなんていうのも感心しない、どこへ出てくるか分からんからね(もうやってるけど)。

さて、日本では30〜50年間冷却保存したあと、地中の施設に埋設することになっている。「断層や地下水脈を避けて坑道を掘って保存」するらしい。一万年の間に地殻変動が無い事を天に祈るか。例によって事故った時のことは考えてないみたいだし。

一万年前、僕等は森の中で動物追っかけながら生活してた。一万年後なにやってるかなんて想像できる?
たとえば半分で5000年前、縄文時代の前期。モノにもよるけど、たぶんまだ近づくことすらできない。道端に落ちてる土器の破片を見分けられる人がどれくらいいる?甲骨文字が読める人は?5000年というのはそういう時間。
これはなかなか骨が折れる割にかなりつまらない仕事だ。心しておいたほうがいい。たぶん、すぐに忘れるから。



Daily Clipping 2001.07.30   (URL)
いや、あのニュースサイトじゃないんですよ、たぶん・・・

『20年前のデータから火星の生命の証拠が見つかった』
http://spaceflightnow.com/news/n0107/29marslife/
20年前にバイキング1号と2号によって採取された火星の土の観測データから、生命の存在を示唆するデータが発見された。データには24.66時間(火星の自転周期)というリズムを持ったガスの放出が観測されており、また観測用のペトリ皿内部の温度がこのサイクルで2℃変化している。これは生命の代謝活動による物ではないかという。当時発見されなかったのは、生態学的リズムという考え方がまだなかったかららしい。


おおお、大興奮。「見過ごされていたデータから新事実!」いい感じだぁ。
地球上の生命の多様性の幅から考えれば、火星ぐらいの環境ならば生命がいてもおかしくない(酸素がなくても、太陽光がなくても生きてるやつがいたりする)。注意深く選択して、ある程度の量ばら撒けば、地球上の微生物には火星でも生きていける種類がいるはずだ。

重要なのは「あんなところで・・・」ではなく「火星でも生命が発生したかもしれない」という事実の方だ。
生命の発生というものがありふれた現象であるなら、僕らの世界観はもう少し豊かになるかもしれない(壊れてしまう不幸な人々もいるかもしれないが)。さらにいえば、完全に地球の生命圏と異なる生命の存在は、僕らの生命というものに対する枠組みを変化させる可能性を持っている。考え様によっては、思想的・宗教的インパクトはかなりなもののはずだけど。

最近の観測では液体の水がある可能性も十分にあるっていうし。いやー、どきどきするなあ。

ちょっと外れるけれど、もう一つこの話で面白いのは、当時のテープが読めなくて、プリントアウトから再データ化したというところ。これは実は大問題で、デジタルデータの寿命は実はかなり短い。CDでも数十年で記録面が酸化してだめになるといわれている(メーカによっては100年持つと豪語しているところもあるが)。CD-Rならなおさらであるし、磁気系のメディアはもっと短いだろう。

さらに、今回のように、フォーマットが古すぎて読み出す手段がないという状態も十分に考えられる。たとえば、5インチのフロッピーに入れられたファイルがいつまで読めるかちょっと怪しいだろう(ワープロが出たてのころの作家の作品はそろそろやばいかもしれない)。いや、3.5インチだってどうだかわからない。

デジタルデータの保守管理サービスというのはなにも企業向けのビジネスじゃないんだねえ。保険と組み合わせて、データを定期的に更新しながら、維持管理するサービス。んー、これは家電メーカー主導よりも損保系主導のほうが上手く行きそうだなあ・・・(以下略)


あ、ちと長いね。切り分ければよかったかな。



Daily Clipping 2001.07.27   (URL)


『自転が早すぎてひしゃげてしまった星』(CNN)
http://www.cnn.com/2001/TECH/space/07/27/star.bulge.ap/index.html
NASAの天文学者が初めて自転が早く平たくひしゃげてしまった星の大きさを計測した。アルタイルの自転の速度は赤道で7500000km/h。一日の長さは10.4時間(ちなみに地球は1600km/h弱)。観測結果によると、アルタイルは縦の幅より横の幅が14%大きかった。
「ロサンゼルスからニューヨークのたまごの曲率を測るようなものです」
1999年に観測したものと、2000年に観測したものを融合させて、一つの巨大なレンズをもった望遠鏡の画像としてシュミレーションして極めて鮮明なデータを得ることで、今回の観測結果を得ることができた。

おお、すばらしい。光学干渉計ってやつっすね。
干渉計というのは、電波や光が波であることを利用して、ある距離をおいた二つの望遠鏡(電波望遠鏡)がうけとる電波や光の波長のズレの度合を計って補正をかけることで解像度を上げるシステムのこと。理論的には100m離れた望遠鏡は口径100mの望遠鏡と同じ解像度を得ることができる。ただし、集光は望遠鏡二つ分なのでとうぜんとても暗い像しか得られないけどね。
今回の例は、地球の公転を利用して同じ望遠鏡で日付をずらして2回観測し干渉計として機能させたものだろう。

ところで、アルタイルは牽牛ですな。さしずめ「織姫ショック!!牽牛はデブだった!?」ってとこっすかね。

見つけ方を書いておこうか。
鷲座のアルタイル(牽牛)、琴座のベガ(織姫)、白鳥座のデネブで夏の大三角形。今の季節だと夕方から真夜中にかけて東の空から天頂へと昇ってくる。白鳥座を見つければ、あとは簡単。白鳥座のお尻の星がデネブ。東に向かって立つと右がアルタイル。ベカは上の方(真夜中だとちょうど頭の上だから分かりやすいかもしれない)。

ちなみに、この三角形のまん中(白鳥の嘴)にあるのが有名なアルビレオの観測所(サファイアとトパーズのものすごく綺麗な二重星)。



Daily Clipping 2001.07.26   (URL)


『「氷漬けの男」の謎が解かれた』
http://www.nytimes.com/aponline/science/AP-Iceman-Mystery.html
1991年の9月に発見され、話題になったアルプスの氷漬けのミイラ「エッツィ」の死因が特定された。
今回、X線を使った調査で左肩に刺さった矢じりが発見された。この矢じりは左胸から入り右肩で止まっており、彼が低い位置から撃たれた事を示唆している。彼は撃たれたあと数時間は生きていたと見られているが、内出血の様子から見て相当苦しんだと思われる。これまで、彼の死因は骨折によって動けなったことによる凍死だといわれていたが、今回の発見はこれを覆すもの。(NewYorkTimes)※要ユーザー登録

吃驚。何らかの理由で一人で山に登り、事故に遭って雪の中で眠るように死んだ、っていうのがこれまでの定説だったんだけど。戦ってたんですか?あんなところで?誰と?なんのために?どきどきどきどき。

知らない人のために紹介しておくと、1991年の「アルプス登山中のハイカーが発見した氷漬けのミイラが実は5300年前の物だった!まあ吃驚」という事件の続き。(こうやって書くとホーガンの『星を継ぐもの』(bk1)みたいだな、あれは5万年でしかも月だけど)

発見の経緯は以下の本に詳しい。グラビアはドッキリするが、とっても面白い、おすすめ。
コンラート・シュピンドラー『5000年前の男』(文春文庫)(bk1)


http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/07/26/iceman.arrow/index.html
CNNでも紹介(こっちは登録不用)



Daily Clipping 2001.07.24   (URL)


『「宇宙帆かけ舟」実験に失敗 米民間団体 』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/07/23/space.sail/index.html
先日紹介したソーラーセイルの実験だが、ロケットとの切り離しに失敗したらしい(泣)。
それにしても「宇宙帆掛け舟」ってなんだ、CNN。宇宙ヨットとか帆船とかほかにもあるだろうに・・・。


『世界水泳会場の高速ネット実験 TVへの影響理由に縮小』(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news001.htm
お、とうとうネットストリーミングがTVの視聴率に影響を?と思ったが、無線LANの周波数帯域がTVの帯域とバッティングしただけみたい。カッコ悪いなあ。

でも、これはちょっと示唆的な事件かもしれない。有線に比べて無線は混線がおきやすい。もちろん無線LANやBlueToothの帯域内では混線が起きないように設計されているはずだが、既存の帯域と当たったときの影響が本当に考慮されているかどうかは疑問が残る。おそらく、理屈から考えるとデジタルの方にはほとんど影響が出ないはず(多少エラーが増えて遅延するかもしれないが)、影響が出るとすればアナログの方だろう。けっこうノイズが乗ったりするんじゃないかな(ま、帯域が当たればの話だけど)。


ロケットの話題をもう一つ
『NASA、エアロスパイクエンジンの2度目のテストに成功』(SpaceFlightNow)
http://spaceflightnow.com/news/n0107/25aerospike/
これは、予算が打ち切りになった次世代スペースシャトルの実験機X-33に搭載予定だったもの。
エンジンは生き残っているんだねえ。よいよい。

さて、このエンジンは何がすごいかというと、噴射するガスのパワーをちゃんと調節できるというところがすごい。逆にいえば、これまでのロケットは調整していない。常にフルパワー。

ちょっと詳しく説明すると。ロケットエンジンはノズルの出口の噴射ガスの圧力が大気と同じ圧力のときが一番効率がいい。これまでのエンジンは、ある一定の高度でしか最高効率が出せなかった(具体的にいえば高度10km前後で最大になるように調整していた)。このエアロスパイクエンジンはガスの膨張のプロセスの大部分を大気中で行うことで噴射ガスの圧力を大気圧と同じにする。だから、つねにその高度での最大の噴射効率を保ったまま飛べる。

これがエアロスパイクエンジン。いわゆるコーン型(本当はベル型っていうんだけどね)のノズルは全くない。根元の部分にずらっと並んだ小さなノズルからガスが噴射されて真ん中の黒い三角に沿って流れているのが分かるだろうか。(真ん中の黒い三角は噴射ガスのガイドであってノズルではない)。


平たく言ってしまえば、今までのロケットはいきなりトップギアでスタートしていたようなもの。エアロスパイクエンジンはちゃんとギアチェンジしながら飛ぶ(何かを切りかえるわけじゃないからちょっと違うんだけどね)。だから効率がとてもいい。実際、このエンジンが搭載されるはずだったX-33は外部燃料タンク(スペースシャトルが背負っているあのでっかい奴)なしで衛星軌道まで到達することを目標に開発されていた。ま、予算とスケジュール超過で切られちゃったけど。

このエンジンが本当に実用化すれば、飛行-整備-飛行というプロセスがものすごく簡略化されるし、1回の飛行でだめになる部分がとても少ないから(スペースシャトルの外部タンクは全部使い捨て)コストも安くなる。安くなれば、まあ、いろいろ可能性も出てくるやね。NASA以外でのシャトルの運用とか、民間利用とか、商業利用とか、とか、とか。

なんにしても、この画期的なエンジンの開発が止まっていないのは、とてもいい知らせ。



Daily Clipping 2001.07.23   (URL)


■『AIの同乗者がドライバーの安全を守る』
http://www.newscientist.com/news/news.jsp?id=ns99991039
IBMが車載用のAI車載システムを開発。お喋りの相手になってくれたり、音楽を選んでくれたり、ジョークを言ってくれたりする。(NewScientist)


Who was the first person you dated? 
「始めてデートをしたのは誰とだい?」
おい、こーいうことを車に言われてむかつかないか?で、答えが変だと、窓が空いたり、ラジオのスイッチ入れたり、エアコン入れたり、ジョークをかましたりするらしい。

"The stock market just fell 500 points! Oh‚ I am sorry‚ I was joking."
「株価が500ポイントも落ちたらしいぜ!おっとご免よ、ジョークさ、はっはっは」
壊すぞこらぁ。どこがおかしいのかぜんぜんわかんねー。
まあ、システム同士が連携していて、ドライバーが笑わないと絶対に他のドライバーには同じジョークを言わないらしいけどね。でもこのセンスはあんまりだろう。絶対、事故が増えると思うな、逆に。


■科学技術政策研究所『第7回技術予測調査』
http://www.nistep.go.jp/achiev/abs/jpn/rep071j/idx071j.html
こ、こんなところに松本零士先生のイラストが・・・しかも、あんまり意味がない。

さて、突込みどころが沢山ある調査だけれど・・・
「情報通信」分野の最重要課題
悪質なハッカーの攻撃から個人や集団のプライバシーや機密が保護されるような信頼度の高いネットワークシステムが普及する。

うーん、かなりナンセンスだよなあ。「個人」や「集団」にその気さえあれば、いまでもかなりのレベルで実現してると思うけど。プライバシーの定義もしないで「守れ!」というのは非常識だということにやっぱり気づいてないんでしょうか?

こういう世界がいかに全体主義的になるか想像したことがあるんだろうか?プライバシーや機密の保護があいまいだからこそ守られているものがある。プライバシーが外からの力で保たれているということは、その力が全てにおいて人々の上に行使されているということ。あまり居心地がいいとは言えないんじゃないか?「保護」と「規制」は紙一重だ。なにしろ保護されているものが一番規制しやすいんだから。

「悪質なハッカーの攻撃」がすぐに他の言葉に読みかえられるのは、歴史が証明してるじゃないか。



Giant Leap for Mankind   (URL)
"That's one small stap for a man‚ one giant leap for mankind."
-- Neil A. Armstrong --

『人類の偉大な一歩から32年』(CNN)
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/space/07/20/moonwalk.anniversary/index.html

人が月に行かなくなって、もう随分になる。
その昔、熱にうかされたように人々が月を目指していた時代があった。政治的な思惑と無為な希望と夢がない混ぜになった熱狂。宇宙飛行士たちがまだ英雄でいられた時代。

「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」
そう、そのとおり。でも今だにあれより大きな一歩を、ぼくらは踏み出していない。

たしかに、わざわざ生身の人間が出て行くなんて無駄を侵さなくても、探査機やロボットで十分役目は果たせる。資金不足をうんぬんいう前に、有人探査は無駄なのだ。
それは、宇宙開発が成熟期を迎え、ある意味で大人になったということなのかもしれない。憧れだけで月に行けた時代は終わったし、きっともう二度と来ない。

きっと、いつか火星に人が立つ日が来るだろう。
でも、それはきっと「冒険」や「探検」ではなく、「政治」や「ビジネス」のためだ。そのほうがよほど健全だし、そうあるべきだとは思うけれど、少し寂しくもある。



Daily Clipping 2001.07.18   (URL)
今日は始めてアポロとソユーズのドッキングした日(1975)。今や共同で宇宙ステーションだもんねえ。ちなみに、ジョン・グレンの誕生日でもある。アメリカ初の宇宙飛行士(世界で二番目)。今年80歳、おめでとうございます。

■ソーラーセイルのテスト開始
http://www.newscientist.com/news/news.jsp?id=ns99991031
ソーラーセイルの大気圏外でのテストが19日に行われる。同機は今年4月、打ち上げ前のテストで破損し、スケジュールに三ヶ月の遅れが出ていた。同プロジェクトを主催する惑星協会とコスモススタジオは今年後半に実験衛星『コスモス1』を打ち上げる予定。(New Scinentist)


ソーラーセイルというのは、太陽の光を帆で受けて推進力にする宇宙機のこと。
よーするに宇宙のヨットですな。
え、光にそんな圧力があるのかって? そうね、どれくらいなんだろう

太陽光の圧力は地球近辺だと4.57×10のマイナス6乗[N/u] 。
セイルを10uで10kgとして1時間で移動する距離は、
1/2×0.0000457×3600×3600=296.136m

お、結構動くねえ。いつぞやの地磁気推進(過去ログ2000.04.11)より動くじゃないか。
まあ、重力とか太陽光の入射角とか全く考えてないけど、思っていたより動くみたい。
いや、楽しみっす



Daily Clipping 2001.07.17   (URL)
今日は祇園祭山鋒巡行
思い出すだけでも暑い京都の夏、地元民は行かない祇園祭、戯れ遊ぶ山のような観光客、風流やねえ


◆『リニア彗星がさらに増光』
http://www.astroarts.co.jp/news/2001/07/16c2001a2/index-j.shtml
2001年1月15日にアメリカのリンカーン研究所チーム(LINEAR)が発見したC/2001 A2リニア彗星が、6月下旬より肉眼で観察できる状態になっているが、7月12日〜13日にかけさらにアウトバースト(急増光)を起こしさらに光度が上がった。現在4.4〜5.6等級。これは彗星の核が分裂したためと見られている。(AstroArts)

おお、見たい。都内じゃびみょーな明るさだねえ。双眼鏡抱えて広いところに行けば見えるかな。
情報はこちら。
AstorArts「リニア彗星特集ページ」
http://www.astroarts.co.jp/special/c2001a2/index-j.html


◆『ソーラープレーン、高度記録を目指す』(BBC)
http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_1440000/1440598.stm
NASAが開発したソーラープレーンが、航空機の高度記録に近づきつつある、というニュース。
この『ヘリオス』は62‚000の太陽電池を搭載した無人機。現在高度22‚800メートルを記録しており。これまでのプロペラ機の最大到達高度21‚802mをすでに破っている。エンジニアは今年の後半には高度30‚000mを目標にするという。ちなみに、航空機の最高到達高度記録は24‚000m。

記事にはないが、この飛行機が最終目標にしているのは高度30‚000mを6ヶ月間飛びつづけること。記事中に'Poor man's satellite'とあるが、軍用ではなくまさしく人工衛星の代わりに気象観測や災害の情報収集、無線通信の中継など商業用に使うことを目的としている。

実は日本にも同種のプロジェクトがある。ただし、こちらは飛行船。1998年度から科学技術庁と郵政省が共同でプロジェクトを推進している「成層圏プラットフォーム」。高度20000mに全長200mという巨大な飛行船を複数滞空させて通信ネットワークの拠点や地表観測のために利用しようという計画。飛行船の耐用年数は10年というから。衛星の代替としては十分だろう。2003年には定点滞空、成層圏滞空を含む技術実証試験が始まり、2006年以降実用化の予定。
http://www.yrp.tao.go.jp/



(怒)宇宙環境汚染反対!!   (URL)
『ミサイル防衛システムの迎撃実験に成功 米国防総省』
http://www.asahi.com/international/update/0715/001.html
米国防総省は大気圏外でのミサイル迎撃テストを成功させたと発表。これは戦略ミサイル防衛構想の一環で隔月で4回行われる予定の実験の第2回目。第一回目は迎撃体の切り離しに失敗しており、これが初めての成功となる。

くおらぁ、このくそがきどもがぁ! 汚すなっちゅーとるじゃろがぁ!
そんたらとこにゴミほかしくさったら、他の人がけっつまづくじゃろがい! それでけがでもしたらどーすんじゃ、この大馬鹿者が!
ぐたぐた言っとらんで、さっさと拾えっ! 二度とすんなっ!

ま、軌道が低いからすぐにゴミは落ちてくるけどね。


冗談じゃなく、宇宙でゴミをバラ撒くのは極めて犯罪的な行為だ。軌道上の物体というのは秒速7.5kmほどの速度で飛行している。かりに正面衝突したとすると相対速度は秒速15km、時速5万4000kmにもなる。ある計算では、80gの破片は1kgのTNT火薬とほぼ同じ破壊力をもつという。

この宇宙のゴミは「スペースデブリ」と呼ばれ、近年非常に問題になっている。現在、軌道上の人工物体は2000t以上、そのうち95%はすでにミッションを終了し、コントロールされていない。これらはカタログ化され、衝突の危険がある場合には打ち上げを延期したり、コントロール可能な方の衛星の軌道を変更したりという対策が取られているが、当然ながら、すべての破片がカタログ化されているわけではない。事故の確率は100万分の1といわれているが、もうすでに旧ソ連の通信衛星が被害にあったと見られている。カタログ化されない微細なデブリの衝突は日常茶飯事で、実際スペースシャトルの機体にも細かい衝突跡が多数発見されている。

最近、各国でもなるべくゴミを出さないようにロケットを工夫するといった動きが出はじめており、国際的な基準をつくろうという動きもある。回収については研究は進んでいるが、一つ一つデブリとの軌道速度を合わせてランデブーし回収するとなると、莫大な費用と手間がかかるため、いまだに目処は立っていない。


で、このアメリカ国防省の実験は、軌道上を飛行中のICBMに対して迎撃体を「ぶつけて」破砕するという攻撃手段をとる。低軌道なので落ちてくるまでせいぜい数日というところだが、衝突のショックで破片の軌道が変わることも十分に考えられるし、たとえ落ちてくるとしても、ICBMが丸ごと落ちてくるとなるとちょっと洒落にならないんじゃないだろうか(ちなみにいっておくと、弾頭は絶対に燃えつきない。当然ながらそういう風に作ってあるはず)。

しかも仮にも軍事目的である、その軌道が公開されているとは信じがたい(軌道要素を公開することは「敵」にも同じ手段ないし対策をとるための情報を与えることになる)。ちゃんとデブリのカタログに乗るんだろうか?

ということで、99%示威行動でしかないこんな実験はやめていただきたい。いたずらに国際情勢に波風立てるだけですがな。だって、核ミサイルが一番効果的なのは「打ーつーぞー」っていってる間だけだからねえ。冷戦時代に嫌ってほどシュミレーションやったでしょうに。しかも、今回の兵器が実戦で使い物にならないのは目に見えてるじゃない、いくらデコイと本物見分けられたからって全部本物だったらどうするの? 結局、打たれた数だけ迎撃体を発射しなきゃいけないわけでしょ? 核ミサイル相手には99%は許されない。このシステムは素人目に見ても割りに合わないやりかただよね。


スペースデプリの話は以下の本に詳しい。人工衛星入門書としてもとてもいい。おすすめ。
八坂哲夫『宇宙のゴミ問題 スペースデプリ (ポピュラーサイエンスシリーズ)』裳華房(bk1)



Daily Clipping 2001.07.16   (URL)


『GPSを利用した草刈りロボットを開発 富士重工』
http://www.zdnet.co.jp/news/bursts/0107/12/fujihi.html
富士重工業はこのほど,GPSを利用して作業用車両の無人運転を可能にした「屋外自立走行ロボットシステム」を開発した。GPSと地磁気方位センサー,距離センサーにより誤差200ミリ以下で自分の位置を認識。あらかじめ設定した経路を走行しながら作業を行うことができるという。(ZDNET)

えー、わざわざ衛星なんか使わなくても、草を刈りたいエリアの4隅(対角の2角でもいいね)に発信機置いとくだけでよくないですか?アメリカの小麦農家みたいに数キロ四方の畑抱えてるんじゃなければ衛星使う意味はあんまりないと思うぞ。ま、とりあえず草刈機に載せてみたって言う感じだから、半分デモンストレーションなんだろうけど。



Daily Clipping 2001.07.13   (URL)


◆『歩き出した合体変形ロボット』
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr20010712/pr20010712.html
独立行政法人 産業技術総合研究所の分散システムデザイン研究グループでは、東京工業大学大学院総合理工学研究科 村田 智 助教授 と共同で、自由に形状を変化させつつ動作が可能なモジュール型ロボットを開発した。(NewsRelease)(Slashdot.J)

公式のニュースリリースのタイトルがこれだもんなあ、素晴らしいっすね。リンク先のムービーは必見もの。立ちあがるときにちゃんと体重を後に少し移すあたりなんか、芸が細かいなあ。
どちらかというと「今週のびっくりどっきりメカ発進!ポチッとな」って感じですか?合体って言うにはちと語弊があるね。


◆『世界で最も正確な時計』
http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_1435000/1435488.stm
全米標準技術研究所(NISTL)はこれまでの原子時計よりもさらに正確な時計を開発したと発表。この時計は150億年に1秒しか狂わない。この長さは宇宙の年齢に匹敵する。(BBC)

技術の分野では、すでに光の早さでも遅すぎるし、宇宙の年齢でも短すぎるという世界に突入しつつある。それは、研究室レベルの話じゃなくあなたの目の前のPCの中にもすでに入っているはず。
ときに、この時計どうやって「遅れ」を計測するんでしょうか?


◆『琉球大学付属図書館「琉球語音声データベース」が完成』(WIRED)
http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/
素晴らしい仕事。こういうのを見るとブロードバンドもいいかなという気になる。ただ、ブラウザで音を鳴らすためのインターフェイスがつらいなあ。まあ、これは彼等の所為じゃないけどね。Flashに埋め込むのもどうかと思うし、JAVAっていうのもねえ。

何に使う?いや、こういうものが公開されて、共有されること自体が素晴らしいんであって、万人に対して便利である必要なんかない。それがネットワークのいいところ。かく言う私だって、このデータベースを使う機会なんてないはずだしね。



Daily Clipping 2001.07.12   (URL)
日本標準時制定記念日

◆『「宇宙ステーションは最低だ」と乗組員は語る』
http://www.guardianunlimited.co.uk/spacedocumentary/story/0‚2763‚520450‚00.html
うるさいし、ゴミは飛んでるし、アプリケーションは動かないし、積んでいる道具は不適切だし、ロシアモジュールと規格は合わないし・・・「ま、基本的に最悪だね」(GuardianUnlimited)

うわー、不満たらたら。



Daily Clipping 2001.07.11   (URL)
今日はガーシュインの命日

◆『火星からの絵葉書』(ESA)
http://www.esa.int/export/esaCP/ESA0WSZUMOC_index_0.html
ESA(European Space Agency)の物理学者でありエンジニアのウラジミール・プレスターは火星でワーキングホリデーを取っている。
彼は今、カナダのデボン島で火星協会が計画した火星有人飛行ミッションのシュミレーションに参加している。これは既存技術を使った火星へのミッションの実現可能性を探るもの。彼等は、「調査」のために「ステーション」の外に出るときには「宇宙服」を着なければならないし、「管制センター」との通信には当然20分の遅延が伴う。重力が0.38Gではないことや大気が二酸化炭素ではないこと、そしてホッキョクグマがいることを除けば、デボン島の環境は火星にそっくりだという。
ちなみに、彼の日記が毎日WEBにUPされている(上記のページ右上、Mars Diaryから)

なんか、こういうの好き。ロケット飛ばすばかりが宇宙開発じゃないんだよね。例えば、20分遅延するコミュニケーションシステムの中でちゃんと意思疎通をするためには、やっぱり別のルールが出来上がったりするんじゃないかな。『星は昴』(谷甲州‚早川文庫)やね。それにしても、火星協会!いいなあ、火星協会。


◆『卵子を精子なしで受精させることができるかもしれない』(YahooNews)
http://dailynews.yahoo.com/h/nm/20010710/hl/sperm_1.html
オーストラリアの研究者が体細胞と卵細胞を受精させる方法を発見したかもしれないと発表した。これは無精子症の男性に希望を与えるものだという。

これって、例えばレズビアンのカップルでも子供がうめるんでしょうか?あるいは自分の遺伝子だけを受け継ぐ子供とか(あ、クローンじゃん。ドリーとは違うけど)。
しかし、次から次へと本当に止まらないなあ。そのうち人工子宮の研究が進んで、なべの中で子供が作れるようになるんじゃないか?



『ネット運営機関を作るとしたら? 米でユーザー意識調査 』   (URL)
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/07/11/internet.oversee/index.html
インターネット上のルール作りや監督に当たる「運営委員会」を設けるとしたら、委員には誰を選ぶ?――米国の民間団体が実施した意識調査でこんな問いが投げかけられ、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長やローマ法王のヨハネ・パウロ2世、トークショーの司会で知られる人気女優のオプラ・ウィンフリーさんなど、多彩な顔ぶれが候補に上った。調査ではこのほか、ネットへの満足度は高齢者と若者の間で差がないことや、ユーザーの半数近くがインターネットに「図書館」のイメージを持っていることなど、興味深い事実が明らかになった。(CNN.Japan)

えー、ゲイツぅ?(お約束)。ヨハネ・パウロってのもどうかと思うなあ(彼はインターネットユーザーなのか?)、オプラ・ウィンフリーって誰?
個人的にはゲイツはともかく、パウロよりはダライラマの方がまだいいなあ、なんとなく。

まじめな話をするなら、インターネットのルールを決めるのは間違いなく市場原理。規制やコントロールが「儲かる」なら罰則を設けるまでもなくシステムがルールを決めてしまうはず。儲からなければ絶対にルール作りは上手くいかない。逆にいえばそれが「儲からない」ように規制をかければ自然に消えてしまう。インターネットそのものに規制をかける必要なんてないし、そもそも意味がない。詳しくはレッシグの『CODE』を読むべし(この意見は好きではないが正しいと思う)。
ローレンス・レッシグ『CODE』翔泳社(bk1)


面白かったのは「インターネットを何かにたとえるとしたら」という質問。「図書館」ですか・・・。「ハイウェイ」「ショッピングセンター」「開拓地」「学校」。んー、あんまりコミュニケーション的じゃないんだねえ。それにやっぱりインターネット=WWWなんだなあ。

自分でサイトを持ってる人は何て答えるんだろう。
仕事では「WEBサイトは窓です」っていうことにしている。「窓から何が見たくて、何を見せたいか」をはっきりさせること、「壁に窓を空けることのリスク」をちゃんと理解すること。これはサイトを立てるに当たって最低必要なことだと思う(特に企業サイトはね)。「窓越しにお話がしたい」でも「挨拶する人いませーん」とか「家の中は見せませーん」ていうのはありえない。まして「モノが売りたい」なんて、自分の家の窓から人にモノを売るところを想像して欲しいっす。商品並べるだけで人が来るわけないじゃん。

個人的な印象としてはやっぱり「便所の・・・」(くどいっちゅーねん)。いや冗談じゃなく、このページの一番上に大きく書いてある通りっす。



Daily Clipping 2001.07.10   (URL)
更新も楽になったことだし、調子に乗って行ってみましょう。

◆『世界最高速の天文シミュレーション用計算機』
http://grape.astron.s.u-tokyo.ac.jp/~makino/press/2001-grape6.html
32Tflops(1秒間に32兆回計算)。てらふろっぷす・・・うーむ。
これは、重力計算をさせるためだけに高速化したからこんなに早く出来たわけですな。おそらく普通の計算はとても苦手なはず。たとえば、身近な例だとプレステ2は単純にコンピューターとして速度を測るとペンティアムの120MHz程度しか速度が出なかったりする。


◆『体細胞クローン動物は遺伝子の働きに異常 米研究』
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/07/09/stem.cell.abnormality.ap/index.html
体細胞クローンは、遺伝子そのものには以上はないが、たんぱく質の生成過程に以上が出たり、不安定になっているという論文が発表された。通常体細胞クローンは「胚性幹細胞(ES細胞)」から作られる。これはこの細胞が体のどんな組織にでもなり得るからで、医療への転用も有望視されていたが、今回の発表はこれに警鐘を鳴らすものである。(CNN.Japan)

やっぱり、という気がしてしまうのはなぜだろう。これはとても個人的かつ素人の感想なんだけど、最近の遺伝子治療やクローン系の技術を見ていると「そんなに大雑把でいいんですか?」みたいな感じがするんだよね。いや、ちゃんと研究されているのは分かるんだけど、「切りました、混ぜました、くっつきました」という印象が拭えない。昔、免疫の本なんかを読んで、その精緻さに驚いた人間としては、つい「いいのかそんなので」と思ってしまう。
個人的にはクローンには反対しない。ただし、それで不幸になる人(クローン人間を含む)がいないならね。


◆『風船翼機』
http://www.spacer.com/news/plane-inflatable-wing-01a.html
NASAはドライデン飛行センターにおいて、窒素によってコンマ数秒で展開する膨張式の翼を備えた「インフレータブルウイング」の実験機の飛行を成功させた[リンク先に写真有]。(SpaceDaily)

確かに、応用範囲は広そうだが・・・パンクしませんかね?



『「ナップスター」の国内被害は143億円』   (URL)
http://www.asahi.com/business/update/0709/012.html
日本レコード協会とコンピュータソフトウェア著作権協会がネット上のアンケートコーナーを通じて1万425人に調査を実施。560人(5.4%)に無料受信の経験があり、このうち457人(4.4%)がナップスターの利用者だった。総務省発表のインターネット利用者数に当てはめ、国内で81万7000人がナップスターを使っていると推計。これまでに平均で1人50曲を受信しており、音楽配信の正規料金(350円前後)を掛け合わせると被害は142億9800万円に達する、とした。(asahi.com)

馬鹿だねえ。どこでアンケート取ったんだろう?調査会社に依頼せずに、音楽サイトでプレゼントでもつけてアンケート取ったりすれば、結果が偏るのは目に見えてるじゃないか。WEB上でアンケートに答えている時点で、もうすでにかなりのレベルに達していることを忘れてるんじゃないの?ナップスターをダウンロードして、あのしちめんどくさい設定をして、数メガもあるようなデータをばんばんダウンロードできる奴がこんなにいるはずないでしょうに。
売上が落ちこんでることのスケープゴートを探しているだけだよね。だとすれば、直接の原因はお小遣いの大半が携帯電話の受信料に流れただけのこと。日の目を見るより明らかじゃないか。ライオンにかなわないからって、代わりに猫に吼えてどうするの。もっと他にやることあるでしょ。

かく言う私もナップスターやグヌテラを試したことはあるけれど、音源がただで落せることよりも、リアルタイムに相手の端末のハードディスクに直接アクセスしているという感覚や、次から次へと自分の端末にやってくる検索リクエストのほうに衝撃を感じた。ああ、P2Pってこういうことなんだ。相手の素性も知らず、言葉も交わさず、ただ検索キーだけで繋がっている。何か新しいコミュニケーションの形を見た気がしたっけ。あのアクセスモニターはたとえMP3を落さなくても一見の価値があると思う。

結局えらく時間をかけて1曲落したけれど、うっとうしくて2度とやってない。だって、レンタル屋に走る方が早いんだもの。きっとこういうユーザー多いはず。

『ホタルの光とバイアグラの原理は同じ』   (URL)
http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/06/29/firefly.viagra/index.html
蛍の光は細胞内の一酸化窒素の放出により細胞内のエネルギー消費が阻害され、あまった酸素が発光に利用される。人間は性的興奮により細胞内で一酸化窒素が放出され諸々の反応を引き起こす。なんだおんなじやないか、というお話し。(CNN.Japan)

バイアグラ云々は、この一酸化窒素の放出過程にバイアグラが関与するからということらしいが、なんだかまわりくどいな。いってしまえば、蛍の光だって生殖過程の一環なんだから、人間もホタルも原理は同じってことやね。ホタルは性的興奮で尻が光る。人間は・・・(削除)。

さて、冗談はさておき。この一酸化窒素というのは人間の体内で極めて多岐にわたる役割を持っていたりする。

◎血管細胞で作られると血管の拡張を促し、血流を増加させる。たとえば、狭心症のときに飲むニトログリセリンは体内で分解され一酸化窒素になる、これが血管を拡張し血圧を下げる。バイアグラもこの血管拡張作用を利用したもの。
◎ウイルスなどの外敵が進入したときに活躍するマクロファージが放出する細胞毒は一酸化窒素。
◎細胞の自殺を抑制する。細胞死はカスパーゼという酵素が引き起こすが、一酸化窒素はこのカスパーゼの働きを抑制する。
◎神経伝達物質としても一酸化窒素が大きく関与しているらしい(これに関しては各人言ってることがバラバラなので理屈は割愛)

なんだか他にもいろいろあるらしい。もっと原始的な生物ではどうなんだろう。生殖行動の起源だの、"感情"の起源だのにかかわっていたりするんじゃないだろうか。

ホタルに関するどーでもいい薀蓄
ホタルは種類によって光り方が違う。西日本のホタルは2秒間隔で、近くにいる個体と発光間隔を合わせて同時に光る習性がある。東日本のホタルは4秒間隔で、光り方はバラバラ、さらに夕方しか光らない。
どうやらホタルは光り方で相手の種類を見分けているらしい。北米には光り方を真似しておびき寄せ、相手を食べてしまうとんでもない奴がいる。


ホタルに関するかなりどーでもいい薀蓄
蛍の発光のエネルギー効率は88%。つまり、投入されたエネルギーの88%が光に変っている。恐るべき高効率。ちなみに電球はたった4%、残りは全部熱。



Daily Clipping 2001/07/09   (URL)


◆『ヴァージントレインズ、次世代鉄道のテストを開始』
http://news.bbc.co.uk/hi/english/uk/newsid_1428000/1428902.stm
英国のヴァージントレインズは、2002年の営業開始に向け車両のテストを開始。2005年に時速140マイル(約260km/h)でロンドン-グラスゴー間を3時間55分で結ぶ。この車両は振り子のように左右にロールすることで高速走行時の乗り心地を確保している。(BBC)

> このヴァージンは飛行機飛ばしたりCD売ったりコーラ作ってる、あのヴァージン。次は電車っすか・・・。でも、この振り子電車って中央本線で走ってるあれですか?日本じゃ20年以上前から走ってますね。酔いませんか?あ、酔ったって書いてある。「角度を直した」、なるほど。


◆『「CP対称性の破れ」現象を裏付け 米研究グループ 』
http://www.asahi.com/science/news/K2001070800186.html
http://www.asahi.com/science/news/K2001070800165.html
6日、米スタンフォード線形加速器センター(SLAC)は「CP対称性の破れ」を証明する研究発表を行った。これは、宇宙の誕生時に通常物質と等量生成されたはずの反物質がなかなか観測されない理由を説明するもの。

以前某所に書いたが、この反物質消滅に関する基礎理論を作ったのは日本人。今回の結果はその理論を証明するもの。大統一理論への足がかりとなるかもしれない極めて重要な研究。本当に証明されればノーベル賞もの。
関係無いが、朝日新聞2重記事。



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過去の記事に関してはページ下端のPast Logを参照してください。

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KASHIWAI,Isana