Garbage Collection


2005-05-31

§ [clip] Daily Clipping

New Scientist SPACE - International News, Ideas, Innovation

いつの間にか、NewScientistに宇宙関連ニュース専門サイトができていた。すばらしすぎる。


*

Cost overruns put squeeze on Hubble’s successor (NewScientist)

ハッブルの改修、スペースシャトルの後継機開発、月計画など次期計画が大きくなるにつれ、次期ハッブルであるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の予算が圧迫されるかもしれないというお話。しかもNASAが「うちのアリアン5で打上げへん?」というESAの申し出を断れば、更なる予算増につながる。まあ、予算が限られている以上何かを削らなきゃいけないのはわかるんだけど...


実はハッブルは冷却能力が低いので赤外線領域が苦手。後継機であるジェームズウェッブはこのあたりが改善されて、現行の宇宙赤外線望遠鏡スピッツアーがカバーできていない近赤外線領域での観測ができるようになる。予算への圧迫が性能を犠牲にしないといいなあ。


*

'Slime worlds' may reflect signs of life (NewScientist)

地球外生命を見つけるには「泥まみれの星」を探すのがいいかもしれない、というお話。

少し前まで地球は、藻類やバクテリアや粘菌に覆われたぐちゃぐちゃ、ぬちょぬちょした星だった。宇宙に生命を探すならこういう星を探すのがいいかもしれないということらしい。植物や微生物は近赤外線領域のある波長域をとてもよく反射するので、これを検知すればいい。赤外線で見ると植物は可視光領域の金属並みの反射率を持っているそうな。


とはいうものの、記事中でも指摘されているように、必ずしも地球外生命が光合成をしているとはいえないし、逆に他の理由で近赤外線領域の光を反射しているかもしれない。この波長にピークが見つかれば生命活動の可能性があるとはいえるけれど、その証拠とまでは行かないというのが結論。うむむ、いまだ決定的な方法はない、という感じですね。


*

Printing press spells out bugs' behaviour (NewScientist)

半導体を作るのに使われる、フォトリソグラフィという「印刷技術」を使って、生きたバクテリアをフィルム上に「印刷」する技術が開発されたというお話。


これができると何がいいかっていうと、バクテリア同士の相互作用を研究するときに、実験の環境の再現性がとても高まるので、かなり厳密な評価ができるようになる。これまでにも、仕切りを使ってバクテリアをあるパターンで配置することはできたけれど、厳密に同じパターンを作り出すことはできなかったんだそうな。


*

NASA Sees Orbiting Stars Flooding Space With Gravitational Waves (SpaceRef)

チャンドラX線望遠鏡が、白色矮星の連星が重力波を発している間接的な証拠を検出したというお話。今回発見された連星系はかなり大きな重力波を発生していると見られ、将来的に重力波検出の有力候補になるかもしれない、とのこと。


これはこれまでも知られていた現象で、重力波が出ていると連星系はその分エネルギーを失なって公転周期がわずかづつ短くなる。この公転周期の減少は重力波理論が予測する値と観測値が一致していて、重力波が存在する有力な証拠のひとつとなっている。