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2006-02-15

§ ロケット打上げ2連発

さて、今週末から来週明けにかけて、日本で続けて2つのロケットが打ち上げられます。きゃー!!
先日のH2AF8とあわせると1ヶ月以内に、3つの大型ロケットが打ち上げられることになります(実は、1月22日に弾道飛行を行ったS-310-36号機を入れると実に4機の打ち上げが行われることになるんです)。もちろんこれは初の快挙。すばらしい!

さて、簡単に二つの打ち上げを予習しておきましょう。

MTSAT-2/H2AF9 カウントダウン(株式会社ロケットシステムズ)
打上げ予定日  :2006年2月18日(土)
打ち上げ時間帯 :15:26 - 16:44(日本時間標準時)
打上げ場所   : 種子島宇宙センター
搭載されるのはMTSAT-2、運輸多目的衛星2号機。先だって打ち上げられた1号機「ひまわり6号」(MTSAT-1R)の同型機です。気象予報には1機でもいいんですが、航空管制業務には2機必要なため2号機がいるというわけ。もちろん、気象衛星としての機能も持っていて、こちらは予備機となります。実は軌道上の予備機が実現するのはこれが始めて。「ひまわり6号」に何かあったときには、即座にこちらの衛星で業務を引き継ぐことができます。
ASTRO-F/M-V-8カウントダウンページ(JAXA/ISAS)
打上げ予定日 :2006年2月21日(火)
打上げ時間帯 :6:00 - 7:00 (日本時間標準時)
打上げ場所  :内之浦宇宙空間観測所
搭載されるのはASTRO-F、これは赤外線宇宙望遠鏡です。口径70mmの望遠鏡を積んでいて液体ヘリウムと機械式の冷却機で望遠鏡をマイナス270度まで冷却し、近赤外から遠赤外までの広い領域で天体の観測を行います。これで、日本も赤外領域の宇宙望遠鏡を手に入れることになるので、ちょうど野辺山の電波天文台やチリにつくっているALMAなどでは波長が短すぎ、ハワイのすばる望遠鏡では波長が長すぎる領域で全天観測ができることになります。
ちなみに、望遠鏡を冷やすのは、そのままだと望遠鏡自体が赤外線の発生源になってしまって観測の邪魔になるからです。この液体ヘリウムは約1年半でなくなり、遠赤外の観測ができるのはその期間だけになります。近赤外は機械式の冷却機でも充分なので、そのあとも継続して観測が行われるようです。