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2006-06-02

§ **[clip] 2006年5月末現在の「はやぶさ」探査機の状況について(ISAS/JAXA)

はやぶさがイオンエンジンの点火テストに成功!きゃー!4台あるイオンエンジンのうち2台のテストを行い、まったく性能に問題がないことが判明。少なくともこの2台があれば地球に帰ってくることはできるそうな。

ただし、「現在、「はやぶさ」探査機は、交信と運用には問題はありませんが、いくつか検討を要する比較的大きな問題があります。その検討には、地上試験や比較的長期の飛行履歴の調査を要するため、現時点では正確な状況をお知らせすることができません」とのこと。なんだろう?

いや、それにしてもすごいミッションだよ。関係者の皆様の努力には本当に頭が下がります。

§ **[clip] 「はやぶさ」によるイトカワの科学観測成果、科学雑誌「サイエンス」が特集!(JAXA/ISAS)

最も有名なピアレビュー誌の一つ「サイエンス」がはやぶさの特集を組むよ、というお話。これはは、実質始めてはやぶさの科学的成果が発表されることになりますね。おぉおお!これは「Science-はやぶさ特集号」は是が非でも手に入れなくちゃ!

リンク先には詳しい資料が公開されています。これは必見。高度63mから撮られた解像度数10センチの超近接画像も掲載されています。すごい!それにしても、ラッコ画像がすごくかわいい。

さて、ちょっと内容をまとめておきましょうか。

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※これは、発表資料の画像を抜き出してまとめたものです。

・イトカワは、ある天体が衝突を起こした時の破片が集まってできたらしい。イトカワがラッコみたいな変な形をしているのは、小さな塊が集まってできた比較的大きな塊が2つくっついたものだから。

・イトカワには、岩に覆われたごつごつした部分と、砂利に覆われたスムーズな部分の2つがある。でも、他の小惑星で見られたようなパウダー状の堆積物はない。これはたぶんイトカワがすごく小さいから。こんなに小さな天体を間近から観測したのは始めてだから、こんな様子はこれまで誰も見たことがなかった。

・イトカワはサイズも組成もすごく普通。こういう小惑星は山のようにある。でも、僕たちは「普通の小惑星」を歴史上始めて目の当たりにした。これはとてもすごいこと。

・こういう小さな小惑星が集まって地球や火星みたいな大きな惑星ができたことを考えると、太陽系の歴史を探る上ですごく重要な成果が得られたことになる。

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上に転載した写真には、指でつまめるぐらいのサイズの小石が写っています。驚くべき写真です。想像してみてください。ここに写っているのは、ただの石ころです。おそらく拾い上げても、重さも、形も、色も、さほど変わった感じはしないでしょう。宇宙空間では風化がありませんから、表面はザラザラしているかな?コンドライトで鉄の酸化がほとんどないなら色はたぶん灰色でしょうね、もしかしたら見た目は均質じゃなくて、内部に含まれている金属がきらきら光るかもしれません。

そう、ごく普通の石ころです。唯一つ、この写真が地球から3億キロはなれたところで撮影されたことを除けば。

僕はこのことが、僕たちの想像力が3億キロ彼方のたかだか数センチの石ころに届いたということが、なによりもすばらしいと思います。だって、これこそが僕たちが宇宙を目指す一番の理由なんですから。