Garbage Collection


2007-11-15

§ *[clip] 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による 「地球の出」撮影の成功について

わぉ!これはすごい。かぐやから、月面の映像に続き、地平線から地球が昇ってくる様子を捉えたハイビジョン映像が届いた、とのこと。前回は8倍速の短縮画像だったけれど、今回はリアルタイム。

ちなみに...

今回、「地球の出」という表現を使っていますが、これは月周回衛星「かぐや(SELENE)」やアポロ有人宇宙船のように月のまわりを回る衛星で見られる現象です。月面上に立つ人間からは地球は絶えずほぼ同じ位置に見え、地球が地平線から昇ってくるような「地球の出」を見ることはできません。

実は、月にも本当に地平線から地球が昇ってくる場所がある。確かに月は常に同じ面を地球に向けているので、月から地球を見ると地球は空の一点に留まり「ほとんど」動かない。そう、この「ほとんど」がミソ。

実際には、月は地球に対してほんのわずかに首を振っている(秤動)。この動きが経度方向で±7度弱、緯度方向で±6度弱。で、月から見た地球の視直径が2度弱*1。つまり、月から地球を見ると、空の一点に止まっているように見えて、実は直径の6倍ぐらいの範囲で動いているということになる。

ということは、地平線スレスレに地球が見えるような地域では、本当に地球が地平線から昇ってくる「地球の出」が見られる、ということ。ただし最大でも直径の倍ぐらいまでしか上ってこないから、あんまり見栄えはしないかも(±の値なのでけっこう上がる、とのこと。コメント欄参照)。それに秤動の周期は27日あるから、「地球の出」を眺めるにはかなり根気がいるかもしれない。

(追記)~

名古屋市科学館プラネタリウムの公式ブログFrom Planetariumに再現動画が上がってました。~

ref.本当の地球の出(From Planetarium)~

かっこいい!けっこう上がりますねえ。

*1 手をいっぱいに伸ばした時の親指の太さぐらい。地球から月や太陽を見ると五円玉の穴ぐらいだから、けっこう大きい。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
> Fairbanks (2007-11-29 21:59)

ごぶさたしてます。名古屋のFairbanksです。http://planetarium.no-blog.jp/からリンクしました。さて<br>、その秤動の量ですが、倍じゃないでしょうか? ±7°とか±6°とか? やってみると結構上がります。

> isana (2007-11-29 22:15)

こちらこそご無沙汰してます(一瞬誰かと思いましたが...)。<br>確かに!±の値ですね。ご指摘ありがとうございます。

> Fairbanks (2007-11-29 22:28)

おどろかしてすみません。実はほとんどばれてますが、一応、web上にはハンドルで出る事にしてるので…。よろしくです。