Garbage Collection


2005-03-29

§ 3月30日深夜はアンタレス食


3月31日(3月30日深夜)午前0時台から1時台にかけて、月がさそり座のアンタレスを隠します。月を見つけるのは、えーと簡単ですね。南東の空の低いところに出ているはず。1等星が月に隠されるのは、14年ぶりの出来事。次におきるのは11年後のアルデバランになります。かなり貴重な機会なので、晴れていたら外に出てみましょう。ただ、月の位置が低いので開けたところに行かないと見えないかもしれません。


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月に隠されるアンタレスはとても赤く、さそりの心臓であるとされています。ちなみに、あの星を称して「ルビーよりも赤く透き通り、リチウムよりも美しく酔ったようになってその火は燃えている」といったのは宮沢賢治。


僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』

いつぞや書いたような気もしますが、あの星を見上げて、オリオンを刺し殺した蠍や、火星に反抗する星(アンタレスの語源、アンチ・アーレス)の姿ではなく、2人の少年の旅路とその勇気を思うことが出来るのは、とても幸せなことだと思います。