Garbage Collection


2006-02-03 追悼

§ [podcast] Reach for the stars - podcast

"Columbia, Houston, comm check..." Columbia Lost - Feb 1, 2003

コロンビア事故から3年経ちました。何かまた追悼文を書こうかと思いましたが、代わりにPodcastを更新することにします。

これはコロンビア事故の際、大気圏突入の直前から事故が起きて非常事態が宣言されるまでの40分間にコントロールルームで交わされた会話の記録です。非常に長くてサイズの大きい音声ファイルですが、この場合編集して短くしてしまうとあまり意味がありません。どうかご了承ください。

また、リンク先のページには、この通信記録のトランスクリプトとその翻訳を掲載してあります。また、トランスクリプトには事故後の調査で分かった事故のプロセスをコメントとして併記しました。

これがあの日、STS-107に起きたことです。

*

あらためて、あの事故で亡くなった7人の宇宙飛行士、
そして機体の破片の捜索中に亡くなった2人のパイロットに、
謹んで哀悼の意をささげます。

§ 追記

すこし、言い訳をしておきましょう。
実は、このコンテンツをアップするかどうか、かなり悩みました。
ただの興味本位じゃないのか?ただの野次馬根性じゃないのか?
これらの問いに、胸を張って「違う」と言い切ることは僕にはできません。
どう考えても、いまさら事故の詳細なプロセスを知ることに、何か大義名分があるとは思えません。

ただ一つ、あのコンテンツをアップしておく意味があるとすれば、
それはこのことを忘れないためです。他の誰でもなく、僕自身が。

100の追悼文より、あの日実際に起きたことの方がずっと多くを語ってくれます。
宇宙開発はかっこいいばかりじゃない。夢や希望だけではロケットは飛ばない。
1人のファンとして、この事実を忘れるわけにはいきません。
人々の夢は、時に人の命を奪うことがあります。
彼らに自分の夢の少なくとも一部を託した人間にとって、
彼らには、とても大きな、どうやっても返しきれない借りがあるんです。
僕にできるのは、ただ、そのことを忘れないことだけです。

忘れないでください、とは言いません。できれば、ほんの少しの間、思い出してください。
私たちが彼らに託したもののこと、私たちが彼らに負っているもののことを。

それが何よりの追悼だと、僕は思います。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
> 滝川ひとし (2006-02-06 22:15)

柏井勇魚様へ<br>感謝いたします。事故の詳細については、ニュースメディアの報道した以上のことを知ることはわたしには難しく、断片的な情報をつなぎ合わせて分かっていたつもりでしたが、あの日起きたことがとても鮮明に理解できました。<br>チャレンジャーの時もショックでしたが、改めて今回の事故が自分に刻まれた気がいたします。

> isana (2006-02-07 11:10)

滝川ひとし様<br>こちらこそ、ありがとうございます。そういっていただけると訳した甲斐があります。私自身、ニュースを追いかけたり、報告書の翻訳をしてみたりしていましたが、今回のコンテンツを作ってようやく事故の全体像がわかったような気がします。

> みなとたすく (2006-02-08 19:48)

柏井勇魚様<br>初めまして。時々通わせて頂いて、日記を拝見したり『此処から・・』を見て、「私もがんばろう」とやる気を貰ったりしていました。<br>podcast読ませて頂いて、改めて彼等が迎えれなかった今日を大切に生きていこうと思えました。本当にありがとうございます。

> isana (2006-02-09 00:30)

みなとたすく様<br>こちらこそ、はじめまして。<br>もし、僕の作ったものが、ほんの少しでも誰かが何かを思うきっかけになったのなら、本当にうれしい限りです。ありがとうございます。<br>今後ともよろしくお願いいたします。