2007-07-02
§ **[clip] ブラックホールは存在しない?
ref.NEWS CENTER: News and Information: Marketing and Communications: Case Western Reserve University~
ケースウエスタンリザーブ大学の研究チームが「ブラックホールは存在し得ないのではないか?」という理論を発表した、とのこと。きましたよ、みんな大好きブラックホールのお話。んー、ちょっと自信がないけれど、こういうことかな?
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巨大な重力源に接近していく物体を外から見ていると、相対性理論の効果により時間進み方がゆっくりになっていくように見える。このため、実際にこうした重力源に物質が落ち込むには無限の時間がかかる。だとするとブラックホールが形成されるには無限の時間がかかる、ということになる。
さて、今回こうした巨大な重力源は「プレホーキング放射」と呼ばれる現象によって蒸発してしまう可能性があることが分かった。形成されるのに無限の時間がかかり、有限の時間で蒸発してしまうなら、いつまでたってもブラックホールは形成されない。
もちろん、本当にブラックホールが形成されなくても、超高速ジェットだとか、降着円盤みたいな高重力現象は起きるはずだから、遠方から観測していたらそれが「本物のブラックホール」なのか、「偽ブラックホール」なのかは分からない。
さて、この理論が正しいとすると、ホーキングが賭けに負けたりしていた「ブラックホールの情報喪失問題」も解決しちゃう。プレホーキング放射は熱放射じゃないので、重力源の物質がもつ情報はどんどん流出し、情報は喪失しない。~
ref[gr-qc/0609024] Observation of Incipient Black Holes and the Information Loss Problem(当該論文はこれかな?)
発表したクラウスさんは物理学会の重要人物のようですので、おそらく日本の関係者は、しばらく発言しないのでは?<br>大勢が決まってから、「私もそう思っていた」<br>というのでしょう。